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いばらき型「ターゲットに訴求する統計データマイニング」

茨城県 政策企画部 統計課

茨城県 特別賞 人口問題 公共インフラ・まちづくり 行政データ

「茨城県庁」サムネイル画像

概要

 合併前の市町村区域の人口や産業などの古いデータを現在の市町村域に再編または統合し、時系列に整理しました。PRには4コマ漫画を活用し、これまで馴染みの薄かったターゲットにも「目にとまる」「伝わる」よう改善し、これらにより統計データの政策活用を促進しています。

導入費・運用費

導入費 −
運用費 −

受賞

  • 「第2回 地方公共団体における統計利活用表彰 特別賞」(2017)

取組の流れ

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    市町村の合併前後の統計データが比較しづらい

  • PPDAC-planアイコン画像

    合併前の古いデータを現在の44市町村に統合し、活用しやすいようにデータを整備する

  • PPDAC-dataアイコン画像

    古い紙データから地道にデジタルベースへ入力

  • PPDAC-analysisアイコン画像

    利活用しやすいよう当時よりも細分類化して整備

  • PPDAC-conclusionアイコン画像

    少なくとも13の市町村によって新たな利活用実績

ヒアリング・ここが知りたい!

取組のきっかけを教えてください。

市町村の合併前の統計データの比較・把握が困難だった

 市町村の合併前後の統計データが比較しづらかったので、より長期的に・より細かく把握できるよう整備しておこうと考えました。数年前、県北振興や少子化対策など人口に深く関わっている部署から、「市町村単位の年齢別の人口推移を長期に把握できる統計はないか」と相談を受けました。もちろん県全体の年齢別の推移表は存在したのですが、市町村別には作成していなかったため、過去をさかのぼるには合算などの手間が必要でした。そこで、庁内または県民からこのような要望が出た際すぐに提示できるよう、合併後の市町村区分による長期時系列表を整備しておくことにしたのです。

どのような計画を立てましたか?

古いデータを現在の44市町村にアップデート

 合併前の古いデータを現在の44市町村に統合し、活用しやすいようにデータを整備しました。人口データに関しては、概ね50年をさかのぼることを目標にして、昭和30年285市町村分の人口データを現在の44市町村に統合しました。経済データに関しては残存する昭和40年92市町村分の経済データを、現在の44市町村に統合しました。
 これにより、統計データを誰にでも利活用できるように整備し、最終的には統計調査の認知度を高めることを目的としました。

データ整備で大変だったことは?

データ打ち込む地道な作業に高評価

機関誌「統計いばらき」に連載された4コマ漫画「統計コラム4コマPlus」
機関誌「統計いばらき」に連載された4コマ漫画「統計コラム4コマPlus」

 古い紙のデータから、地道にデジタルデータへと落とし込む作業に時間がかかりました。昭和30年当時の「市町村別国勢調査人口」や、昭和40年当時の「市町村民経済計算」は紙のデータしか存在せず、まずはこれらのデータを地道にエクセルシートに落とし込む作業から始まりました。
 目的に合った加工を後々施しやすいようなフォーマットを作り、職員や臨時職員により長期にわたってデータを打ち込みました。「地方公共団体における統計利活用表彰」特別賞を受賞した際の講評でも「地味だけど大切な仕事」というお言葉をいただいたことが印象に残っています。

どんなことに留意してデータを整備しましたか?

4コマ漫画でよりわかりやすく

 古いデータを拾うのではなく、現在のニーズに合うような細分類を心がけました。人口データに関しては、市町村別・性別はもちろん、年齢別の統計表を作成することにもこだわり、経済データに関しては、第一次産業から第三次産業まで、さらにそれを14産業に区分したもの、加えて雇用者報酬や財産所得、企業所得なども掲載することを目指しました。また、この数字ばかりの資料をより伝わりやすくPRするために4コマ漫画を制作して訴求しました。

工夫した点は?

「年齢3区分」でしか分類されていなかった古いデータを「各歳別」に

 人口データに関して、人口データは年齢3区分(0〜14歳、15〜64歳、65歳〜)で表すことが多いのですが、これでは年齢幅が広すぎて活用方法が限定されてしまいます。そこで、思い切って区分を廃し、各歳別に分けることにしました。これにより、例えば「20代女性」「男性を10歳ごと」といったように、ユーザーが目的に沿った形で統計表を編集することが可能になりました。

反響はありましたか?

13の市町村によって利活用の実績

 市町村において、まちづくり計画や地方創生への活用がなされました。市町村の政策担当幹部が集まる説明会の開催や、機関誌「統計いばらき」に「統計コラム4コマPlus」を掲載したり、プレスリリースの実施などにより、少なくとも13の市町村で新たな利活用実績がありました。今後も継続的な働きかけを行うことによって、さらなる実績増が予測されています。

今後の展望をお聞かせください。

さらに整備の範囲を拡張して「おもてなしの統計」を実践へ

茨城県政策企画部統計課のみなさん
茨城県政策企画部統計課のみなさん

 現在は「農業産出額」「工業統計表」など、利用者のニーズが高い新たな統計表の整備も進めています。また「市町村別、男女別、年齢3区分別人口」に関しては大正9年から、「市町村別、男女別、各歳別」に関しては昭和40年から平成27年まで、「県民経済計算」は昭和30年から、「市町村民経済計算」は昭和50年度から平成26年度までの整備が終了しています。今後も「おもてなしの統計」「伝わる広報」を継続していきます。

参考サイト

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