Japan Statistical Yearbook 2023
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5 Public Finance 131 租税 租税は、国及び地方公共団体が、公共サービスを提供するための資金を得る目的で、法律の定めに基づいて国民から徴収するもので、課税の主体によって国税と地方税に分けられる。租税の分類として最もよく用いられるのは、直接税と間接税の区分である。直接税は、所得税や法人税のように納税者と税負担者が同一の租税であり、間接税は、酒税や消費税のように納税者と税負担者が別々の租税である。また、一般の経費に充てるための普通税と都市計画税など特定の経費に充てるための目的税の区分がある。 国税 財務省が取りまとめている「財政金融統計月報(租税特集)」及び国税庁が取りまとめている「国税庁統計年報」による。 「国税庁統計年報」は、税務署における事務処理の過程から派生的に作成されるものを国税庁、各国税局及び沖縄国税事務所で取りまとめて集計したものである。 地方税 総務省が取りまとめている前記「地方財政統計年報」による。決算額を中心としたものであり、税額も徴収実績額による。 地方税は、課税の主体によって道府県税と市町村税に分けられる。地方公共団体の一般財源としては、地方税のほか、国から交付される地方交付税、地方譲与税及び地方特例交付金がある。地方交付税は、所得税、法人税、酒税等として国が徴収した税金の一定割合を地方に交付するもので、財政力に応じて税収の少ない団体に多く交付することによって、地方公共団体間の財源調整を図っている。地方譲与税は、地方揮発油税、特別とん税など国がいったん国税として徴収し、その全部又は一部を地方に譲与するものである。地方特例交付金は、恒久的な減税に伴う地方税の減収の一部を補てんするため、地方税の代替的性格を有する財源として平成11年度に創設され、国が全ての地方公共団体に交付するものである。 公債 公債は、国や地方公共団体が、財政収入の不足を補うために債券の発行又は証書借入れによって負う債務をいい、それ以外の借入金と区別されている。公債は、発行する主体によって国債、地方債などに分けられる。 国債 財務省が取りまとめている「国債統計年報」による。 国債の発行は、法律で定められた発行根拠に基づいて行われており、大別すると普通国債と財政投融資特別会計国債(財投債)に区分される。財投債は財政融資資金において運用の財源に充てるために発行され、財投債の発行収入は財政投融資特別会計の歳入の一部となる。 地方債 地方債をもって財源とすることができるのは、公営企業に要する経費、出資金及び貸付金、地方債の借換え、災害復旧事業費等、公共施設等の建設事業費等に限定されており、発行に当たっては、原則として、総務大臣又は都道府県知事に協議することとされている。一般会計債においては公共事業等、教育・福祉施設等整備事業、辺地及び過疎対策事業等、公営企業債においては水道事業、交通事業、病院事業・介護サービス事業等に分類される。 財政投融資 財務省が毎年取りまとめている「財政金融統計月報(財政投融資特集)」による。 財政投融資は、租税負担に拠ることなく独立採算で、財投債(国債)の発行などにより調達した資金を財源として、政策的な必要性があるものの、民間では対応が困難な長期・固定・低利の資金供給や大規模・超長期プロジェクトの実施を可能とするための投融資活動(資金の融資、出資)である。したがって、財政投融資計画は、これら各運用先に対する特定財政資金等の供給計画であって、各運用先の資金計画の総額を示すものではなく、また、政府の出資や融資の全部を包含するものでもない。しかし、財政投融資計画は、予算とともに国の財政活動に主要な地位を占めており、予算の添付資料として国会に提出されてその議決を受けることになっている。

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