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統計Today No.60

個人企業の景況感からみた変化の兆し
−個人企業経済調査(動向編)平成24年10〜12月期結果(速報)から−

総務省統計局統計調査部経済基本構造統計課長 佐藤 正昭


個人企業経済調査は、個人企業に特化した唯一の基幹統計調査です

 個人企業経済調査は、「製造業」、「卸売業、小売業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「サービス業」を営む個人企業の経営実態を明らかにする唯一の基幹統計調査であり、その結果は、GDP推計や中小企業施策のための基礎資料として利用されています。

 個人企業は、平成24年経済センサス‐活動調査の速報結果からみますと、日本全国の民営事業所数約547万のうち個人企業の事業所数は約221万と約4割を占めており、地域に根ざして生産、販売、サービスの提供を行なっているものが多数であり、地域経済にとって重要な地位を占めていることがわかります。

 今回は個人企業経済調査(動向編)の最新結果(平成24年10〜12月期調査結果(速報))から、個人企業の景況感について、見てみたいと思います。


個人企業経済調査(動向編)平成24年10〜12月期結果(速報)をみると

 個人企業経済調査では、個人企業の景況感をいち早く公表するために、売上高等の営業状況を公表する前に、「個人企業の業況判断DI」の一部を速報として公表しています。

 まず、調査産業計(4産業)の今期(平成24年10〜12月期以下「今期」という。)業況判断DIをみると、-67.5で、前期(平成24年7〜9月期以下「前期」という。)に比べ1.6ポイント「改善」しています。また、来期(平成25年1〜3月期以下「来期」という。)の業況見通しについても-65.4で、今期の業況判断に比べ2.1ポイント「改善」の見通しとなっています。

 図1の業況判断DI(調査産業計)の推移をみると、平成19年のいわゆるリーマンショック後、個人企業の業況判断DIは「悪化」をたどり、平成22年頃を境に一進一退を繰り返しながら、若干「改善」の方向に動いています。


  図1 業況判断DIの推移 −調査産業計−

業況判断DIの推移 −調査産業計−


  表 業況判断の割合 −調査産業計−

業況判断の割合 −調査産業計−


 今期の個人企業全体の業況判断DIが「改善」している状況については、個人企業経済調査動向調査票の回収時期にも留意する必要があります。個人企業経済調査では今期の調査票の回収時期を平成25年1月上旬から中旬までとしており、その時期の景況感が反映されているものと思われます。

 昨年の12月中旬までに業況を把握している「日銀短観」等では、今期は「悪化」となっていますが、平成24年12月下旬に調査した「景気ウォッチャー調査(12月)」結果の現況判断DIは「上昇」となっており、個人企業経済調査結果と同じ動きを示しています。

 また、産業別に今期の業況判断DIをみると、「製造業」及び「卸売業、小売業」は前期に比べ「改善」し、来期の業況見通しは「卸売業、小売業」及び「宿泊業、飲食サービス業」で今期に比べ「改善」する見通しなどとなっています。

 産業別に今期の業況判断DIが「改善」又は「悪化」した理由を、他の調査※で把握されている具体的な事例も参考にしてみると、「製造業」における「改善」に関しては、食料品製造業では年末・年始の需要期のため、受注が増加したこと、輸出割合の高い製造業では円安が好材料と受け止められたことなどが、「改善」の理由として考えられます。「卸売業、小売業」の「改善」に関しては、製材卸売業では戸建住宅関連の資材が好調であったこと、衣料品小売業では11月及び12月の全国的な寒さにより冬物衣料が好調であったことなどが、「改善」の理由として考えられます。

 「宿泊業、飲食サービス業」の「悪化」に関しては、宿泊業では、台風の影響等によりイベントが中止、笹子トンネル事故の影響で客数が減少、客単価の低下により売上が減少したこと、飲食サービス業では、賞与の減少に伴い、忘年会等宴会の予約が減少、利用価格が低下したことなどが、「悪化」の理由として考えられます。「サービス業」の「悪化」に関しては、個人企業経済調査における「サービス業」の対象事業所数割合が高い理美容業では低価格店への顧客の流出が続いていること、クリーニング業では燃料価格が高騰、節約志向により顧客が減少したことなどが、「悪化」の理由として考えられます。


 ※「小規模企業景気動向調査」(全国商工会連合会)別ウィンドウで開きます。

   「商工会議所LOBO調査(早期景気観測)」(日本商工会議所)別ウィンドウで開きます。


  図2 産業別今期及び見通しの業況判断DIの推移

産業別今期及び見通しの業況判断DIの推移


最後に

 個人企業は法人企業に比べ規模が小さいため、景気の影響を受けやすいものであると思います。その個人企業が、改善幅は小さいものの、今期、来期の見通しとも「改善」としていることは、景気の復調の兆しとみることもできると思います。この動きが、今後の日本経済にどのようにつながっていくのか、注視していくことが重要と考えております。

 なお、個人企業経済調査では、四半期毎の業況判断及び営業収支を公表するとともに、年1回(7月)に事業所の経営形態、事業主の年齢、後継者の有無、1年間の営業収支、資産・負債、パーソナルコンピュータの使用の有無、事業経営上の問題点など、様々な視点からの調査結果を公表していますので、個人企業、小規模企業などの分析資料として、是非、ご活用ください。


(平成25年2月19日)


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