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統計Today No.65
本年10月1日に「平成25年住宅・土地統計調査」を実施します
総務省統計局統計調査部国勢統計課長 岩佐 哲也
総務省統計局では、今年の10月1日を期日として「平成25年住宅・土地統計調査」を実施します。 第1回調査は昭和23年に行われ、その後5年ごとに実施されており、今回は14回目の調査になります。
この調査は、全国約350万世帯の方々を対象とする大規模な統計調査で、調査の結果は、国や地方公共団体における住生活に関する計画や、 耐震・防災を中心とした都市計画の策定、空き家対策など、皆様の身近な生活環境の改善に幅広く活用されています。
【これまでの調査の結果から】
平成20年調査では、総住宅数は5759万戸、総世帯数は4997万世帯となっています。 第1回調査が行われた昭和23年の総住宅数は1391万戸でしたので、その後の60年間で約4.1倍に増えたことになります。
住宅の建て方の割合を都道府県別にみると、一戸建は秋田県が82.4%、共同住宅は東京都が69.6%とそれぞれで最も高くなっています。 東京都、神奈川県、大阪府、福岡県、沖縄県では共同住宅数が一戸建の数を上回っています。
今回の調査では、近年において多様化している我が国の世帯の居住状況や、少子・高齢化などの社会・経済状況の変化を踏まえ、住宅のストックのみならず、 (1)少子・高齢社会を支える居住環境、(2)耐震性・防火性といった住宅性能水準の達成度や省エネルギー性能住宅、 (3)土地の有効利用状況を明らかにすることを狙いとしています。
【これまでの調査の結果から】
共同住宅のうち、「エレベーターのある共同住宅」が846万戸(共同住宅の40.9%)、「高齢者対応型共同住宅」が334万戸(同16.2%)となっています。
平成7年に長寿社会対応住宅設計指針が策定され、近年では高齢者等に配慮した共同住宅の割合が高くなっていることが分かります。
また、この調査では空き家も調査対象にしています。近年では、空き家の問題が地方においてもクローズアップされてきています。 空き家については、現在、防犯、防災といった環境面や固定資産税の取扱い等、様々な社会問題を引き起こす要因となっているとともに、 少子・高齢社会の進展に伴う空き家の有効的利活用を求める声もあります。今後の空き家対策の策定等にこの調査の結果が求められています。
【空き家数の推移】
少子・高齢化が進むなか、総住宅数の伸びが総世帯数の伸びを上回り空き家の増加が進行しています。総住宅数に占める空き家の割合は昭和38年(2.5%)以降一貫して上昇を続け、 平成20年には13.1%となりました。空き家のうち、賃貸・売却用の住宅など流通が見込まれるものが約6割を占めています。
さらに今回の調査では、特に、平成23年3月に発生した東日本大震災に伴う住居の移動や、 住居の被災の実態を捉えるための調査事項を加えております。震災の影響による住居移動は日本全国に及んでおりますし、 特に被災地においては、住生活に大きな変化が生じ、復興に向けた住生活関連の取組を進めておりますので、その進展状況を捉えるとともに、 その後の対応方策の策定に資する基礎資料を提供していきたいと考えております。
調査の実施面では、特に都市部においてマンション等の増加や共働き世帯の増加などにより、調査員が世帯員との面接に苦慮する場面も多くなってきています。 今回の調査では、調査環境の改善への取組の一つとして、対象となる350万世帯全てでパソコンを通じたオンラインによる回答を可能とすることとしております。 これにより、世帯の回答方法が広がるほか、調査事務の効率化や結果精度の向上にもつながるものと考えております。
以上のように、今回の平成25年住宅・土地統計調査では、統計調査の実施環境の整備を図った上で、時代に即した結果の提供を行ってまいります。 今回の住宅・土地統計調査ではAKB48の大島優子さんが広報タレントに就任しました。これからポスター、CMなどで皆さんも目にされることと思います。 我々もこれから大島さんと一緒に調査の広報に努めていきたいと思います。
皆様方の御支援・御協力方、どうぞよろしくお願いいたします。
【関連リンク先】
- 住宅・土地統計調査について:http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/index.htm
(平成25年7月5日)