近代日本を築いた統計
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統計学の歩みドイツイギリスフランス人口や産業などの調査に見る国勢学出生・死亡などの法則賭け事の勝ち負け統計学の形成統合近代統計学の父ケトレー国・社会の実態をとらえる確率的な事象をとらえる近代的統計学大量の事象をとらえる 人類が社会的な集団を営み始めたころから、人口や土地、生産などについての調査が行われていたと言われています。古代文明が起こったバビロニア、エジプト、中国などでは、徴兵や収税を目的とした人口調査が行われていたという記録があります。 現在の統計学につながる近代的統計学のもとになったのは、主に3つの流れだとされています。1つ目は、17世紀のドイツで、国家や社会の実態を把握するために人口や産業の調査をすることに始まったものです。2つ目は、同じころのイギリスで行われた出生や死亡などについての法則を研究するものです。そして、3つ目は、17〜18世紀のフランスで、賭けの勝ち負けの研究から数学の確率論に発展したものです。これらが、19世紀のベルギーのケトレー(1796〜1874)によって統合されました。ケトレーは、人口、犯罪、社会事象などを調査・分析するための統計学を研究し、「近代統計学の父」と称されます。近代的な統計学の成立column:01

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