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統計Today No.66

家計簿からみた365日〜日別集計結果より

総務省統計局統計調査部消費統計課長 永島 勝利


 総務省統計局では、GDP(国内総生産)全体の約6割を占める家計消費の実態を把握し、国の経済政策・社会政策の立案に必要な基礎資料を 提供することを目的として、家計調査を毎月実施し、その結果(速報)を翌月に公表しています。このため、家計に関する詳細かつ膨大な統計データが 蓄積されており、家計の実態を詳細に分析することが可能となっています。特に、日単位で、品目別に、消費支出を見ることのできる日別集計結果は、 他調査にはない家計調査の最大の特徴の1つと言えます。

 日本人は季節に最も敏感な国民であるとも言われ、そうした傾向は、日々の消費行動の中にも表れています。 ここでは、その一端を上述した家計調査の日別集計結果から垣間(かいま)見てみようと思います。


(1年で一番、消費支出の多い日は?)

 まず、支出総額から始めましょう。1月1日から12月31日までの365日の中で、最も消費支出が多くなる日は、いつなのでしょうか。


図1 消費支出総額の1世帯当たり日別支出(二人以上の世帯)(平成22年〜24年平均)


 大晦日やクリスマスと予想された方も多いかと思いますが、実は、元日の支出が一番多いのです。 元日は、自宅や実家でゆっくり過ごしそうなイメージがありますし、また、休業の店舗も多いのですが、そんな日の多額の支出とは具体的に何でしょうか。

 答えは、(世帯外への)「贈与金」と「他のこづかい」(世帯主以外の世帯員へのこづかい)です。1月1日の支出ですから、これは、お年玉ですね。 実際に物を買ってはいませんが、お年玉も立派な支出です。1世帯当たりの平均の支出額ですので、多くの世帯が同じ品目に支出をすれば、金額が多くなります。 元日に子供や孫などにお年玉をあげるという行動は多くの世帯で見られますし、(他の日を含めた)1日当たりの平均支出額と比べて支出額も大きいため、 こうした結果になります。なお、これらの品目を除いて考えると、支出額が最も多くなるのは12月30日や31日です。


表1 1月1日の1世帯当たり支出額(二人以上の世帯)
   平成22年 平成23年 平成24年
消費支出総額 14,516円 14,473円 14,280円
贈与金 7,558円 7,518円 7,606円
他のこづかい 1,366円 1,380円 1,142円
(参考)1日当たりの平均支出額 6,749円 6,520円 6,566円

 特に、食料関連の品目では年末の支出が多くなる傾向があります。その傾向が最も顕著なのは「もち」で、12月30日だけで、 実に年間消費の1割以上の支出があります。なお、12月31日が最大にならないのは、いわゆる一夜飾りが嫌われるためと考えられます。


(特定の日に支出の多くなる品目)

 年末年始以外の日にも特徴があります。例えば今年の7月22日は土用の丑(うし)の日でしたが、 夏ばて防止のために、うなぎを食べた方も多かったのではないでしょうか。「うなぎのかば焼き」への支出が1年で一番多くなるのは、 毎年、この土用の丑(うし)の日で、昨年は、年間支出の15%弱がこの1日に集中していました。このように特定の日に、 1年で一番支出が多くなるものとしては、表2のようなものがあります。


表2 特定の日に支出の多くなる主な品目
品目 支出最大日
婦人用洋服 1月2日
子供用洋服 同上
いわし 2月3日
すし(弁当) 同上
チョコレート 2月13日
又は14日
他の貝*1 3月3日
ビスケット 3月13日
文化施設入場料 5月4日
他の和生菓子*2 5月5日
他の主食的外食*3 同上
うなぎのかば焼き 土用の丑の日
生鮮果物 8月12日
又は13日
ようかん 同上
品目 支出最大日
かぼちゃ 冬至
他のがん具 12月23日
又は24日
ケーキ 12月24日
生しいたけ 12月30日
干ししいたけ 同上
もち 同上
えび 同上
かまぼこ 同上
豚肉 同上
鶏肉 同上
同上
生鮮野菜 同上
こんにゃく 同上
みかん 同上
品目 支出最大日
生うどん・そば 12月31日
日本そば・うどん
(外食)
同上
まぐろ 同上
たい 同上
ぶり 同上
かに 同上
さしみ盛合わせ 同上
牛肉 同上
天ぷら・フライ 同上
清酒 同上

