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平成23年度の統計研修について
統計研修所長 飯島 信也 (肩書は掲載当時のもの)
総務省統計研修所は、国と地方公共団体の全ての職員を対象とした研修機関で、公的統計を支える人材の育成を目的としています。統計研修の内容は、統計担当職員向けの専門的知識・技術に関する研修から、一般職員向けの統計の利活用の手法に関する研修まで、多岐にわたります。
統計研修の受講者の構成を見ますと、地方公共団体の統計主管課の職員の割合が最多となっていますが、受講者数については減少傾向にあります。限られた定員で多くの業務を担当されている、地方の統計主管課の現状が、反映されているかも知れません。
しかし一方で、地域統計の専門的な分析・加工など、統計主管課には、統計の専門能力が一層求められている状況だと思います。また、統計の一般的な利活用については、さまざまな行政分野で必要とされますが、やはり統計主管課が、自治体の中で中心的な役割を果たすことが期待されます。
今年は、国勢調査の結果が順次公表され、人口や世帯について、最新の詳細な地域別データが利用可能となります。この機会に、統計主管課からの情報発信を一層進めていただくことが、地域の統計利活用の拡大にも資するものと思います。当研修所の統計研修をさらに活用していただき、職員の統計能力の向上、組織全体の統計分析・活用能力の一層の強化につなげていただきたいと思います。
当研修所では、平成23年度に17の研修課程を開講する予定としています。総合研修課程である「本科」は、約3か月の期間で統計の基礎から応用までを体系的に習得する課程です。
本科以外の研修課程は、いずれも(通信研修と地方研修を除き)3〜5日間という短期の日程としています。統計の利活用に関する基礎的な課程としては、「一般職員課程」、「PCを用いた統計入門」などを開講します。また、分野別の専門的な研修課程として、「国民・県民経済計算」、「人口推計」、「経済予測」、「地域分析とGIS(地理情報システム)入門」などを開講します。さらに高度な分析手法を習得するものとしては、「統計解析ソフトRで学ぶミクロデータ利用入門」を、昨年度に引続き開講します。
また、業務等の都合で研修への出席が難しい方のため、インターネットを介したEラーニングによる通信研修「統計調査基礎課程」も実施しています。
なお、今年4月から全国の小学校で新しい学習指導要領に基づく授業が始まり、統計についての学習内容が拡充されます。これに合わせ、当研修所では、公立学校の教員も統計研修の受講生として受け入れることとしています。
今後も、ニーズを踏まえた統計研修体系の見直し等を行ってまいります。ぜひ、一人でも多くの職員の皆様が統計研修を受講され、統計能力の向上に役立てていただきたいと願う次第です。
統計調査ニュース 平成23年2月号より
(2011年2月21日 掲載)