第70回 日本統計年鑑
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第6章 貿易・国際収支・国際協力 この章は,輸出・輸入,国際収支及び国際協力で構成されている。 輸出・輸入には,輸出入金額及び貿易指数に関する統計を掲載している。 国際収支には,国際収支,対内・対外投資,対外資産負債残高,外国為替相場及び外貨準備高に関する統計を掲載している。 国際協力には,経済協力に関する統計を掲載している。 貿易統計 貿易統計は,我が国の貿易の実態を正確に把握し各国の外国貿易との比較を容易にすることにより,国及び公共機関の経済政策並びに私企業の経済活動の資料に資することを目的として,財務省が作成している。輸出及び輸入される貨物が税関を通関する際,輸出入者から提出される輸出申告書,積戻し申告書,輸入申告書,蔵入承認申請書,移入承認申請書等に基づいて毎月作成されており,通関統計とも呼ばれている。 計上時点は,原則として輸出は積載船舶又は航空機の出港の日,輸入は輸入許可又は承認の日で,価額は,輸出は本船渡し(FOB)価格,輸入は運賃・保険料込み(CIF)価格である。また,国別分類は,輸出は仕向国(地)により,輸入は原産国(地)によるが,原産国(地)が不明の場合は積出国(地)によって分類している。なお,本邦通貨への換算は,週ごとに税関長が公示する外国為替相場(輸出入申告日の属する週の前々週における実勢外国為替相場の週間平均値)による。 貿易指数 前述の貿易統計を指数化したもので,金額指数,価格指数及び数量指数を用いて算出されており,財務省が毎月作成している。現行指数の基準時は平成27年である。指数の算出方法は,金額指数は比較時の輸出入額を基準年の輸出入額で除すことにより輸出入額の変化を算出しており,価格指数はフィッシャー式が採用されている。また,数量指数は,金額指数を価格指数で除して算出されている。なお,輸出入物価指数は「第20章 物価・地価」を参照のこと。 国際収支統計 国際収支統計は,一定期間における一国のあらゆる対外経済取引を体系的に記録した統計であり,財務大臣から委任を受けて,日本銀行が作成している。居住者と非居住者との間で行われた取引の内容に応じ,(1)財貨・サービス・所得の取引や経常移転を記録する経常収支,(2)対外金融資産・負債の増減に関する取引を記録する金融収支,(3)生産資産(財貨,サービス)・金融資産以外の資産の取引や資本移転を記録する資本移転等収支,に計上している。国際通貨基金(IMF)が公表した「国際収支マニュアル」に準拠して作成している。平成26年1月取引計上分から大幅な見直しが行われ,見直し後の国際収支の主要項目は,貿易収支,サービス収支,第一次所得収支,第二次所得収支から成る経常収支と資本移転等収支,金融収支となった。 経常収支 貿易・サービス収支,第一次所得収支,第二次所得収支の合計。 金融収支に計上される取引以外の,居住者・非居住者間で債権・債務の移動を伴う全ての取引の収支状況を示す。 貿易・サービス収支 貿易収支及びサービス収支の合計。実体取引に伴う収支状況を示す。 貿易収支 財貨(物)の輸出入の収支を示す。国内居住者と外国人(非居住者)との間のモノ(財貨) の取引(輸出入)を計上する。 サービス収支 輸送,旅行,その他サービス取引の収支を示す。 第一次所得収支 対外金融債権・債務から生じる利子・配当金等の収支状況を示す。 第二次所得収支 居住者と非居住者との間の対価を伴わない資産の提供に係る収支状況を示す。官民の無償資金協力,寄付,贈与の受払等を計上する。 6 Foreign Trade, Balance of Payments and International Cooperation 167

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