         *1 はまぐりなどを含む。
         *2 かしわもちなどを含む。
         *3 お子様ランチなどを含む。


 年末年始の関係以外にも、節分、ひなまつり、お盆や冬至など、伝統行事に関連したものも多く見られます。 また、チョコレートやケーキなどの菓子類も目立ちますが、これには、プレゼントなど、支出した世帯以外で消費するものも含まれていると思われます。

 家計調査では、品目分類別結果のほかに、当該世帯内での消費とそれ以外を区別した用途分類別(品目別よりも区分は大くくりになります。) の結果も公表していますので、世帯内での消費用の支出とプレゼントなどの世帯外用の支出とを区別することができます。


図2 菓子類への1世帯当たり日別支出(二人以上の世帯)(平成22〜24年平均)


 菓子類について、これを見た結果が図2になりますが、ひなまつりとクリスマスイブの菓子類への支出は専ら世帯内用のものですが、 それを除いて、支出が伸びる時期の傾向は世帯内・外で同じです。バレンタインデー、ホワイトデー、子供の日といったイベントの前日に菓子類の支出が増えています。また、年始やお盆、 春と秋のお彼岸の時期にも支出が増えていますが、この時期に実家などに行った際に、手土産やお供えを購入することなどが関係しているのでしょうか。


 さて、ここでクイズを1つ出題します。下のグラフは、ある品目X(食料品ではありません。)の日別集計結果ですが、品目Xとは何でしょうか。 支出が特定の時期に伸びていますので、それをヒントに、少し考えてみてください(正解は、最後に記載しています。)。


図3 「品目X」の1世帯当たり日別支出(二人以上の世帯)(平成22〜24年平均)


(政策の影響分析にも利用できます)

 さて、ここで、少し別の切り口からお話をしますが、政策の影響を知る上でも日別集計結果が役に立つことがあります。 例えば「たばこ」は、たばこ税の値上げなどの政策要因によって値段が変化します。 直近では、平成22年10月1日に値上げがありましたが、この前後の支出額を見ると、図4のとおりとなります。


図4 「たばこ」の1世帯当たり日別支出(二人以上の世帯)(平成22年9〜12月)


 値上げ直前には駆け込み需要があり、値上げ後にはその反動によって支出減が続いている状況が一目瞭然ですね。 「たばこ」の1日当たりの平均支出は30円強くらいですので、大ざっぱに言って、値上げの前日に、通常の10倍くらいの需要があったことになります。 喫煙者の皆さんは、10日分くらいをまとめ買いされたのでしょうか。ただ、値上げ後も12月半ばくらいまで支出減の状況が続いていたので、 値上げを機に禁煙する、あるいは本数を減らすといった決断をした方もいらっしゃるのかもしれませんね。


(最後に)

 今回御紹介した内容は、日別集計結果から分かることのごくごく一部分ですが、皆さんの消費行動がカレンダーと強く関連していることに驚かれたのではないでしょうか。 日別集計結果はエクセル形式のものがインターネットから誰でも入手できます。御自身でも日別集計結果を使ってみたいという方は、是非、アクセスしてみてください。


<http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/OtherList.do?bid=000000330002&cycode=1>

(上記アドレスにアクセスすると、該当年月一覧が表示されますので、御覧になりたい年月を選択後、統計表一覧から、 表6−15(用途分類)又は表6−16(品目分類)を選択してください。)


 また、統計局のホームページには、家計調査の様々な結果を分かりやすくまとめた「家計簿からみたファミリーライフ」を掲載していますので、 こちらも併せて御覧いただければ幸いです。<http://www.stat.go.jp/data/kakei/family/index.htm>


 (クイズの答:「切り花」です。3月と9月の支出の伸びから、「お彼岸」というキーワードにたどり着けるかどうかがポイントでした。 また、「母の日」にも支出が伸びるのですが、単年のデータではなく、3年分を平均しているため、その傾向はやや見えにくくなっています。)


(平成25年8月7日)


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