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健康寿命延伸のためのデータ活用事業

滋賀県 衛生科学センター

滋賀県 健康・福祉 情報政策 公的統計データ 行政データ

「滋賀県では県民の健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目指します」サムネイル画像

概要

 健康や医療、介護などに関する各種データを一体的に分析、活用することにより、予防的な健康づくりの取組の推進を図り、今後の政策に生かすことを目的としています。平均寿命、健康寿命に関連する要因を探るために、生活習慣や生活環境などのデータを用いて幅広い観点から分析を行っています。

導入費・運用費

導入費 −
運用費 約800千円(県の一般財源を活用。滋賀大学への委託費)

受賞

  • 「第57回 近畿公衆衛生学会近畿保健所長会長賞」(2018)

取組の流れ

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    平均寿命と健康寿命の間には大きな差がある

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    健康・医療・介護等に関する各種データを一体的に分析し長寿要因を調査研究するため本事業を開始

  • PPDAC-dataアイコン画像

    「統計でみる都道府県のすがた」から社会生活基本調査、家計調査、住宅・土地統計調査等

  • PPDAC-analysisアイコン画像

    生活習慣、生活環境と平均寿命、健康寿命を関連付けて分析

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    健康寿命延伸に向け、新たな事業や施策を実施

ヒアリング・ここが知りたい!

取組のきっかけを教えてください。

滋賀県が平均寿命男性日本一に

滋賀県の平均寿命の都道府県別順位の推移
滋賀県の平均寿命の都道府県別順位の推移

 厚生労働省が行った2017年の都道府県別の平均寿命に関する調査で滋賀県は男性が1位に、女性が4位になり、東京大学の研究においても、滋賀県は全国で男女とも長寿の県であることが発表されました。これを受けて、予防的な健康づくりの取組を推進していくと共に、長寿の理由を解き明かすために滋賀大学とデータ活用事業プロジェクト会議と共同で解析を進めていき、健康寿命延伸のためのデータ活用事業を開始しました。

どのような計画を立てましたか?

長寿の要因を解明

 健康、医療、介護に関するデータの集約、分析を行い、健康課題を明確化していくことにしました。都道府県間の健康寿命を比較する指標は複数あり、指標ごとに都道府県順位が異なります。そのため、複数の健康寿命の指標の中からどの指標を用いるべきかを先行研究を基に検討し、介護を指標とする「日常生活動作が自立している期間の平均」を健康寿命の定義としました。また、今後の施策に反映させるために「長寿県」に共通する要因と滋賀県の長寿要因を調査研究しました。

どのようにしてデータを収集しましたか?

生活習慣と生活環境にアプローチ

 社会生活基本調査、患者調査、全国消費実態調査、住宅・土地統計調査、家計調査、国民・健康栄養調査など、全国47都道府県の統計データを用いて、平均寿命・健康寿命と生活習慣、生活環境との関連を解析しました。健康寿命を延ばすために禁煙や運動推進などの生活習慣に対するアプローチだけでなく、完全失業率や労働時間、産業構造といった生活環境にもアプローチする必要があることがわかりました。

どのような分析を行いましたか?

生活環境と生活習慣、生活習慣と平均寿命・健康寿命を関連付けて分析

 総務省の「統計でみる都道府県のすがた」等のデータを重回帰分析等の統計手法を用いて、平均寿命及び健康寿命につながる要因を明確化しました。県の保有するデータに加え、失業率・労働時間・県民所得・産業就業者比率・気温・都市公園数・図書館数・道路舗装率といった生活環境と、喫煙、運動、多量飲酒やボランティア活動等の生活習慣との関連を解析しました。また、生活習慣と平均寿命・健康寿命との関連についても解析しました。この解析により、健康寿命延伸にかかる阻害因子、促進因子を推定し、解析結果は県、市町の行政施策への反映や県民への情報発信に活用しました。

工夫した点や難しかった点は?

平均寿命・健康寿命と生活習慣・生活環境との関連を示した

 工夫したのは、生活習慣と生活環境との関連性をデータとして示したことです。都道府県別の生活習慣や生活環境と平均寿命・健康寿命との関連を示すために、回帰分析結果を記載するだけでなく、主成分分析手法を用いて可視化するなどの工夫を行いました。難しかった点は上述の関連を解析する際、どのような統計手法を使うと良いか悩みました。

結果としてどのような政策に結びつきましたか?

健康寿命延伸のための連携事業の基礎資料として活用

 健康医療福祉部だけでなく、土木交通部や商工観光労働部、教育委員会など県庁内一体的に健康寿命延伸のための連携事業検討の基礎資料として活用されています。例えば、ウォーキングをする人を増やすために歩きやすい環境を整備する必要があるなど、根拠に基づいた施策立案に役立っています。また、新たな部署として「健康しが企画室」が設置されるほか、「健康しが」コ・クリエーション事業が2018年度から開始されています。

今後の改善点や展望をお聞かせください。

県内市町の健康寿命延伸の格差要因の解析に向けて

滋賀県衛生科学センターの担当者
滋賀県衛生科学センターの担当者 

 県内市町の平均寿命・健康寿命の格差要因の解明に向けて、県内市町の生活習慣と生活環境のデータ解析をしていきます。この解析を通して、さらなる平均寿命・健康寿命の延伸の一助としたいと考えています。

参考サイト

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