スーパーのレジ、病院の診察室、銀行のATM、空港の搭乗手続きなど、世の中の至るところで順番待ちをする人の行列(待ち行列)がみられます。
企業などにおいては、最大限の利益を上げるために、商品やサービスを提供するお客の回転数を高めることが大切です。回転数を上げることは、お客の待ち時間が少なくなり、お客に対するサービスの向上にもつながります。
この行列を解消するためには、例えば、銀行の場合であれば、窓口(対応する人)を増やすことが考えられます(※1)。しかし、一体どれくらい増やせばよいのでしょうか。
もし窓口を必要以上に多く作ってしまうと、せっかく作った窓口は無駄な投資となってしまいます。逆に少ない場合は順番待ちの行列で溢れてしまうことになります。
このようなときに使われているのが「待ち行列理論(※2)」です。 待ち行列理論は、「何らかのサービスを受けるために順番待ちをする人」が作る列(待ち行列)を数学的に(確率の考え方を用いて)記述したものです。この理論では、人(客など)が互いに無関係にお店などを訪れる(ポアソン分布(図1)(※3)に従う)こと(待ち行列理論では「ポアソン到着」といわれます。)を仮定しているなど、統計の分野と非常に関係があります。
待ち行列理論を用いると、窓口数や作業員数などに対応した客の平均的な待ち時間などを計算することができます。最初に述べたとおり、企業などでは、なるべくお客さんの待ち時間を減らし、客の回転数を上げるとともに、ムダな設備投資は避けたいと考えているため、世の中の様々なところで応用されています。
例えば、銀行などの窓口はいくつ設置すればよいか、また、コールセンターなどのオペレーターの人数はどれくらい必要か、ウェブサイトのサーバの負荷の見積もり(※4)などを設計段階で見積もるためなど、世の中の多くの場面でポアソン分布や待ち行列理論が使われています。
単位時間中に平均で
回発生する事象がk回(kは自然数)発生する確率
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