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平成19年5月の統計法の全面改正において、公的統計の位置付けは「行政のための統計」から
「社会の情報基盤としての統計」へと大きく転換されました。
改正以前は、公的統計は行政機関等が自ら活用するために作成・利用するものと位置付けられており、
基本的に国民は、行政機関が作成・公表した既定の集計表しか利用することができませんでした。
一方、学術研究機関等においては、従前から調査票に記載された情報を利用して研究目的に応じた
任意の集計・分析をしたいとの要望も多数ありました。他方、諸外国においては、調査票に記載された
国民や企業の秘密を保護しつつ、研究者に対して調査票情報の利用を認める動きが広がってきていました。
このような流れを受け、新統計法では、学術研究・高等教育の発展に資すると認められる場合、
又は国際社会における我が国の利益の増進及び国際経済社会の健全な発展に資すると認められる場合に、
一般からの委託に応じて既存の調査票情報から新たな集計表を作成・提供したり、
匿名性を確保した調査票情報を提供したりする新たな統計データの利用制度を整備し、
公的統計を柔軟に利用できるようになりました。
新たに平成21年4月から開始されたサービスは次の二つです。
オーダーメード集計とは、既存の統計調査で得られた調査票データを活用して、調査実施機関等が申出者からの委託を受けて、
そのオーダーに基づいた新たな統計を集計・作成し、提供するものです。
具体的なサービスの一例として、現在、総務省がサービスを実施している「国勢調査」におけるオーダーメード集計においては、
次の調査項目を使って統計表の作成を調査実施機関等(「国勢調査」の場合は調査実施機関である総務省から
事務の委託を受けている独立行政法人統計センター)に委託し、集計結果を入手することができます。
| 男女、年齢、出生の月、世帯主との続き柄、配偶関係、国籍、世帯の種類、世帯の家族類型、世帯人員、 親族人員、子供の有無、数、年齢、住居の種類、住宅の所有の関係、住宅の建て方、延べ面積、労働力状態、 就業状態、就業時間、従業上の地位、産業、職業、社会経済分類、世帯の経済構成、従業・通学時の世帯の状況、 通勤・通学者数、都市計画の地域区分、従業地・通学地、常住地 |
匿名データの提供とは、統計調査から得られた調査票データについて、調査客体が特定されないように加工
(匿名化措置:単に氏名など個体を直接識別できる情報を削除するのみならず、個々のデータの特徴から
個体が間接的に特定されることがないよう、地域区分や様々な属性に関する詳細な分類区分を統合して情報を粗くしたり、
特異なデータを削除したりするなどの処理)を施した上で、利用申出を行った申出者に対して匿名データを提供(貸与)するものです。
申出者はこの匿名データを利用して、新たな統計を作成することができます。例えば、現在、総務省が匿名データを提供している
「全国消費実態調査」においては、高齢者の所得・消費行動の分析など我が国の社会経済の実態に関する多様かつ高度な分析・研究への活用等が、
また、同じく「就業構造基本調査」においては、非正規雇用の拡大の社会的な影響の分析、若者の就業の実態に関する
分析への活用等が期待されます。
独立行政法人統計センターのウエブサイトでは、これらオーダーメード集計や匿名データを利用した研究分析事例を紹介しています。
また、一橋大学経済研究所附属社会科学統計情報研究センターにおいては、総務省統計局との共同研究事業として、 平成16年度から「学術研究のための政府統計ミクロデータの試行的提供」のシステムを構築し、平成20年度までの間、 試行的運用を実施してきたところですが、その結果、この試行的運用に参加された研究者における匿名化を施した 個票データを使用した研究論文が多数発表されています。
研究論文一覧(一橋大学経済研究所附属社会科学統計情報研究センター) 新サービスの利用を希望する方々には、新統計法の趣旨にかんがみ、一定の公益性を確保するために、次に示す条件が課されます。
また、提供されたオーダーメード集計の結果や匿名データは、申出目的以外の利用が禁止されているとともに、
匿名データは第三者への提供が禁止されており、これらに違反した場合、ペナルティ(匿名データの場合、刑法罰まで含みます)
が科されます。
原則として利用目的が「学術研究の発展に資するため」か「高等教育の発展に資するため」の場合に限り、統計成果物が提供されます。
申出の目的が「学術研究の発展に資するため」の場合、
(1)統計成果物を学術研究の用に供することを直接の目的とすること
(2)統計成果物を用いて行った学術研究の成果が公表されること
が必要な要件となります。
申出の目的が「高等教育の発展に資するため」の場合、
(1)統計成果物を学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する大学又は高等専門学校における
教育の用に供することを直接の目的とすること
(2)統計成果物を用いて行った教育内容が公表されること
が必要な要件となります。
オーダーメード集計の場合と同様、原則として利用目的が「学術研究の発展に資するため」か「高等教育の発展に資するため」、
又は「国際社会における我が国の利益の増進及び国際経済社会の健全な発展に資するため」の場合に限り、提供されます。
ただし、学術研究の目的であったとしても、個別事例研究のような個体識別を伴う研究は認められません。
申出の目的が「学術研究の発展に資するため」の場合、
