全数調査・標本調査

 調査の対象となる集団全体のことを母集団と呼びます。調査の対象の範囲の観点では、全数調査と標本調査の2種類があります。
 全数調査は、母集団の全てを調べる方法です。標本調査は、母集団の一部を抽出して調べる方法です。母集団の一部を抜きとることを標本抽出といい、抽出された集合体を標本といいます。

全数調査(悉皆(しっかい)調査)

 全数調査(悉皆調査)とは対象となるものを全て調べる調査の事です。全数調査は、誤差なく正確な結果が得られる反面、膨大な費用や手間がかかるという欠点もあります。

標本調査(サンプル調査)

 標本調査(サンプル調査)とは対象となるもの一部を調査して、全体を推定する方法です。全数調査に比べて手間や費用を省くことができますが、標本誤差が生じてしまうため、標本は偏りが生じないように選ぶ必要があります。

 例えば、ある高校の生徒の平均身長を調べる場合、全校生徒の身長を調べるとすれば、全数調査となり、一部の生徒を調査して全校生徒の平均身長などを推定すれば標本調査ということになります。標本を選ぶ際は、各学年から選び出す標本の割合(標本抽出率)を一定にするなどの工夫が考えられます。
 また、標本調査を行う際は、調査に偏りが出ないように無作為に抽出する必要があります。無作為抽出を行う場合は、乱数表やExcelの乱数機能を利用すると良いでしょう。

【参考】Excelの乱数機能

 1. 適当なセルにRAND関数「=RAND()」または「=RANDBETWEEN(A,B)」(Aは乱数の最小値、Bは乱数の最大値)を入力する。
 2.入力したセルをコピーして必要な数だけペーストする。

標本抽出

 標本調査では、抽出した標本の回答結果から、全体(母集団)の傾向を推測するため、標本抽出は、標本の偏りをなるべく小さくして、母集団を代表するように行わなくてはなりません。この抽出方法による標本調査の種類を以下に示します。