客観的な事実に基づく意思の決定

 皆さんは日々テレビ、新聞、インターネットなどから流れてくる情報について、印象や偏見に惑わされることなく、どこまでが正確でどこまでが信用に足る情報かを明確に判断することができますか?

 近年、社会の情報化によって、日々、様々なメディアから、膨大な情報が流れるようになりました。しかし、残念ながらこれら全ての情報が正しいわけではありませんし、情報の受け取り方によって様々に解釈できる情報も少なくありません。誤った情報を信じ込んだり、与えられた情報を誤って解釈してしまったりすると、知らず知らずに、自らの目的とは全く異なった意思決定を行ってしまうことがあります。印象や偏見に惑わされることなく、客観的に何が事実であるかを見極めた上で、事実を踏まえた正しい情報に基づいて、自らの意思決定を行っていくことが重要です。
 統計は様々な事象を客観的なデータで示すことで、正しい情報が何であるかを見極める重要な道具となり、皆さんの目的に沿った意思決定を助けることができます。

課題解決に欠かせない知識

 何らかの問題や課題に直面した時、まずは現状がどのようになっているのかを正確に捉え、客観的な事実から具体的な問題点を見つけ出していきます。そこから、個々の問題点を分析し、新たな発見に至ることで、課題解決が可能になります。また、この作業を繰り返していくことで、より高度な課題に踏み出すことができるようになります。この課題発見から新たなステップへと至るプロセスにおいては、客観的な事実を探求していくことが欠かせません。

 これまでも、POSシステム(※)などの数多くの経営革新や日本の高度な品質管理の確立がそうであったように、客観的な統計から事実を探求し、考察を深め、課題の解決を図っていく考え方はイノベーション(技術革新)を支える重要な力となるのです。

社会を支える土台としての統計

 印象や偏見に惑わされることなく、客観的かつ中立な情報を判断していくことは、社会において特に重要なことです。一人一人が、自らの目的に沿った合理的決定をしていくことで、社会全体がより良い未来へ向かっていく、その土台として、客観的な統計による情報の正確性の確保は欠かすことができません。

 課題解決が行われていかなければ、ますます制約が厳しくなる社会の各種リソース(資金、労働力、時間など)が無駄に使われることにもつながり、社会の停滞を招くことにもなりかねません。客観的な統計を有効に活用することで、現にある課題を解決し、新たな発見を加えていくことが、より良い社会を創っていくために重要になります。

社会で求められる、統計思考力

 近年のコンピュータによる計算処理能力の向上は、統計による課題解決や工程管理に必要な計算を容易なものとし、かつては処理できなかったような大量のデータからこれまでに知られていない新たな事実を浮き彫りにしつつあります。今や国際的な会議における合意の形成、企業の経営方針の決定、科学的な実験による仮説の検証、スポーツの戦略決定や健康管理に至るまで、統計は社会のありとあらゆる場面で使用されるようになりました。

 今、こうした統計の広がりから、様々な業界で、課題解決の能力として、統計を有効に活用できる力が求められてきています。

※POSシステム・・・店で商品を販売する時に、バーコードなどから販売情報を記録、収集し、在庫管理やマーケティングのための情報として利用するシステム。

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