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海上保安庁交通部企画課企画調査室 国田 亘
私は,平成22年4月から海上保安庁交通部企画課企画調査室に配属となりました。海上保安庁では,海難事故の防止業務 及び救助業務の向上に資するため,海難事故の実態や原因等を調査する「海難調査」を行っています。私の所属する 企画調査室では,全国の海上保安部署が作成した「海難調査」の調査票を取りまとめ,分析を加え,それを基に 海難事故防止対策にいかすとともに,船舶海難に関する各種統計資料の作成等も行っています。
また,海上交通に関する施策にいかすために,船舶乗組員の方等に対する聞き取り調査の設計・集計なども行っており, 私にとって統計に関する研修は,業務上必要不可欠であるため,平成22年5月に受講した「専科『調査設計』」に引き続き, 「専科『PCを用いた統計分析』」を受講させていただきました。
記述統計演習では,サンプルデータを基に統計ソフト「R」を使用しながら講義が進められました。「R」は統計の専門家も 使用するような本格的な統計ソフトでありながらフリーソフトであるという点や,正規分布図や箱ひげ図などの様々な図を 描画できる点が,「R」を初めて使用した私にとっては驚きでした。また,「R」を使用するとt検定等で容易に変量の関連性も 数値的に判定できることから,多数の質的・量的変量データである「海難調査」の調査票の分析においても活用できるのではないかと思いました。
GIS基礎演習では,ArcGIS,MANDARA,地図太郎といったGISソフトを使用して人口統計データから統計地図を作成しました。 当室では,業務上,ArcGISを使用し,海難事故の発生位置図の作成や任意の海域における海難事故数の算出等を行っていますが, 本講義の演習を通して,GISソフトを活用すると更に高度な統計地図の作成や集計ができることが分かりました。 また,e-Stat(政府統計の総合窓口)などからGISソフト用の様々な地図情報を入手できることも分かったので,今後の業務にいかしていきたいと思います。
多変量解析演習は,ExcelやRを使用しながら,サンプルの多変量データを解析するとともに受講生でグループとなり, 演習課題を解いていく形式で講義が進められました。また,標準偏差や分散等の統計の基礎ついても根拠式を用いて講義していただきました。 多変量データを解析する上では,結果と相関のある変数を見極めることが非常に大切であると感じました。
5月の「調査設計」で標本調査等の設計や調査実施について受講し,今回の「PCを用いた統計分析」で,調査結果の分析について受講することにより, 調査の設計から分析までの一連の流れを学ぶことができ,大変勉強になりました。
最後になりましたが,丁寧に分かりやすく講義してくださった講師の先生方,期間中,研修環境に御配慮してくださった研修所事務局の皆様方にこの場をお借りして心より御礼申し上げます。
(統計調査ニュース 平成23年4月号より)