公的年金 公的年金は,古くは恩給及び官業共済制度を元とし,いくつかの制度が順次創設され,その後統合・一元化されてきた。現在は,国民年金と厚生年金保険からなる。平成27年10月の被用者年金(国民年金を除く年金の総称)の一元化により,厚生年金保険は全ての被用者が加入する制度となった。なお,受給権者とは,年金を受け取る権利を持ち,本人の請求により裁定された者(全額支給停止されている者を含む。)をいい,受給者とは,受給権者のうち,全額支給停止されていない者をいう。 介護保険 介護保険制度は,高齢化や核家族化の進行に伴い深刻化していた介護問題を解決するため,医療と福祉に分かれていた高齢者介護に関する制度を再編し,国民皆で介護を支える制度として,平成12年4月から施行されている。 保険者は市町村(特別区を含む),被保険者は第1号被保険者が65歳以上の者,第2号被保険者が40歳以上65歳未満の医療保険加入者に区分されている。 要介護者 要介護状態にある65歳以上の者及び要介護状態にある40歳以上65歳未満の者であって,その要介護状態の原因である身体上又は精神上の障害が加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病であって政令で定めるもの(特定疾病)によって生じたものをいう。 要支援者 要支援状態にある65歳以上の者及び要支援状態にある40歳以上65歳未満の者であって,その要支援状態の原因である身体上又は精神上の障害が特定疾病によって生じたものをいう。 国民医療費 国民医療費は,当該年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を,毎年厚生労働省が推計している。この費用には,医科診療や歯科診療にかかる診療費・薬局調剤医療費・入院時食事・生活医療費・訪問看護医療費等が含まれる。推計は,医療保険制度等による給付,後期高齢者医療制度や公費負担医療制度による給付,これに伴う患者の一部負担等によって支払われた医療費を合算したものである。 福祉行政報告例 福祉行政報告例は,社会福祉関係諸法規の施行に伴う各都道府県・指定都市・中核市の行政の実態を数量的に把握し,国及び地方公共団体の社会福祉行政運用上の基礎資料を得ることを目的として,厚生労働省が実施している。調査は,全国の社会福祉関係行政機関及び社会福祉施設を対象とし,都道府県・指定都市・中核市を通じて報告される月報及び年度報により,毎年,取りまとめられている。なお,生活保護関係については,平成24年度に被保護者調査に統合した。 社会福祉関係行政機関 社会福祉法に基づいて設置され,各種社会福祉関係法令に規定される援護,育成又は更生の措置を業務とする福祉事務所のほか,児童福祉法に基づく児童相談所,身体障害者福祉法に基づく身体障害者更生相談所,知的障害者福祉法に基づく知的障害者更生相談所,売春防止法及び配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律に基づく婦人相談所などがある。 被保護者調査 被保護者調査は,生活保護法に基づく保護を受けている世帯及び保護を受けていた世帯の保護の受給状況を把握し,生活保護制度及び厚生労働行政の企画運営に必要な基礎資料を得ることを目的として,厚生労働省が実施している。平成24年度に福祉行政報告例のうち生活保護関係について,被保護者全国一斉調査と統合を行い,新たに「被保護者調査」と名称を変更した。調査は,都道府県・指定都市・中核市の所定事項の報告により行われている。 社会福祉施設等調査 社会福祉施設等調査は,全国の社会福祉施設等の数,在所者,従事者の状況等を把握し,社会福祉行政推進のための基礎資料を得ることを目的として,毎年厚生労働省が実施している。3年に1回は精密調査,中間の2年間は簡易調査を行っている。調査は10月1日現在の全国の社会福祉施設の機能等について,各社会福祉施設を対象に実施されている。 社会福祉施設 社会福祉法に基づく社会福祉事業を経営するために設置する施設をいう。これには,生活532 23 社会保障
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