(1)匿名データを統計の作成等にのみ用いること
(2)匿名データを学術研究の用に供することを直接の目的とすること
(3)匿名データを用いて行った学術研究の成果が公表されること
(4)匿名データを適正に管理するために必要な措置が講じられていること
が必要な要件となります。
申出の目的が「高等教育の発展に資するため」の場合、
(1)匿名データを統計の作成等にのみ用いること
(2)匿名データを適正に管理するために必要な措置が講じられていること
(3)匿名データを学校教育法第一条に規定する大学又は高等専門学校における教育の用に供することを直接の目的とすること
(4)匿名データを用いて行った教育内容が公表されること
が必要な要件となります。
※申出の目的が「国際社会における我が国の利益の増進及び国際経済社会の健全な発展に資するため」の場合、 必要な諸要件がありますので、直接申出/相談窓口まで御連絡下さい。
オーダーメード集計の作成・提供、匿名データの提供に係る手続きの一般的な流れは以下の図のとおりです。
具体的な手続きについては、サービスを提供する行政機関等に御確認ください。
オーダーメード集計の作成・提供や、匿名データの提供を受けるためには手数料の納付が必要になります。
手数料の額は統計法施行令で定められており、(1)作業に要する費用、(2)提供媒体の費用、(3)送付に要する費用、(4)特別な費用となっています。
手数料は提供される統計データを作成するのに必要な作業量によって額が異なりますが、おおよそ次のようになります。
以下の(1)〜(4)の金額の合計が手数料となります。なお、手数料の総額は集計を行う機関が申出の承諾を通知する際に提示します。 利用者はこの総額を確認し、最終的にオーダーメード集計を委託するかどうかを判断します。
(1)作業1時間当たり5,900円
(2)用紙1枚につき10円
FD1枚につき50円
CD-R1枚につき100円
DVD-R1枚につき120円
(3)郵送料
(4)必要な場合、特別な費用(特別な定めがある場合、集計を行う機関から提示されます。)
メールでの送付の場合は(2)・(3)が、引き取りに来られる場合は(3)が、無料になります。
以下の(1)〜(3)の金額の合計が手数料となります。なお、手数料の総額は提供を行う機関が申出の承諾を通知する際に提示します。 利用者はこの総額を確認し、最終的に匿名データの提供を依頼するかどうかを判断します。
(1)申出1件につき1,850円+匿名データ1ファイルにつき8,500円
(2)FD1枚につき50円
CD-R1枚につき100円
DVD-R1枚につき120円
(3)郵送料(匿名データはメールでの送付は情報の安全管理上行われません。)
なお、手数料の総額はオーダーメード集計又は匿名データの提供の前に決定され、
・国の行政機関に申し込む場合、収入印紙等による事前の納付
・(独)統計センターなど独立行政法人等の場合、振込等による現金の事前の納付
が必要となります。
総務省では、「公的統計の整備に関する基本的な計画」に基づき、各府省が公表した二次利用に関する年度計画
を一覧に取りまとめて公表しています。
オーダーメード集計、匿名データの提供に関して、各府省が提供している統計調査及び提供窓口等は、平成22年6月現在、
次のとおりとなっています。
なお、提供の状況は年度の途中でも逐次更新されますので、最新の状況や、不明な点等がありましたら、
統計調査を所管する各府省にお問い合わせください。
また、提供窓口が調査実施者自らであるもののほか、独立行政法人統計センターとしているものがありますので、サービスを受けたい統計調査ごとに提供窓口を確認の上その提供窓口にご相談ください。
総務省では、「統計ニーズに係るアンケート」を実施しており、統計制度一般に対するご不満、ご意見及びご要望のほか、二次利用制度に対するご意見を受け付けております。
早くサービスを開始してほしいオーダーメード集計、匿名データの内容など、アンケートに参加いただき、是非、ご意見をお寄せください。
基幹統計調査及び一般統計調査に係る調査票情報に含まれる個人情報は、「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律
(平成15年法律第58号)」及び「独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第59号)」
の規定の適用から除外されます(統計法第52条)。
これは、統計法自らにおいて第39条〜第43条において調査票情報等の保護が整備されていること、また統計調査により集められた個人情報については、
集計後は個人が識別されない形で利用・提供されることを踏まえたものです。
なお、匿名データの作成においても、個人情報に当たる部分は削除され、さらに個々のデータから個体が間接的に特定されることの無いよう、匿名化措置
を行い、個人情報が漏洩しないように万全の措置を取っています。
加えて、匿名データの提供を受けた者に対しても、統計法により調査票情報の取扱と同様に、匿名データを適正に管理することが求められています。
統計調査結果の二次利用に関する政府全体の取組に対する御意見・御要望は下記連絡先までお問い合わせください。
また、二次利用の制度や仕組について、御要望があれば研究者又は学生の皆様を対象としたセミナーや
勉強会への講師派遣をいたします。
総務省政策統括官(統計基準担当)付 統計企画管理官付 高度利用担当
TEL:03-5273-1019
FAX:03-5273-1181
MAIL:s-2jiriyou@soumu.go.jp