近代日本を築いた統計
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スタチスチックと書くべきである「政表」がよかろう福澤諭吉「統計」「政表」のほかにも、さまざまな訳語があった。1871(明治4)年、大蔵省に統計44司、太政官正院に政表44課が置かれた。「統計」という訳語を考えたのは、幕府の学問所である開成所の教授を務めた柳やな河がわ春しゅん三さんだと言われている。英語のstatistic、またはドイツ語のStatistikを日本語で表すためにも、さまざまな訳語が考えられた。幕末から明治時代にかけて、西洋の文化がたくさん入ってくると、それらを日本語として表すために、多くの新語がつくられた。しかし、明治時代半ばまでに、「統計」という訳語が主流となっていた。freedom=自由love=恋愛society =社会製表綜計国治国勢形勢表記知国前にも触れたように、杉亨二は、「スタチスチック」をそのまま使うのがよいという立場だった。柳河春三32

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