玄田 有史 氏(東京大学社会科学研究所教授)


 以前、何かの本を読んでいて、「もしも戦前の国民がもっと統計を知る機会があったなら、太平洋戦争は、避けられていたかもしれない」といった内容に出会ったことがある。
 日本の本当の国力や世界の実情を、国民の多くが正確に理解していたならば、当時の政府が無謀な戦争に突き進むのを、世論の力で食い止められていたのかもしれない、というのだ。
 しかし、それは決して過去だけのことではないかもしれない。
 残念ながら、現在の日本は、近隣の国々との間で様々な緊張関係の中にある。最悪の事態を避けるには、どうすればよいのか。
 まずは国民が「事実」を知ることだ。謙虚に自らを知り、周囲を理解し、進むべき方向をみんなで決めて動くのだ。
 統計は、そのためにある。


Copyright © 2013 総務省 統計局 All rights reserved.

〒162-8668 東京都新宿区若松町19-1 TEL 03-5273-2020(代)