この章は、物価指数及び価格で構成されている。 物価指数には、国内企業物価、輸出・輸入物価、農業物価、消費者物価等に関する物価指数を掲載している。 価格には、小売価格及び地価に関する統計を掲載している。 企業物価指数 企業物価指数は、企業間で取引される財に関する価格の集約を通じて、財の需給動向を把握し、景気動向ひいては金融政策を判断するための材料を提供することを主な目的とし、毎月、日本銀行が作成している。現行指数の基準時は令和2年、ウエイトは元年と2年の平均値を適用している。 企業物価指数の指数体系は、基本分類指数と参考指数から構成される。 基本分類指数は国内企業物価指数、輸出物価指数及び輸入物価指数で構成される。指数の算式は各時点ごとに各種商品の価格をまず指数化し、その価格指数を基準時に固定した金額ウエイトにより加重算術平均する「固定基準ラスパイレス指数算式」を採用している。 国内企業物価指数 国内企業物価指数は、国内で生産した国内需要家向けの財(国内市場を経由して最終的に輸出するものを除く。)を対象とし、原則、生産者段階における出荷時点の価格を調査している。ウエイト算定に際しては、令和元年工業統計の出荷額から、令和元年貿易統計の輸出額を控除した額と、令和元年工業統計の出荷額を令和2年動態統計で延長推計した額から、令和2年貿易統計の輸出額を控除した額の平均値を用い、これによれない場合(非工業製品など)は、他の官庁・業界統計などを適宜、使用している。採用品目数は515品目、消費税を含むベースで作成している。 輸出物価指数、輸入物価指数 輸出物価指数は、輸出品の通関段階における船積み時点(原則として<FOB建て>)の価格を、輸入物価指数は輸入品の通関段階における荷降ろし時点(原則として<CIF建て>)の価格を調査しており、円ベース、契約通貨ベースの双方の指数を作成している。ウエイト算定に際しては、財務省「貿易統計」の令和元年、2年の輸出額及び輸入額の平均値を用いている。採用品目数は輸出物価指数で184品目、輸入物価指数で210品目である。 企業向けサービス価格指数 企業向けサービス価格指数は、企業間で取引されるサービスの価格変動を測定するものである。企業間で取引されるサービス価格の集約を通じて、サービスの需給動向を把握し、景気動向ひいては金融政策を判断するための材料を提供することを主な目的としている。毎月、日本銀行が「固定基準ラスパイレス指数算式」を用いて作成している。 現行指数の基準時及びウエイト算定年次は平成27年で、採用品目数は146品目、 消費税を含むベースで作成している。 農業物価指数 農業物価指数は、農業における投入・産出の物価変動を測定するため、毎月、農林水産省が農業物価統計調査(「第8章 農林水産業」参照)を実施し、ラスパイレス式を用いて作成している。現行指数の基準時は令和2年、年平均価格指数の算出に用いるウエイトは令和2年農業経営統計調査経営形態別経営統計(全農業経営体)結果による全国1農業経営体当たり平均を用いて、農産物については農業粗収益から作成し、農業生産資材については農業経営費から作成している。採用する品目は農産物112品目、農業生産資材150品目である。 消費者物価指数 消費者物価指数は、全国の世帯が購入する財及びサービスの価格変動を総合的に測定し、20 Prices 469 第20章 物価・地価
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