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統計研究彙報 第71号 No.4

ミクロデータにおける匿名化技法の適用可能性の検証 ―全国消費実態調査と家計調査を用いて―

伊藤 伸介、村田 磨理子、高野 正博

2014年3月

わが国において匿名データの作成・提供のさらなる展開を図るためには、匿名データで主として用いられているトップ(ボトム)・コーディングやリコーディング等の非攪乱的な匿名化技法だけでなく、ノイズの付加、ミクロアグリゲーション等の攪乱的な手法についても、その有効性を実証的に明らかすることが求められるが、わが国ではそうした研究は数少ない。そこで、本稿では、全国消費実態調査と家計調査の個票データを用いて、ミクロデータに対する匿名化技法の適用可能性の検証を行った。
本研究では、様々な匿名化技法を用いて作成した秘匿処理済データの有用性と秘匿性の定量的な評価を行った上で、R-Uマップを用いて、情報量損失と秘匿性の程度に関する比較分析を行っている。それによって、秘匿処理済データの有用性と秘匿性の相対的な評価が可能なことが明らかになった。
キーワード: 政府統計ミクロデータ、匿名化技法、有用性、秘匿性、攪乱的手法

【問合せ先】
- 総務省統計研究研修所研究開発課