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統計Today No.4

地域の高齢化の実態を「見える化」する

総務省統計局統計調査部地理情報室長 西林 康憲


 統計データは一般に数値の形で使われることが多いですが、統計に慣れていない人にとっては、数値から国や地域の実態を読み取るのは必ずしも容易ではありません。しかし、統計データを地図として表してみると、地域の状況が浮き彫りになり、より実感がわいてきます。


地域の高齢化 − 「割合」が高いのは山間部

 例えば、地域の高齢化の実態を地図に表して見てみましょう。平成17年国勢調査によると、65歳以上人口の割合が最も高い都道府県は島根県(27.1%)で、これに秋田県(26.9%)、高知県(25.9%)などが続いています。


 これを、よりきめ細かく市区町村別の地図に表してみると、地域の違いが、よりはっきりと浮かんできます。「平成17年国勢調査 日本統計地図 都道府県・市区町村別 65歳以上人口の割合」(PDF:748KB)を御覧ください。若年者の多い市区町村は青系統の色で、高齢者の多い地域は赤系統で表示されています。これによると、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡にかけての東北、東海道、山陽新幹線の沿線一帯で若年層の割合が高く、東北、中国、四国、九州などの山間部での高齢化の進展が著しいことが読み取れます。この地図から、65歳以上人口の割合が35%以上の市区町村だけ抜き出して表示したのが図1です。



図1 平成17年国勢調査 日本統計地図 65歳以上人口の割合

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地域の高齢化 − 「人口」で見ると違った姿に

 高齢化の実態を、「割合」ではなく「人口」で見ると、異なった姿が浮かび上がってきます。図2は、65歳以上人口の多い市区町村を表示したものです。


 これによると、65歳以上人口が最も多い市区町村は新潟県新潟市(約16万人)です。これに、静岡県浜松市(約16万人)、大阪府堺市(約15万人)、東京都世田谷区(約14万人)、東京都練馬区(約13万人)、岡山県岡山市(約13万人)などが続いています。すなわち、大都市における高齢者の人口はかなり大きなものとなっています。


 高齢社会に向けた取組は、高齢者の割合の高い人口過疎の地域にとって優先度の極めて高い政策課題であることは言うまでもありません。しかし、大都市では高齢者の人口は相当な規模に達しており、これらの地域でも今後更に高齢化が進むことを考えると、決して人口過疎の地域だけの問題ではないことが分かります。


図2 平成17年国勢調査 日本統計地図 65歳以上人口

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高齢化の実態を1キロメートル四方のメッシュで見る

 市区町村の区域は、近年の大合併によりかなり広域化しており、高齢化の進展は同じ市区町村の中でも異なります。統計局では、地域メッシュ統計として国勢調査のデータを約1キロメートル四方のメッシュに区画して加工集計しており、これによって地域の高齢化を見ると、また異なった姿が現れてきます。


 (注) 地域メッシュ統計では、全国を経度緯度で等分して区画した地域ごとの人口データを提供しています。地球は丸いので、正確に言いますと北のメッシュほど少し狭くなっています。また地域メッシュ統計では、個人情報保護のため、人口の少ないメッシュについては個人情報が識別できないよう秘匿処理を行っています。なお、地域メッシュ統計は、国勢調査だけでなく、事業所・企業統計調査についても作成しています。地域メッシュ統計の様々な地図は、「地域メッシュ統計 結果の概要」に掲載されています。


 地域メッシュ統計によると、65歳以上人口の割合が50%以上の地域は、東北より中国・四国、九州南部の山間部に多く見られます(図3)。一方、65歳以上人口が400人以上の地域は、都市部、しかも大都市に多く見られます(図4)


図3 平成17年国勢調査 地域メッシュ統計地図 65歳以上人口の割合50%以上

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図4 平成17年国勢調査 地域メッシュ統計地図 65歳以上人口400人以上

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 以上、地域の高齢化に関する統計データを、都道府県、市区町村、地域メッシュと段階を追って詳細に見てきました。大量の統計数値から、日本全国の傾向を人目で読み取るのは容易なことではありませんが、これを地図に表示して「見える化」すれば、はるかに理解しやすくなります。



統計データを地図化できるのは情報技術とセンサスのお陰

 このような地域の実態を「見える化」することができるのは、情報技術と「センサス(全数調査)」のお陰です。


 情報技術について言えば、統計データを地図に表すためには、地理情報システム(GIS)という分野の専用のソフトウェアを使います。政府統計の総合窓口(e-Stat)では、「地図で見る統計(統計GIS)」のサイトから地理情報システムを御利用いただけますので、是非お試しください。


 地理情報システムが機能するには、ソフトウェアだけでなく、情報源が必要です。詳細な地域情報を高精度で作成できるのはセンサスのみであり、標本調査では限界があります。統計局の地理情報システムでは、人口・世帯についてのセンサスである国勢調査と、事業所・企業についてのセンサスである事業所・企業統計調査のデータが大きな情報源となっています。これに対して標本調査は、速報性に優れてはいますが、標本数の制約のため、詳細な地域別結果を作成することは困難です。このため、一部の大規模な標本調査を除いては、市区町村別、地域メッシュといった詳細な結果は作成できません。


 本年7月には経済センサス‐基礎調査が行われ、来年10月には国勢調査が行われます。いずれの調査についても、地域メッシュ統計を含む詳細な地域別統計を作成し公表する予定です。地域の実態の「見える化」を進め、私たちの暮らしの改善に役立てるために、経済センサス‐基礎調査、国勢調査の実施について、皆様の御理解と御支援をよろしくお願い申し上げます。

(平成21年3月27日)


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