第75回 日本統計年鑑
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第4章 通貨・資金循環 本章は、通貨及び資金循環で構成されている。 通貨及び資金循環には、我が国で流通している各種の通貨量、資金の流れ等に関する統計を掲載している。 なお、金融及び保険は「第16章 金融・保険」、社会保険は「第23章 社会保障」を参照のこと。 日本銀行統計 日本銀行は金融に関する統計、短観、企業物価指数、国際収支統計等数多くの統計を作成しているが、本章では日本銀行関連統計、通貨関連統計、資金循環の統計分野から以下の統計を掲載している。 日本銀行関連統計 マネタリーベースと日本銀行の取引 マネタリーベースと日本銀行の取引は、バランスシートの項目を組み替えることにより、日本銀行が、具体的に資金をどのように供給しているかを示すため、日本銀行が毎月作成、公表している。 通貨関連統計 マネーストック マネーストック統計は、一般法人、個人、地方公共団体などの通貨保有主体が保有する現金通貨や預金通貨など通貨量の残高(金融機関や中央政府が保有する預金などは対象外)を集計したもので、日本銀行が公表している。我が国の場合、対象とする通貨及び通貨発行主体の範囲に応じて、M1、M2、M3、広義流動性の四つの指標を作成・公表しており、マネーストック統計の各指標の定義は以下のとおりである。 M1=現金通貨+預金通貨(預金通貨の発行者は、全預金取扱機関) M2=現金通貨+預金通貨+準通貨+CD(預金通貨、準通貨、CDの発行者は、国内銀行等) M3=現金通貨+預金通貨+準通貨+CD(預金通貨、準通貨、CDの発行者は、全預金取扱機関) 広義流動性=M3+金銭の信託+投資信託+金融債+銀行発行普通社債+金融機関発行CP+国債+外債 なお、国内銀行等及び全預金取扱機関の定義は、以下のとおりである。 国内銀行等=国内銀行(除くゆうちょ銀行)、外国銀行在日支店、信用金庫、信金中央金庫、農林中央金庫、商工組合中央金庫 全預金取扱機関=国内銀行等+ゆうちょ銀行+信用組合+全国信用協同組合連合会+労働金庫+労働金庫連合会+農業協同組合+信用農業協同組合連合会+漁業協同組合+信用漁業協同組合連合会 また、マネーストック統計対象金融商品を発行している経済主体を通貨発行主体といい、M1とM3の場合は、日本銀行と全預金取扱機関が該当し、M2の場合は、日本銀行、国内銀行(除くゆうちょ銀行)、外国銀行在日支店、信用金庫、信金中央金庫、農林中央金庫、商工組合中央金庫が該当している。広義流動性の場合は、国(国債)、非居住者(外債)なども含まれている。 マネタリーサーベイ マネタリーサーベイは、マネーストック統計のうちのM3の変動を、金融機関等の資産・負債の変化と関連付けて捉えることを目的として日本銀行が作成している。具体的には、マネタリーサーベイは、現金通貨を発行する中央銀行と、預金通貨、準通貨、CDを発行する預金取扱機関の諸勘定を、統合・調整したバランスシート(月末残高)である。本統計では、M3が負債として表示される一方で、国際通貨基金(IMF)が採用している国際基準に基づき、対外資産あるいは国内信用(政府向け、その他金融機関向け、地方公共団体向け、その他部門向けの内訳が存在)といった区分で資産が表示されている。したがって、負債であるM3の変動をこれらの資産の変動に関連付けて把握することが可能となる。本章では総括表を掲載しており、総括表は、中央銀行と預金取扱機関のバランスシートを統合・調整した統計である。 4 Currency and Flow of Funds 117

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