ホーム > インフォメーション > 広報資料 > 明日への統計2010 > 平成22年国勢調査に期待する
ここから本文です。
平成22年度の主要業務

国勢調査シンボルマーク
早稲田大学 人間科学学術院 特任教授 阿藤 誠
国勢調査は、日本全国の人口と世帯を市町村の単位まで一人残らず、一軒残らず数え上げることを目的とする一大調査です。それだけに、それに要する時間と手間とお金は、その他の統計調査や社会調査とは比較になりません。
平成22年国勢調査の企画は5年前の国勢調査が終わった時点から始っているといっても過言ではなく、3回の大規模な試験調査を踏まえた後、ようやく本調査の具体的な準備に入ります。今年度の予算は600億円強、調査の事前準備から調査票の回収・点検まで全都道府県・全市区町村が関係し、実査の段階では70万人を超える調査員が必要となります。
言うまでもなく、これだけのコストをかけて国勢調査を実施するのは、政治的、行政的、経済的、社会的にみて、それだけ重要な意義と必要性があるからです。
第1に、この調査の結果に基づいて衆議院の選挙区割りが決まります。すなわち国勢調査は、代議制に基づく民主主義政治のもっとも基礎的なデータを提供しているのです。
第2に、政府の地方交付税・補助金などの算定基礎として用いられ、行政の公平・公正性の確保に役立てられています。
第3に、属性別の人口・世帯数の現状把握とそれに基づく人口・世帯数の推計値が、政府・自治体の様々な行政需要(例えば介護需要)の把握、それに基づく行政計画(例えば介護支援計画)の策定を可能にしています。
第4に、様々な民間企業・団体の需要(例えば電力需要)の把握・予測に役立っています。
第5に、公的機関が実施する基幹統計調査(例えば労働力調査や国民生活基礎調査)ならびに一般統計調査(例えば出生動向基本調査)の母集団情報を提供しています。
第6に、大学・研究機関等において、人口、経済、社会に関わる研究全般の発展に役立てられています。
昨年施行された新統計法のなかで、国勢調査が国民経済計算と並んで二大基幹統計として特記されているのは、「社会の情報基盤」中の基盤として、これだけの幅広い意義と必要性をもつからです。
このような全般的意義と必要性とは別に、人口・世帯動向そのものに関心を持つ者にとっては、人口減少と高齢化、都心回帰、限界市町村、労働の非正規化、未婚化・非婚化、母子世帯・高齢夫婦世帯・単独世帯の増加、外国人の集住化など、近年注目されている人口・社会経済現象が、全国ならびに地域においてどのように進行しているのかを知る上で、今回調査の時代的意義も大変大きいと考えます。
近年、単独世帯・共働き世帯の増加、プライバシー意識の高まりなどにより、国勢調査の円滑な実施が難しくなっていると言われます。しかしながら、以上のような国勢調査の重要性を考えるとき、住民の一人一人が法律上の義務としてのみならず自らの権利としても調査に積極的に参画し、全員参加の正確な統計情報が作成されることを願ってやみません。


渡辺 佳奈 さん
茨城県守谷市立郷州小学校

鈴木 大地 さん
山形県山形市立第四中学校