Japan Statistical Yearbook 2023
119/796

86 3 国民経済計算 社会総合研究所が取りまとめたデータを使用している。 平成30年度県民経済計算は、国民経済計算(2008SNA・平成23年基準)に準拠した「県民経済計算標準方式(平成23年基準版)」に基づいている。 なお、県民経済計算は、国民経済計算の諸概念を県に適用したものであり、県民経済計算の47都道府県の合計は、概念的には国民経済計算と一致するものであるが、推計主体及び推計方法が同一でないため一致しない。 産業連関表(基幹統計) 産業連関表は、作成対象年次における我が国の経済構造を総体的に明らかにするとともに、経済波及効果分析や各種経済指標の基準改定を行うための基礎資料を提供することを目的とし、 10府省庁(総務省、内閣府、金融庁、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省及び環境省)が共同作業により5年ごとに作成している。 産業連関表とは、国内経済において、一定期間(通常1年間)に行われた財・サービスの産業間取引を一つの行列(マトリックス)に示した統計表である。列(タテ)は財・サービスの生産に当たって投入された原材料及び粗付加価値の構成、行(ヨコ)は生産された財・サービスの販売(産出)先の構成が示されており、投入産出表とも呼ばれている。産業連関表は、産業間取引を記録する中間需要及び中間投入の内生部門、粗付加価値及び最終需要を表す外生部門とで構成されており、国民所得統計では捨象している産業間の取引を含む産業活動の全容を明らかにしているところに特色がある。 産業連関表は通常、取引基本表、投入係数表、逆行列係数表等で構成されている。取引基本表は、産業間で取引された財・サービスを金額で表示したものであり、投入係数表は、取引基本表の中間需要の列ごとに、原材料等の投入額を当該産業の生産額で除して得られた係数表で、ある産業において1単位の生産を行うときに必要な原材料等の単位を示したものである。また、逆行列係数表は、ある産業に対して1単位の最終需要があった場合、それが各産業部門に対して直接・間接にどれだけの生産波及を及ぼすかその波及効果の大きさを示した係数表である。産業連関表は、取引基本表独自でも産業構造を明らかにすることができるが、さらに、投入係数表や逆行列係数表を用いる産業連関分析によって、経済予測や経済計画の策定など広範に利用されている。 なお、平成27年産業連関表は、内生部門については行509×列391部門の基本分類により作表されているが、本書には、13×13部門の統合表による取引基本表及び投入係数表を掲載している。

元のページ  ../index.html#119

このブックを見る