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次世代を担うデータサイエンス人材の育成

和歌山県 企画部企画政策局 企画総務課(データ利活用推進センター)及び調査統計課

和歌山県 特別賞 子育て・教育 産業振興 公的統計データ 行政データ 民間データ

「次世代を担うデータサイエンス人材の育成」サムネイル画像

概要

 全国の高校生・大学生等を対象に行政課題に対するデータを利活用した解決アイデアを募集し、優秀な提案を表彰するデータ利活用コンペティションを実施しました。小中高大それぞれの段階に応じた人材育成支援の実施など早い段階からデータ利活用の重要性・有用性を認識させる機会を作り、和歌山県はもとより全国でデータサイエンス人材が育成されることを目指します。

導入費・運用費

導入費 −
運用費 −

受賞

  • 「第4回 地方公共団体における統計利活用表彰 特別賞」(2019)

取組の流れ

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    様々なデータを利活用できる未来の担い手が不足

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    高校生・大学生等対象のデータ利活用コンペティションや出前講座など人材育成支援の実施

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    各施策に公的データや民間企業が保有するデータを活用

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    コンペティションでは、様々なデータを利活用した行政課題解決アイデアを募集

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    PDCAサイクルを回しながら長期的視野で教育支援を継続・発展

ヒアリング・ここが知りたい!

どのような課題がありましたか?

データ利活用の担い手育成へ

 近年、様々な業種でデータ利活用が進み、革新的なサービスの創出などに繋がっています。また、新学習指導要領において、統計教育の充実化が図られるなど統計やデータを利活用できる能力が求められています。
 そういった中、和歌山県においても、地域の持続的な発展のためにはデータの積極的活用が不可欠と考え、平成28年9月に「和歌山県データ利活用推進プラン」を策定し、データサイエンス人材の育成などデータ利活用の推進に取り組んでいます。

どのような計画を立てましたか?

高校・大学生等向けコンペティションや様々な人材育成支援を実施

コンペティションの様子

 若年の段階からデータ利活用の重要性・有用性を認識させる機会を提供し、和歌山県はもとより全国でデータサイエンス人材が育成されることを意図して、(1)データ利活用コンペティション(全国の高校生・大学生等が対象)、(2)データサイエンス人材育成支援(小中学生向け出前講座、統計データ利活用冊子の配布、統計教育支援ウェブサイトの開設、高校生向け講座、大学と連携した人材育成、民間企業と連携したインターンシップ制度など)を計画しました。

データの収集はどのように行いましたか?

協賛企業からはデータや有償の分析ツールを無償提供

 各施策に、必要なデータを公的統計データ・各地方自治体公表データ・民間データ等から収集し、活用しました。特にコンペティションにおいては、協賛企業から参加者を対象に普段は公開していないデータや有償の分析ツールを無償で提供いただき、参加者にとってより実践的な分析ができるよい機会となっています。
(活用した統計データ:政府統計の窓口(e-Stat*1)、地図で見る統計(jSTAT MAP*2)、教育標準データセット(SSDSE*3)、地域経済分析システム(RESAS*4)、各地方自治体公表データ、コンペティション協賛企業提供データ、ツイッターなどSNS情報など)

どのような分析を行いましたか?

高校生・大学生からデータを利活用した行政課題の解決策を募集

 コンペティションについては、毎年、人口減少問題の解決など行政課題の中からテーマを選定し、高校生・大学生等を対象に様々なデータを利活用した課題解決アイデアを募集しています。
 また、人材育成支援として、小中学生向けには、人口推移データ等統計でこんなことが分かるということを解説する出前講座や、高校生向けには、市町村の稼ぐ産業と雇用を生む産業を可視化し、地域経済基盤構造を把握する特別講義なども実施しています。
(活用したツール等:e-Stat、RESAS、Excelなどの表計算ソフト、GISなどの地理情報ソフト、SASなどの分析ソフト、ワイヤ・アンド・ワイヤレス社の訪日外国人の移動動向分析ツール)

結果としてどのような政策に結びつきましたか?

高校生考案のプランの具体化や企業との連携

高校生による観光ツアーの様子

 コンペティションでは、第1回開催において大賞を受賞した山口県立周防大島高等学校において、13名の外国人(在日米軍関係者)を招待し、高校生が考えた観光ツアーを実施しました。実際にアイデアを具体化した事例や受賞者と協賛企業によるその後の取り組みに発展したケースも出てきています。

データ利活用(収集や分析)において工夫した点や難しかった点について教えてください。

庁内各部署に眠る未活用データの有効活用が課題

 庁内各部署には個人情報を含むデータ、また標準化されていないデータなど膨大な未活用データが存在します。これらの埋もれたデータの有効活用が課題となっており、今後、EBPM*5の推進や民間企業でのデータ利活用推進、大学等における教育教材としての活用などが可能となるよう、秘匿化技術等について研究を進めているところです。

その政策によって、どのような効果が現れましたか?
また、今後どのような改善点や展望をお考えでしょうか?

人材育成は長期的な視野で継続

 コンペティションや人材育成支援による効果はすぐさま現れるものではなく、継続が重要と考えており、PDCAサイクルを回しながら継続・発展させていくつもりです。
 これらの取り組みにより今後、データサイエンスに興味を持つ人が増加したり、実際の経済活動に繋がったりと、様々な波及効果が現れることを期待しています。

脚注

 *1 e-Stat:
 政府統計の総合窓口(e-Stat)は各府省等が公表する統計データを一つにまとめ、統計データを検索したり、地図上に表示できたりするなど、統計を利用する上で、たくさんの便利な機能を備えた政府統計のポータルサイト。

 *2 jSTAT MAP:
 地図で見る統計(jSTAT MAP)は、誰でも使えるwebサイト上の地理情報システム。統計地図を作成するなど、利用者のニーズに沿った地域分析を可能にする様々な機能を提供している。

 *3 SSDSE:
 Standardized Statistical Data Set for Education(教育用標準データセット)の略称。
SSDSEでは、各都道府県・市町村の複数分野(人口・世帯、自然環境、経済基盤、行政基盤、教育、文化・スポーツ、居住、 健康・医療、福祉・社会保障)のデータを一つのデータセットでカバーできる。

 *4 RESAS:
 地域経済分析システム(RESAS:リーサス)は、産業構造や人口動態、人の流れなどの官民ビッグデータを集約し、可視化するシステム。

 *5 EBPM:
 エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングの頭文字を取った言葉。証拠に基づく政策立案という意。

参考サイト

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