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統計Today No.41

被災3県(岩手県、宮城県及び福島県)の沿岸地域の状況
− 平成22年国勢調査人口等基本集計結果及び小地域概数集計結果から−

総務省統計局統計調査部国勢統計課調査官 成田 聡


 総務省統計局では、東日本大震災による被災地域の状況を把握し、復旧・復興のための基礎データを早期に提供するため、平成22年国勢調査から得られる人口・世帯に関する詳細な結果(人口等基本集計結果)について、被災3県(岩手県、宮城県及び福島県)分を、他の44都道府県に先駆けて公表しました。あわせて、産業別就業者等に関する結果についても、データ審査完了前の調査票情報を暫定的に用いて小地域概数集計結果を公表しています。

 今回は、これらの中から、津波による被害の大きかった被災3県の沿岸地域(今回の震災で津波により浸水した39市区町村(15市、3区、18町、3村)をいいます(下図参照)。)に注目して、その結果の一部を紹介します。集計に当たっては、(独)統計センターの協力を得ています。


図 被災3県の沿岸地域における平成12年〜22年の人口増減率

拡大図を御覧になりたい方はこちらをクリック(エクセル:387KB)

被災3県地図


<人口の推移>沿岸地域は人口減少や過疎化が進む地域が多い

 平成12年から22年までの人口増減数をみると、39市区町村中31市区町村で人口が減少しており、その多くで各県の平均を超えて人口減少が進んでいます。人口が増加しているのは宮城県仙台市の2区とその周辺地域の5市町及び福島県大熊町の8市区町です。

 岩手県の沿岸地域12市町村(5市、4町、3村)全てで県平均(6.1%減)を上回る速さで人口減少が進んでいます。沿岸地域12市町村のうち9市町村で10%以上の減少となっており、特に岩泉町(15.9%減)、田野畑村(15.1%減)、釜石市(14.9%減)などで減少幅が大きくなっています。

 宮城県の沿岸地域17市区町(7市、3区、7町)では、10市区町で人口が減少する一方、7市区町では人口が増加しています。県平均が0.7%減であるのに対して、市部では気仙沼市(10.8%減)、郡部では女川町(14.9%減)、南三陸町(12.2%減)及び松島町(11.6%減)においてそれぞれ10%を越える減少となっています。一方、人口が増加している市区町で目立つのは、利府町(13.9%増)、名取市(8.8%増)、岩沼市(6.7%増)、仙台市宮城野区(6.5%増)などとなっています。

 福島県の沿岸地域10市町(3市、7町)では、大熊町(6.6%増)で人口が増加しているほかは、全ての市町で人口が減少しています。県平均が4.6%減の中、相馬市(2.6%減)及び富岡町(1.1%減)を除く7市町において、県平均を上回る速さで人口減少が進んでいます。


表1被災3県人口推移


<年齢別人口>沿岸地域は、65歳以上人口の割合が高い

 人口総数を年齢3区分別にみると、39市区町村のうち29市町村で65歳以上人口の割合が全国平均(23.1%)を上回っており、そのうち16市町村では人口の30%以上が65歳以上という状況です。65歳以上人口の割合が全国平均を下回っているのは、宮城県仙台市の3区とその周辺地域の5市町及び福島県富岡町と大熊町の10市区町となっています。

 岩手県全体の65歳以上人口の割合(27.2%)は全国平均(23.1%)を4.1ポイント上回っていますが、沿岸地域では県平均を更に上回って高齢化が進んでおり、久慈市(26.4%)を除く11市町村で65歳以上人口の割合が30%以上に達しています。宮城県や福島県の沿岸地域に比べて、岩手県の沿岸地域の高齢化が顕著な様子が数字からみてとれます。

 宮城県全体の65歳以上人口の割合(22.3%)は全国平均(23.1%)をやや下回っています。沿岸地域をみると、南部に位置する仙台市の3区とその周辺の名取市、多賀城市、岩沼市、七ヶ浜町及び利府町で65歳以上人口の割合が全国平均を下回る一方、中央から北部に位置する市町では、女川町(33.5%)を筆頭に5市町で65歳以上人口の割合が30%を超えるなど9市町で全国平均を上回る速さで高齢化が進んでいます。

 福島県全体の65歳以上人口の割合(25.0%)は全国平均(23.1%)をやや上回る程度で、沿岸地域では富岡町(21.1%)及び大熊町(21.0%)を除く7市町で県平均を上回っています。


