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統計研究彙報 第71号 No.2

労働力調査における季節調整法のRegARIMAモデルの適用

大島 敬士

2014年3月

総務省統計局が公表している労働力調査の月次結果は、原系列に加え季節調整系列を公表しており、季節調整法には米国センサス局が開発したX-12-ARIMAの機能のうち、X-11パートにより季節調整がなされていた。
本稿では、労働力調査の主要系列のうち完全失業率及び就業者数に対して、X-12-ARIMAの機能であるRegARIMAモデルを用いて、いわゆる季節調整の歪みにつながるリーマンショックなどの経済情勢の変化に伴う原系列の急激な変動をダミー変数(回帰変数)により調整する方法について検討を行った。
検討の結果、RegARIMAモデルにおける回帰変数の設定により、従来のX-11による季節調整値でみられた経済情勢の変化に伴う影響が緩和されるとともに、X-11 に比べて季節調整値の安定性が向上した。
キーワード: 労働力調査、季節調整法、X-12-ARIMA、RegARIMAモデル

【問合せ先】
- 総務省統計研究研修所研究開発課