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第4章 年齢階級別に見た暮らしの特徴
家計支出の内容は世帯主の年齢によって異なることがあります。ここでは,世帯主の年齢階級別に暮らしの特徴を見てみましょう。
1. 30歳未満で多い住居費
世帯主の年齢が低い世帯ほど,借家に住む世帯の割合が高いため,家賃地代を含む,「住居費」の支出が多くなる傾向にあります。特に,30歳未満の世帯では「家賃地代」の支出が「住居費」の89.9%を占め,他の年代に比べ最も高くなっています。
なお,世帯主の年齢が高い世帯ほど持家に住む割合が高いため,「設備修繕・維持」の支出が多くなる傾向にあります。
図 4-1 世帯主の年齢階級別1世帯当たり年間の住居費(二人以上の世帯)(2020年)
2. 30歳代で多い子供用衣料など
世帯主が30歳代の世帯では,子供が誕生し,幼児のいる割合が高いため,「子供用衣料」などが他の年代に比べ多くなっています。
図 4-2 世帯主の年齢階級別1世帯当たり年間の子供用衣料など(二人以上の世帯)(2020年)
子供用衣料など:子供用洋服,子供用シャツ・セーター類,
子供用下着類,子供用靴下,子供靴・サンダル
3. 40歳代及び50歳代で多い教育関係費
世帯主が40歳代及び50歳代の世帯は,子供が成長し,授業料,学習参考書代,仕送り金,塾の費用などの「教育関係費」の支出が他の年代に比べ多くなっています。
世帯主が40歳代の世帯では,子供が中学校や高校に在学している世帯の割合が高いため,学習塾や家庭教師への月謝などが含まれる「補習教育」のほか,学校給食や文房具などを含む「その他の教育関係費」の支出が他の年代に比べ多くなっています。
世帯主が50歳代の世帯では,子供が親元を離れ,大学に進学する世帯の割合が高いため,子供への「仕送り金」の支出は,40歳代の世帯の約2.4倍になっています。
図 4-3 世帯主の年齢階級別1世帯当たり年間の教育関係費(二人以上の世帯)(2020年)
仕送り金:国内遊学仕送り金
その他の教育関係費:学校給食,男子用学校制服,女子用学校制服,鉄道通学定期代,
バス通学定期代,書斎・学習用机・椅子,文房具,通学用かばん
4. 60歳代で多いスポーツ施設使用料
フィットネスクラブなどの「スポーツ施設使用料」の支出金額についてみると,60歳代の世帯の支出が最も多く,最も少ない30歳未満の世帯の約5.5倍になっています。
なお,消費支出に占める「スポーツ施設使用料」の割合も60歳代の世帯が最も高くなっています。
図 4-4 世帯主の年齢階級別1世帯当たり年間のスポーツ施設使用料
(二人以上の世帯)(2020年)
5. 70歳以上で多いサプリメントなどの支出
サプリメントなどの「健康保持用摂取品」の支出金額をみると,70歳以上の世帯が最も多く,最も少ない30歳未満の世帯の約5.2倍になっています。
また,消費支出に占める「健康保持用摂取品」の割合も70歳以上の世帯が最も高くなっています。
図 4-5 世帯主の年齢階級別1世帯当たり年間の健康保持用摂取品の支出金額
(二人以上の世帯)(2020年)
健康保持用摂取品:青汁,ローヤルゼリー,サプリメントなど
35歳未満の男性の「外食」の支出は1か月当たり約2.2万円
単身世帯について,男女の年齢階級別に食費の内訳をみると,男女ともに,35歳未満で「外食」の支出が最も多くなっており,60歳以上で野菜や魚介類などの「素材となる食料」の支出が最も多くなっています。
図 4-6 男女,年齢階級別1か月間の食費(単身世帯)(2018〜2020年平均)
外食:外食,賄い費
調理済みの食料:菓子類,調理食品
素材となる食料:穀類,魚介類,肉類,乳卵類,野菜・海藻,果物,油脂・調味料
ペット関連費の支出が多い35〜59歳の女性
単身世帯について,男女の年齢階級別に「ペット関連費」についてみると,35〜59歳の女性の支出が最も多くなっています。
図 4-7 男女,年齢階級別年間のペット関連費(単身世帯)(2018〜2020年平均)
ペット関連費:ペット,ペットフード,動物病院代など