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ふじのくに少子化突破戦略の羅針盤

静岡県 健康福祉部 こども未来局 こども未来課

静岡県 総務大臣賞 子育て・教育 健康・福祉 公的統計データ 行政データ

「静岡県庁本館」サムネイル画像

概要

 地域の特性や施策の実施状況など、合計特殊出生率に影響を与える要因を3段階(要因分析、主成分分析、重回帰分析)で市町村別に「見える化」をしました。平成29年度からは、市町の合計特殊出生率向上のための取組を後押しするべく、助成制度を展開しています。

導入費・運用費

導入費 約800千円(冊子作成費)
運用費 −

受賞

  • 「第2回 地方公共団体における統計利活用表彰 総務大臣賞」(2017)

取組の流れ

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    少子化対策を重要課題として位置づけ

  • PPDAC-planアイコン画像

    市町別に把握可能な社会経済的指標や施策指標を用いて地域分析を行った

  • PPDAC-dataアイコン画像

    有識者の意見を踏まえて30の社会経済的・施策指標を選定した

  • PPDAC-analysisアイコン画像

    人口学的要因分解法や重回帰分析などを用いて3段階で分析した

  • PPDAC-conclusionアイコン画像

    合計特殊出生率向上へ向けた取組の効果把握は、今後行っていく

ヒアリング・ここが知りたい!

取組のきっかけを教えてください。

少子化対策を重要課題と位置づけ、市町別合計特殊出生率に影響を与える要因を分析

こども未来局、こども未来課
こども未来局、こども未来課

 少子化は、社会の活力に影響を及ぼし、社会経済の持続可能性を揺るがす深刻な問題であり、静岡県では、少子化対策を重要課題として位置づけ取り組んでいます。県と市町が、根拠に基づく少子化対策を立案し、効果的な施策を実施していくためには、現状を把握することが第一歩であると考え、市町別合計特殊出生率に影響を与える要因を分析することとしました。 

どのような計画を立てましたか?

合計特殊出生率の地域差を明確にして、分析結果を「見える化」

 静岡県内における市町別合計特殊出生率は、同じ地域内であっても高い市町と低い市町が混在しており、ばらつきが生じています。このことに焦点を当て、市町別に把握可能な社会経済的指標や施策指標を用いて地域分析を行い、合計特殊出生率の地域差を科学的に明らかにすることとし、併せて、分析結果を「見える化」し、少子化対策を検討するための基礎資料を提供することを目指しました。

どのようにしてデータの収集を行いましたか?

有識者意見を踏まえ、30 本の社会経済的・施策指標を選定

 まずは、合計特殊出生率に影響を与えていると想定される要因(社会経済的要因、施策要因)を幅広く洗い出しました。その上で、市町別に把握可能なデータであるとの制約の下、アドバイザー(有識者)の意見を踏まえ、30の社会経済的・施策指標を選定し、分析に用いることとしました。その他、必要に応じて総務省「国勢調査」や厚生労働省「人口動態調査」の調査票情報の提供を受け、静岡県において独自に集計したデータを活用しました。

分析の全体像(「市町別の地域分析から見えてきた出生率への影響要因」(PDF:809KB)説明資料より)
分析の全体像

どのような分析を行いましたか?

主成分分析から重回帰分析に至る、3段階の分析で要因を究明

 第一段階として、30本の社会経済的・施策指標を、主成分分析を用いて、6つの地域力に集約しました。第二段階として、人口学的要因分解法により、市町別合計特殊出生率と静岡県の合計特殊出生率との差を、結婚要因と夫婦の出生力要因に分解しました。最後に、以上2つの分析により得た数値を重回帰分析を用いて分析しました。これらの3段階での分析により、合計特殊出生率に影響を与える要因を探り出しました。

工夫した点や難しかった点は?

仮説と整合するまでに1か月以上試行錯誤

 30本の社会経済的・施策指標が、それぞれ出生率にどのような影響を与えるか仮説を立ててから分析を進めました。この30本の指標について、主成分分析を用いて地域力に縮約する作業が最も困難であり、主成分分析の分析結果が仮説と一致するまで、指標の組み合わせを何度も入れ替え、分析を繰り返しました。仮説と整合する分析結果が得られるまでには、1か月以上の時間を要しています。

結果としてどのような政策に結びつきましたか?

市町の取組を後押しするような助成制度を展開

冊子「羅針盤」表紙
冊子「羅針盤」表紙

 分析結果を取りまとめた冊子「羅針盤」の発行やそれに関するフォーラムの開催などを通して、県と市町双方が各市町の少子化対策の現状や課題を把握することができました。平成29年度からは、市町の取組を後押しすべく、効果的な事業を行う市町を対象とした助成制度を展開しています。期間を平成29年度から平成31年度までの3年間と設定しており、個別に市町の事業について目標を設定し、結果について評価を行っています。

今後の展望をお聞かせください。

要因を把握したが、要因が何によって変化するかは未解明

 合計特殊出生率向上へ向けた取組の効果把握は、すぐに効果が現れるものではないことから、今後、本取組のみならず、市町の少子化対策全体の取組について、行っていく予定です。今後についてですが、合計特殊出生率の変化に関係性が高い要因の把握はできましたが、その要因が何によって変化するのかについてはまだ解明できていないことが課題です。今後は、合計特殊出生率と人口の社会増減の関係性について、調査研究を行っていきたいと思っています。

参考サイト

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