ここから本文です。

ひなたGISによる統計データの可視化とデータ活用の推進

宮崎県 総合政策部 情報政策課・統計調査課

宮崎県 特別賞 情報政策 行政運営 公的統計データ

「宮崎県庁」サムネイル画像

概要

 e-Stat*1やRESAS*2の統計データとAPI*3で連携し、様々なデータを自由に地図上に重ね合わせることで、地域の特色や課題等を「見える化」する地理情報システムを提供しています。

導入費・運用費

導入費 −
運用費 −

受賞

  • 「第3回 地方公共団体における統計利活用表彰 特別賞」(2018)
  • 「内閣府開催 第1回RESASアプリコンテスト 最優秀賞」(2017)

取組の流れ

  • PPDAC-problemアイコン画像

    データ視覚化で、もっとデータに親しめる

  • PPDAC-planアイコン画像

    新たな発見を促し、想像を引き出せるものに

  • PPDAC-dataアイコン画像

    オープンデータと、さらに興味を引く関連データ

  • PPDAC-analysisアイコン画像

    ニーズを常に意識し、欲しい機能を実現できるように分析

  • PPDAC-conclusionアイコン画像

    市街地活性化策の策定や災害復旧などに活用

ヒアリング・ここが知りたい!

取組のきっかけを教えてください。

データを視覚的に、もっとデータに「親しみ」を

地理情報システム ひなたGIS
地理情報システム ひなたGIS*5

 統計データを含むデータ活用の重要性が増す中、データ全般を難しく捉えてしまうことと、データ活用の効果が伝わりにくいことから、なかなか普及が進まないという課題がありました。データに親しんでもらうためには、データを視覚的に見せる必要があると感じた情報政策課職員が、「データを身近に」をコンセプトにこのサイトを独学で構築しました。オープンデータの流れ、EBPM*4の推進など、データを有効活用する土壌が整いつつあることも、きっかけの一つとなっています。

どのような計画を立てましたか?

新たな発見を促し、想像を引き出せるものに

 最初は自主研究だったので、大きなことは考えていませんでしたが、作り始めると様々な可能性が浮かんできました。せっかく作るのであれば、利用者がそれぞれの目的に合わせて、自由にデータを重ね合わせられるものにして、それによってサイトを見る方の新たな発見を促すものにしたい、新たな想像を引き出せるようなものにしたいと、制作を進めたのが、今のサイトです。

どのようにしてデータの収集を行いましたか?

オープンデータのほか「面白いと思った」データも収集

 基本的にはインターネット上のオープンデータを取り入れていき、使用した統計データは4800件以上にもなりました。それらのデータをいろいろな角度・視点から見ることができるように、航空写真や古地図、施設情報、ハザード情報など、統計データ以外のデータも多数そろえています。また、オープンデータでなくても、面白そうなデータを持っている方がいれば直接アプローチして、使用許可をいただいて掲載しているものもあり、現在も随時更新しています。

どのようにしてデータの分析を行いましたか?

ニーズを意識して、欲しい機能を実現

 誰がどのような分析を必要としているかなどのニーズ分析については、作成当初も今も常に意識しています。例として、現在と過去の比較を一目で見られるよう2画面で見られるようにしていますし、小地域のデータをマッピングする機能なども取り入れています。

工夫した点や難しかった点は?

ありとあらゆるデータを盛り込み、様々なニーズに対応

 まず、なるべく簡単な操作で、マニュアルなしで操作できるようなものをと考えましたし、表示速度にも気を使いました。また、様々なニーズに応えられるよう、特定の分野にとらわれずバラエティに富むように、ありとあらゆる分野のデータを盛り込むように工夫しました。街を歩くことが好きな方や歴史好きの方からも反響をいただいていて、色々な方々と絡めるという面白さがあります。

結果としてどのような政策に結びつきましたか?

市街地活性化策の策定や災害復旧などに活用

 例として、自治体で中心市街地活性化策を検討した際に活用していただいたと聞いています。大きな災害時には被災状況の航空写真が公開されるのですが、それをごく短時間でひなたGIS上にアップするようにしています。平成29年の九州北部豪雨や北海道胆振東部地震の時にも活用されたと聞いています。また、学校の先生や予備校の先生が、地理の授業で使っているらしいという話も聞いています。

今後の展望をお聞かせください。

掲載データや機能の充実を図り、より役立つツールに

宮崎県総合政策部情報政策課・統計調査課のみなさん
宮崎県総合政策部情報政策課・統計調査課のみなさん

 今後の展望としましては、データ活用に関心のある県民の方々に協力を得ながら、掲載データや機能の充実を図り、地域学習やまちづくりなどに役立つツールを目指そうと思っています。現在、シンクタンクや研究機関でも活用いただいているようなので、情報交換をしながら、今後より役立つシステムにしていければと思っています。

脚注

 *1 e-Stat:
 政府統計の総合窓口(e-Stat)は各府省等が公表する統計データを一つにまとめ、統計データを検索したり、地図上に表示できるなど、統計を利用する上で、たくさんの便利な機能を備えた政府統計のポータルサイト。
 *2 RESAS:
 地域経済分析システム(RESAS:リーサス)は、産業構造や人口動態、人の流れなどの官民ビッグデータを集約し、可視化するシステム。
 *3 API:
 API(アプリケーションプログラムインターフェイス)の頭文字を取った言葉。自社システムと他社システムの連携などのことをAPI連携と言う。
 *4 EBPM:
 エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングの頭文字を取った言葉。証拠に基づく政策立案という意。
 *5 GIS:
 Geographic Information System の略称。日本語では「地理情報システム」と訳されている。地理情報をコンピューターの地図上に可視化して、情報の関係性やパターン、傾向を示した。

参考サイト

サイトマップ
ページ上部へ アンカーのアイコン画像