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統計Today No.42

ワーク・ライフ・バランスを測る
−平成23年社会生活基本調査の実施−

総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 栗原 直樹


社会生活基本調査とは〜国民の生活時間の使い方を明らかにする〜

 総務省統計局では、今年の10月20日現在で、平成23年社会生活基本調査を実施します。社会生活基本調査は、統計法に基づく基幹統計調査であり、国民が1日の生活時間を、仕事、家事や育児、地域での活動等各種の活動にどのように配分しているかを把握します。いわば、「時間」という尺度を通じて、物質的・金銭的な尺度だけでは測ることができない国民生活の質的な側面を明らかにすることができる点に特色があります。

 この調査の結果は、ワーク・ライフ・バランスの推進、少子高齢化対策、男女共同参画のほか、地域におけるスポーツ、文化、ボランティア活動の振興など、国や地方公共団体の各種行政施策の企画立案やその推進に必要な基礎資料として幅広く利用されております。

 今回の調査では、「ワーク・ライフ・バランスの把握の充実」、「ボランティア活動の把握の充実」、「東日本大震災によるライフスタイルの変化可能性の把握」という点を大きなポイントと考えています。


ワーク・ライフ・バランスの把握の充実

 少子高齢化の進む我が国社会では、将来的に働き手(労働力人口)が減少してしまうことへの対応が重要な課題となっております。このため、育児や介護などをしながら誰もが労働市場に参加できる環境づくりが求められております。また、働いている人についても、仕事と家庭生活との調和を図り、特に男性の育児への参加を促進することは少子化対策にも資するものと考えられます。こうしたことなどから、近年、ワーク・ライフ・バランスに対する社会全体の関心が高まっているところです。

 このワーク・ライフ・バランスの状況を見るに当たって、仕事や家庭生活等に費やされた「時間」は有効な指標となります。しかしながら、一口にワーク・ライフ・バランスといっても、同じ働いている人の中でも、育児や介護などをしながら働いている人とそうでない人では1日の生活時間の配分が異なってくる場合があると考えられ、そうした個人の置かれた状況も踏まえて詳しく分析する必要があります。その意味で、社会生活基本調査は、性別、年齢別、雇用形態別又は育児や介護をしている人などの属性別に、1日の生活時間の配分状況を15分単位で詳しく把握することができることから、大変貴重なデータを提供しております。

 平成18年に実施した前回の調査結果から、6歳未満の子供がいる共働き世帯の夫・妻の1日当たりの時間配分を見ると、夫と比べて妻の家事関連時間は長く、特に育児に関する時間は夫の約4倍となっていることが分かります(図1参照)。


図1) 6歳未満の子供がいる共働き世帯の夫・妻の1日当たりの生活時間(平成18年)

図1 生活時間


 今回の調査では、ワーク・ライフ・バランスの把握を一層充実させるため、新たにワーク・ライフ・バランス関連の調査事項として、「有給休暇の取得日数」、「勤務形態(フルタイムや短時間勤務などの別)」、「希望する1週間の就業時間」、「健康状態」等を追加し、充実を図っております。

 これらの新たな調査事項により、国民のワーク・ライフ・バランスの現状をより多角的に分析できるようになるなど、ワーク・ライフ・バランスに関する今後の社会全体の取組を進めていく上で有益な情報を提供できるものと考えております。


NPOとの関わりなどボランティア活動の把握の充実

 社会生活基本調査からは、国民のボランティア活動の実施状況も明らかになります。平成18年の調査の結果から、ボランティア活動をした人の割合をみると、男女とも「まちづくりのための活動」や「自然や環境を守るための活動」が高くなっているほか、男性では「安全な生活のための活動」が、女性では「子供を対象とした活動」がそれぞれ高くなっています(図2参照)。


図2) ボランティア活動をした人の割合(平成18年)−10歳以上、男女別上位4項目−

図2 ボランティア


 こうしたボランティア活動を含め、近年、地域住民等の主体的な参加の下、子育て、福祉、まちづくりなどを行う地域コミュニティ活動の重要性が指摘されており、特にNPOなどの果たす役割が注目されております。そうした状況を踏まえ、今回の調査では、ボランティア活動に関する調査項目の充実を図ることとし、行ったボランティア活動について、「1回当たりの活動時間」や「NPOなどの組織との関わり」を新たに調査することとしております。

 この度の東日本大震災では、全国から多くの人々が被災地に駆けつけ、ボランティア活動に参加していると言われております。社会生活基本調査のボランティアに関する調査項目の中では、「災害に関係した活動」という項目がありますので、こうした状況についても、今回の調査を通じて明らかになることが期待されます。


ライフスタイルの変化の可能性を見る

 現在、原発事故に伴う電力不足の中で、国民一人一人が節電等に取り組んでおりますが、それらは日々のライフスタイルに何らかの影響を及ぼしている可能性があります。例えば、サマータイムなどを導入している職場に勤めている人の場合には、仕事の開始時間が普段よりも早まる上、仕事が終わった後の時間を有効に活用する人もいるなど、1日の中での「時間」の配分が従前とは変わってきているものと思われます。

 調査の時点は10月であり、最も節電が要求されると考えられる夏場からは時期的には少し離れますが、今回の調査を通じて、国民のライフスタイルの何らかの変化が明らかになる可能性があるという点も注目すべきポイントです。


最後に(正確な調査の実施に向けて)

 社会生活基本調査は、生活時間の把握を通じて国民生活の実態を明らかにするという貴重な役割を担っており、仕事と生活の調和など今後のよりよい社会を実現していく上で大変重要な調査であります。

 また、人々の日々の生活行動を明らかにする生活時間統計については、諸外国においてもその有用性が認識され、近年、各国で生活時間調査が行われており、社会生活基本調査の結果は、生活時間に関する国際比較を通じて、今後の我が国社会の在り方を考えていくことなどにも役立ちます。

 今回の調査内容の充実等を踏まえ、各方面において、調査結果が一層活用されることを願っております。

 なお、この調査の対象となるのは、全国から統計的な方法により選ばれた約8万4千世帯のお宅に住む10歳以上の方であり、原則として統計調査員が調査票の配布と回収にお宅に伺います(ただし、一部の調査地域では回答をインターネットにより行うことも可能)。この調査に当たる統計調査員を始めとする調査関係者は、調査された内容を他に漏らすことは統計法によって固く禁じられておりますので、調査対象に選ばれた世帯の皆様におかれては、調査への御回答をよろしくお願いいたします。


 (平成23年社会生活基本調査に関する詳しい情報についてはこちらも御覧ください。)
  http://www.stat.go.jp/data/shakai/2011/index.htm


(平成23年9月6日)


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