近代日本を築いた統計
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この年の10月1日、記念すべき第1回国勢調査が実施された。統計の重要性に理解のある首相によって、ようやく実現したのであった。阪谷芳郎国勢調査を実施しましょう1906(明治39)年に、44歳という若さで大蔵大臣になった阪さか谷たに芳よし郎ろうは、早くから統計の重要性を認識していた。内閣統計局の広大な敷地の選定、第19回国際統計会議の開催などの事績があるが、国勢調査実現への働きかけは、最も大きな事績と言える。阪谷は、東京統計協会の会長を40年間にもわたって務めたが、その間、何度も国勢調査実施の建議・陳情を繰り返していた。そして…1920(大正9)年、統計局と軍需局を統合して国勢院が設立された。43

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