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官庁データサイエンティストの育成を目指して
総務省統計研究研修所長 會田 雅人 (肩書は掲載当時のもの)
統計研究研修所は、総務省の機関として、国家公務員及び地方公務員の統計能力の向上と統計家の育成のための専門研修を実施しています。また、各府省支援のための統計作成技術の研究にも力を入れて行くこととしています。
【データサイエンスの重要性】
データサイエンスと統計はほぼ同義語だと思います。アカデミーの世界では、本年4月に滋賀大学にデータサイエンス学部が新設され、来年には横浜市立大学でもデータサイエンス学部が設置される予定です。ビジネスの世界においても、品質管理手法である「シックス・シグマ」におけるDMAICプロセスでもデータ分析は重要視されていますし、マーケッティングを始めとした近年のビッグデータの活用においてもデータ分析が重要です。
【統計改革推進での提言】
「統計改革の基本方針」(平成28年12月21日経済財政諮問会議決定)において、「統計研修所における「官庁データサイエンティスト」など高度な統計専門人材の育成を推進・・」とされています。また、「統計改革推進会議最終取りまとめ」(平成29年5月19日統計改革推進会議決定)においても、「国・地方の職員一般のデータ・リテラシーの確保と、その段階的な技術向上を図るため、受講しやすく効果的な形式の研修を開発するなど統計研修の充実・強化等を実施」とされています。
【統計研究研修所の取組】
こうした中、統計研究研修所では、従来からの教室形式の研修に加え、多くの方々が受講できる方策として、2016年9月にオンライン講座「初めて学ぶ統計」を立ち上げ、2017年7月に第2弾となる「統計データのできるまで−統計的推測の基礎−」を開始しました。また、コースとしても、従来からの「データサイエンスセミナー」、「統計オープンデータ利活用−API機能の活用事例の演習−」などに加え、2017年度には、「ビッグデータ入門」、「ミクロデータ分析の基礎」などを加え新しい取組を行ってきています。今後は、官庁データサイエンティスト育成を目標に、データサイエンスの講座の充実、EBPMの考え方も取り入れた「政策と統計」に関するオンライン講座の新設などを計画しています。統計研究研修所への御支援、研修コースへの御参加をよろしくお願いいたします。
統計調査ニュース 平成29年11月号より
(2018.5.11掲載)