失業とは

 最近では平成20年(2008年)9月に米国大手証券会社の経営破綻をきっかけに生じた世界的な金融不安(いわゆるリーマンショック)により、我が国においても、円高や米国等の急激な景気後退の影響を受けました。これによって企業における新卒者の採用が絞り込まれたことから、若者の就職活動が厳しいといった報道がされています。
 ここでは、我が国における就業の状況、特に若者の就業状況について、統計データを用いて考えてみましょう。

 まず、我が国における雇用失業情勢を完全失業率から見てみましょう。
 ところで、失業とはどういう状態のことを指すのでしょうか?ただ「働いていない」だけでは赤ちゃんや小学生、高齢者まで含まれてしまいます。 国際労働機関(ILO)の定義によれば、「仕事を持たない」「仕事を探している」「すぐに仕事につくことができる」の3つの条件を満たす一定年齢以上の全ての人を失業者としています。 つまりケガや病気で入院していてすぐに仕事につけない人や仕事をしたいとは思っていても実際に仕事を探していない人は失業者には含まれていないのです。 我が国の失業の定義は、このILOの定義に従っています。
 では、15歳以上人口について、全体と若者の完全失業率を分析してみましょう。

分析に必要なデータ・資料は?

総務省統計局 労働力調査 長期時系列データm 表3 (9)年齢階級(10歳階級)別完全失業者数及び完全失業率

データを理解して加工してみよう

  1.  総務省統計局のホームページから労働力調査 長期時系列データの表3(9)年齢階級(10歳階級)別完全失業者数及び完全失業率をダウンロードしてみましょう。 表には、昭和43年(1968年)以降の毎年の年平均の完全失業者数及び完全失業率が年齢階級別に記入されています。 ここでは、若者(15〜24歳とします。)と全体の完全失業率を比較したいので、若者の完全失業率も得る必要があります。

    時系列データとは?
    時系列データとは、時間の経過に沿って記録したデータのことです。
  2.  昭和43年(1968年)から平成21年(2009年)までの完全失業率の推移をグラフにしてみましょう。

    完全失業率とは?
    次の3つの条件を満たす者を完全失業者といいます。
    1. 仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった(就業者ではなかった)
    2. 仕事があればすぐ就くことができる
    3. 調査週間中に、仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む)
  3.  グラフの横軸に昭和43年(1968年)から平成21年(2009年)を、縦軸に完全失業率を取ります。
      なお、15〜24歳の完全失業率は、
      5〜24歳の完全失業率=(15〜24歳の完全失業者÷15〜24歳の労働力人口)×100
    となります。
  4.  また、比較のため、同じく「表3(9)年齢階級(10歳階級)別完全失業者数及び完全失業率」に記載されている完全失業率(総数)の値とともに折れ線グラフを描きます。
     すると、図1のようなグラフになります。

図1 完全失業率

統計から読み取れることは?

 総数(全年齢階級の平均)のグラフを見ると、平成3年に起きたバブル経済(注1)の崩壊以降、完全失業率は上昇傾向にあったことが分かります。 そして、14年あたりからは低下傾向となりましたが、20年9月のリーマンショックの影響などにより、21年は前年に比べて1.1ポイントと大きく上昇しており、雇用情勢が急激に悪化したことが確認できます。
 また、若者(15〜24歳)の完全失業率を見ると、総数とほぼ同様の動きをしており、総数を大きく上回って推移していることが読み取れ、21年では総数に比べ4ポイント高くなっています。 このことから、若者を取り巻く雇用情勢が特に厳しいことが分かります。

(注1)
投機(市価の変動を予想して、その差益を得るために行う売買取引)によって生ずる、実態経済とかけ離れた相場や景気。(出典:広辞苑)
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