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官庁統計の基本原則(国連統計委員会採択)

「官庁統計の基本原則」とは

 「官庁統計の基本原則」(Fundamental Principles of Official Statistics)は、 世界のすべての国々の政府統計部局が、官庁統計を作成する際に遵守するべき国際的 な基準として、1994年に国際連合統計委員会が採択したものです。


 官庁統計は、中央政府や地方政府の施策立案、施策評価などのために必要不可欠な ものです。それだけに、官庁統計は、正確で信頼できるものであることがとても重要 です。

 統計調査が統計理論などの科学的方法に基づいて計画され、結果数値について必要 な精度が確保されていることも重要な要素です。

 しかし、それだけでなく、官庁統計の作成に関する枠組み(統計法などの法制度の 確立、秘密保護の遵守などの倫理的側面、結果が利用者に公平に提供されること、な ど)について、国際的に幅広く合意を得た基準を満たしていることもまた、重要な要 素です。

 後の「基本原則が作成された背景」のところにもありますが、この「官庁統計の基 本原則」は、1992年にヨーロッパ統計家会議(CES)及び国際連合ヨーロッパ経済委員 会(UNECE)で採択され、その後、1994年に国際連合統計委員会において採択されて以 来、世界各国の公的統計作成における国際的な基準として位置づけられています。

 我が国でも、平成18年6月に統計制度改革検討委員会が取りまとめた「統計制度改革 検討委員会報告」の中で、この原則が取り上げられています。


 総務省統計局では、この「官庁統計の基本原則」に則り、各府省の統計作成部局と協 力しつつ、併せて、国民の皆様にも、広くこの考えをご理解いただき、官庁統計の更な る改善の推進に努力する所存です。


(注:以下に掲載する、「I.基本原則が作成された背景」、及び「II.官庁統計の 基本原則」は、国連統計ホームページ( http://unstats.un.org/unsd/goodprac/bpabout.asp)で紹介されているものを総務省統計局の責任で仮訳したものです。)


I.基本原則が作成された背景

 1980年代末期には、中央ヨーロッパ諸国が中央計画経済から市場志向的な民主主義 へと変化し始め、その数年後には、ソビエト連邦が崩壊した。こうした事態の進展に 伴う多くの変化の中で、国家統計システムを完全に変換させる必要性が生じた。この 変換のプロセスでは、官庁統計の役割を再定義するとともに、良い官庁統計システム は一般にある基準を満たすべきであることを明確にし、政府や統計利用者に対して周 知することが必要とされた。そのような考えを全世界に浸透させ、また、国家統計機 関の長が機関の位置付けを確立することを支援するために、官庁統計の基本原則が作 られたものである。

 この基本原則の制定に当たっては、まずヨーロッパ統計家会議及びその親機関であ る国連ヨーロッパ経済委員会(ECE)で検討が行われ、そこで現在の基本原則の原型が 取りまとめられた。その後、ヨーロッパ以外の地域の統計家もこの原則の重要性を認 識するようになり、世界的な議論が進められた結果、最終的には、統計に関して世界 で最も権威のある国連統計委員会の特別会合(1994年4月11日〜15日)において現在の 「官庁統計の基本原則」が採択された。


II.官庁統計の基本原則

 序文

 国連統計委員会は、


  • 官庁統計情報は、経済、人口、社会及び環境分野における開発並びに世界中の国 家・国民の間の相互理解及び通商のための不可欠な基盤であることを銘記しつつ、
  • 官庁統計情報に対する公衆からの信頼は、社会が自らを理解し、その構成員の権 利を尊重するための基礎となる基本的な価値と原則の尊重に依存していることを 銘記しつつ、
  • 官庁統計の質、ひいては政府、経済界及び公衆の利用に供される情報の質は、統 計の作成過程において適切かつ信頼できる情報の提供に関して国民、企業及びそ の他の回答者の協力が得られること、また、ユーザーのニーズを満たすためユー ザーと統計作成者とが協力することに大いに依存することを銘記しつつ、
  • 各国間の比較を可能にする基準及び概念を設定するための、政府機関及び非政府 機関の統計における活動努力を想起しつつ、
  • 国際統計協会(ISI)の専門家の倫理に関する宣言を想起しつつ、
  • 1992年4月15日にECEで採択された決議C(47)が、普遍的意義を持つとの意見を表 明しつつ、
  • アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の統計委員会によって基本原則の審査を付 託された統計専門家ワーキンググループが、1993年11月にバンコクで開催された 第8回会合において、ECE版に原則的に同意し、この原則がすべての国家にとって 適切であることを強調したことに留意しつつ、
  • 1994年3月にアジスアベバで開催されたアフリカの立案者・統計家・人口学者の 第8回合同会議が、官庁統計の基本原則が普遍的意義を持つとしたことに留意し つつ、

 この官庁統計の基本原則を採択する。


原則1

 官庁統計は、経済・人口・社会・環境の状態についてのデータを政府、経済 界及び公衆に提供することによって、民主的な社会の情報システムにおける 不可欠な要素を構成している。この目的のため、公的な情報利用に対する国 民の権利を尊重するよう、政府統計機関は、実際に役に立つ官庁統計を公正 にまとめ、利用に供しなければならない。

原則2

 官庁統計への信頼を保持するために、統計機関は、科学の原理と専門家とし ての倫理を含む厳密に専門的な見地から、統計データの収集、処理、蓄積及 び公表の方法及び手続を決定する必要がある。

原則3

 データの正しい解釈を促進するため、統計機関は、統計の情報源、方法及び 手続に関する情報を科学的基準に従って提示しなければならない。

原則4

 統計機関は、統計の誤った解釈及び誤用に関して意見を述べる権利を有する。

原則5

 統計を作成するためのデータは、統計調査又は行政記録などすべての種類の データ源から入手し得る。統計機関は、品質、適時性、費用及び報告負担の 観点からデータ源を選定するべきである。

原則6

 統計機関が統計作成のために収集した個別データは、自然人又は法人に関す るものであるかによらず、厳重に秘匿されなければならず、統計目的以外に 用いてはならない。

原則7

 統計システムを運用するための法律、規則及び諸手続は、公にされなければ ならない。

原則8

 国内統計機関間の調整は、統計システムの一貫性及び効率性を達成するため に不可欠である。

原則9

 国際的な概念、分類及び方法を各国統計機関が用いることは、官庁のすべて のレベルの統計体系の整合性及び効率性を向上させる。

原則10

 統計における二国間及び多国間協力は、すべての国の官庁統計システムの 改善に寄与する。


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