表2被災3県年齢3区分


<家族類型>沿岸地域は、仙台市の3区を除き「その他の世帯」(夫婦と親から成る世帯、3世代世帯等)の割合が高い

 沿岸地域の市区町村における世帯構成を家族類型別にみると、仙台市の3区を除く36市町村で夫婦と親から成る世帯や3世代世帯等が含まれる「その他の世帯」の割合が全国平均(11.7%)より高く、仙台市の3区では「単独世帯」の割合が全国平均(31.2%)より高くなっています。

 岩手県の沿岸地域では、「その他の世帯」の割合が高く、「核家族世帯」の割合は低くなっています。「その他の世帯」の割合をみると、陸前高田市(31.2%)を筆頭に全国平均(11.7%)の2倍を上回る市町村が多く、最も低い釜石市(15.1%)でも、全国平均より高くなっています。他方、「核家族世帯」の割合は、大船渡市(47.0%)で最も低く、最も高い久慈市(55.5%)でも、全国平均(57.1%)よりも低くなっています。

 宮城県の沿岸地域では、仙台市の3区を除く14市町で「その他の世帯」の割合が高くなっています。14市町の中では、最も高い南三陸町(37.2%)で全国平均(11.7%)の約3倍となっており、最も低い多賀城市(12.6%)でも全国平均を上回ります。他方、「単独世帯」の割合は、都市部に当たる仙台市宮城野区(42.0%)、若林区(42.0%)などで全国平均(31.2%)より高くなっています。

 福島県の沿岸地域においても、「その他の世帯」の割合が高くなっており、新地町(35.0%)が最も高く、最も低いいわき市(16.3%)でも全国平均(11.7%)より高くなっています。これに対して、「核家族世帯」の割合は、総じて全国平均(57.1%)よりも低く、いわき市(57.4%)のみが全国平均を上回っています。


表3被災3県家族類型


<産業構造>沿岸地域は、農業、漁業に従事する人の割合が高い

 沿岸地域における産業大分類別の15歳以上就業者の割合をみると、39市区町村のうち24市町村で農業に従事する人の割合が全国平均(3.8%)を上回っており、27市町村で漁業に従事する人の割合が全国平均(0.3%)を上回っています。農業及び漁業共に全国平均を下回っているのは、宮城県仙台市の3区とその周辺の多賀城市、岩沼市及び利府町のみとなっています。また、気仙沼市を除く全域で、建設業に従事する人の割合が全国平均(7.9%)を上回っています。

 岩手県の沿岸地域における漁業に従事する人の割合は、普代村(14.0%)及び山田町(13.5%)で10%を超えています。農業については、県平均(10.5%)が全国平均(3.8%)を6.7ポイント上回っています。割合が高い地域は、岩泉町(20.0%)、洋野町(15.5%)、田野畑村(14.2%)などとなっています。他の産業では、釜石市(ポンプ・圧縮機器製造業等)、大槌町(水産食料品製造業等)で、製造業の割合が高くなっています。

 宮城県の沿岸地域における漁業に従事する人の割合は、南三陸町(17.3%)及び女川町(14.7%)で、農業に従事する人の割合は、山元町(10.5%)で特に高いのが目立ちます。
 他の産業に従事する者をみると、仙台市の3区とその周辺の七ヶ浜町及び利府町では卸売業・小売業、亘理町では工業用プラスチック製品製造業や自動車・同附属品製造業等、山元町では非鉄金属素形材製造業等、女川町では水産食品製造業等にそれぞれ従事する人の割合が高くなっています。また、宮城県沿岸部は流通が活発で、運輸業・郵便業(一般貨物自動車運送業等)の割合も高くなっています。

 福島県の沿岸地域における農業に従事する人の割合は、いわき市(2.4%)を除き、全国平均(3.8%)より高くなっています。他方、漁業に従事する人の割合は、岩手県の沿岸地域などに比べると総じて目立ちません。
 相馬市(航空機・同附属品製造業等)、南相馬市(外衣・シャツ製造業、その他の電子部品・デバイス・電子回路製造業などの製造業等)、新地町(有機化学工業製品製造業、時計・同部分品製造業等)では、製造業に従事する人の割合が高くなっています。


表4被災3県産業構造


「人口等基本集計」の全国分は10月、「産業等基本集計」の結果は平成24年4月に公表

 今回公表した被災3県分の「人口等基本集計」の結果と「小地域概数集計」の結果から沿岸地域の人口、家族類型、産業構造等について紹介しました。統計局ホームページでは、東日本大震災に関する他の統計情報もまとめて掲載しております。御活用いただければ幸いです。

 他の44都道府県分を含む「人口等基本集計」の全国結果については10月に、「産業等基本集計」の結果は平成24年4月に公表を予定しております。こちらの結果にもどうぞ御期待ください(公表予定は⇒こちら)。


(平成23年8月5日)


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