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インドネシア便り その3
インドネシア中央統計庁(BPS)に対する技術協力 人口センサスの実施時期等
1.人口センサスの実施時期について
インドネシアの人口センサスは、前回の1990年までは雨季の10月ごろに実施されていましたが、今回の2000年では雨季を避けて 乾季の6月に実施されました。これは、「インドネシアの雨季における豪雨を想定すると、実査又は輸送の過程で調査票が濡れる可能性が高い。 [調査票が濡れてしまうと、OCRによる調査票読み取りに支障を来たす。したがって調査時期を乾季に移すべきである。」という我が国側からの 提案に基づいて変更されたものです。このように、国際協力においては、相手国に供与した機器の特性とその国の状況を勘案した上で提案する ことが必要な場合があります。
2.センサス・ブロックについて
センサス・ブロックとは、調査区に相当するものですが、道路などの物理的に明瞭な地形・地物等により区画されたものではなく、 隣組を単位として、一つ又は複数の隣接した隣組で一つのセンサス・ブロックを構成しており、2000年人口センサス時には、約50万のセンサス・ ブロックが設定されました。
インドネシアでは全国津々浦々まで隣組が組織されており、行政的な連絡網などに日常的に利用されているので、人口の把握には最適の単位で あると言えます。
1990年人口センサスでは、調査員を配置する区画として、センサス・ブロックではなく調査区が用いられました。しかし、隣組には、上述のと おり、人口の把握に適していること、日常的に利用されている単位なので集計結果の需要が高いこと、調査員を配置する区画として規模的に適当 であることなどの長所があり、また、「2000年人口センサスでは、調査区の代わりに隣組を単位としたセンサス・ブロックを採用すべきである。」 という我が国側からの提案もあったために、調査区からセンサス・ブロックに変更されたものです。調査区は国連勧告にも示されており、国際 標準的な方法ですが、このように、国際協力においては、その国の実情を見極めた上で提案することも重要であると思われます。