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統計Today No.124

社会生活基本調査のミクロデータを用いた勤務間インターバルの推計

総務省統計局統計調査部 労働力人口統計室調査官  長尾  伸一


 近年、働く者の心身の健康確保、仕事と時間の調和(ワーク・ライフ・バランス)、女性の活躍推進等の観点から、「働き方改革」が注目されており、その中でも特に、働く者の就業時間や就業と就業の間隔(「勤務間インターバル」)に関心が高まっています。
 就業時間については、労働力調査から毎月の就業者の月末1週間の就業時間を把握することができるほか、就業構造基本調査では5年に1度の大規模標本により、地域別結果や個人の属性に関する詳細な結果を把握することができるように整備されています。また、ここで紹介する社会生活基本調査では、個人の生活時間を調査しており、調査対象の個人について連続する2日間の生活時間を調査しています。この連続する2日間に調査を実施している特性を用いて総務省統計局として初めて「勤務間インターバル」を推計し、その結果を平成23年社会生活基本調査ミニトピックス 「我が国における勤務間インターバルの状況 〜平成23年社会生活基本調査の結果から〜」(http://www.stat.go.jp/data/shakai/mtopics/index.htm)に掲載しました。本稿ではその概要を紹介します。


勤務間インターバルをどう捉えたか

 ここで推計した勤務間インターバルは、一日目の就業と二日目の就業との間隔のこととして定義しました。例えば、9時から1時間の休憩時間を挟み18時までの8時間勤務の場合、図1の上図のように、就業終了の18時から翌日の就業開始の9時までの15時間が勤務間インターバルとなります。
 EUでは、労働時間指令により、労働者の健康と安全確保の観点から、24時間につき最低連続11時間の休息時間(勤務と勤務の間隔)を付与することが義務付けられています。勤務間インターバル11時間とは、図1の下図の例のような場合が想定されます。長時間労働といった際に基準となることの多い月80時間の残業時間を1日当たりで考えると、おおよそ4時間の残業となります。仮に、通常は上記の例のように9時から18時までの8時間勤務の人が4時間の残業をした場合を考えると、22時まで勤務することとなり、勤務間インターバルは翌朝9時までの11時間となります。


図1 勤務間インターバルのイメージ

図1 勤務間インターバルのイメージ



勤務間インターバルが14時間以上15時間未満の人が最多

 社会生活基本調査では、前述のとおり、一人につき連続する2日間の生活時間について調査しています。ここでは、同調査のミクロデータから、平成23年10月に2日間とも「仕事」という行動があるデータについて、「仕事」と「仕事」の間の最も長い時間を勤務間インターバルとして定義しました。今回の分析では、勤務時間が比較的固定的であり、2日間のデータから勤務間インターバルが捉えやすいと考えられるホワイトカラー労働者について推計しました。その結果をみると、勤務間インターバルが14時間以上15時間未満の人が最も多く(23.3%)、次いで15時間以上16時間未満(18.7%)、13時間以上14時間未満(16.2%)の順となっており、この13時間以上16時間未満に約6割(58.2%)の人が含まれます。
 しかし、その一方で、勤務間インターバルの短い人もみられ、EUで義務付けられている11時間に満たない人の割合は約1割(10.3%)となっています(図2、表)。


図2 ホワイトカラー労働者における勤務間インターバル階級ごとの人数の割合

図2 ホワイトカラー労働者における勤務間インターバル階級ごとの人数の割合


表 インターバル時間階級ごとの人数の割合(%)

表 インターバル時間階級ごとの人数の割合(%)


 勤務間インターバルについては、我が国では漸(ようや)くその言葉が一般に浸透してきたものの、その現状について、分析している報告書や研究は僅かであり、これを正確に把握することは、将来に向けての課題と考えられます。今回の推計結果については、研究段階であるものの、「働き方改革」の実現に向けた議論に貢献できることを目的としたものです。
 また、社会生活基本調査のデータは、その特性を生かした様々な分析結果を得ることができるので、以下に調査結果、ミニトピックス、研究分析事例を紹介します。


<勤務間インターバルの分析>


<長時間労働に関する分析>

  • 『統計研究彙報』第74号(2017年3月)「WHO works long hours? 〜労働力調査及び社会生活基本調査のミクロデータを用いた長時間労働に関する分析」 長尾伸一、野村大輔、永井恵子
    http://www.stat.go.jp/training/2kenkyu/2-2-new.htm

<平成28年社会生活基本調査結果及び関連のミニトピックス>



 最後になりますが、本稿の勤務間インターバルに関する研究成果については、「2017年度統計関連学会連合大会」(2017年9月3日〜6日、南山大学名古屋キャンパスに於(お)いて開催)で、総務省統計局の職員による最新の研究成果について報告する予定です。
 また、平成28年社会生活基本調査 調査票A 生活時間に関する結果は、平成29年9月15日(金)に公表する予定となっています。


(平成29年9月1日)


e-Statの項目は、政府統計の総合窓口「e-Stat」掲載の統計表です。

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