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データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる

  • 株式会社ブレインパッドは、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」という理念の下、単なる分析結果の提供だけでなく、データ分析の結果を活用してクライアント企業のビジネス変革を支援してきました。データ分析およびデータサイエンティスト育成のための教育を行う事業、データ分析や施策運用の仕組み構築を手がけたり、データ分析を応用した自社開発ソフトウェアを提供したりする事業を行っています。本日は、データサイエンティストとして活躍をしている、株式会社ブレインパッド アナリティクスサービス本部 アナリティクスサービス3部 部長 チーフデータサイエンティスト西本保則氏、同本部 アナリティクスサービス1部 副部長 チーフデータサイエンティスト深田美和氏にお話を伺いました。

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    どのようにしてデータサイエンティストを育成してきたのか?

    弊社には、金融業界のクオンツ、素粒子の研究員、企業のマーケティング担当者から、情報系出身でない新卒まで幅広いバックグラウンドの新入社員がいます。これらの新入社員の多くは、いきなりビジネスにおけるデータサイエンスの現場で活躍できるわけではありません。ビジネスのスキル、情報系科学のスキル、システムのスキルのいずれかでも基礎ができていない人は、座学と演習からなる2か月から3か月程度の社内研修を受講し、基礎を習得します。基礎が習得できて初めて適切な指導役のデータサイエンティストと共に現場プロジェクトに配属されます。そして、現場の課題に取り組むことで、指導役と共に学びながら成長させています。基礎が不足している状態で現場で分析すると、誤りのある分析結果を出し、誤った意思決定に導いてしまう恐れがあるため、体系的な研修は必須です。しかし、完全に同じ課題を抱える現場が二つとないこと、データサイエンス自体が日々進化していることから、研修で得られた知識だけでは対応できないことが多いことも事実です。それゆえに、弊社では、現場の課題に指導役と共に取り組みながら、共に学んでいくことが重要と考えています。社内では任意の勉強会なども随時自発的に開催されており、新しい技術やスキルを身につけられる環境が整っていますが、やはりビジネスの最前線で活躍するデータサイエンティストになっていくためには、実務を通して、身につけたスキルを発揮しながら日々研鑽を重ねていく必要があります。

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    データサイエンティストのスキルとは何か?

    データサイエンティストとして重要なスキルは、ビジネススキル、データサイエンススキル、データエンジニアリングスキルの3つに大別することができます。


    【ビジネススキル】

    ビジネス課題を背景から正しく捉え、解決していく力です。例えば経営コンサルタントが事業課題の切り分けや論点の明確化を行うように、データサイエンティストもビジネス課題を整理し、データ分析を適用すべき対象や領域を見極め、データ分析で得られた結果をビジネスに接続していくための力が必要です。


    【データサイエンススキル】

    情報処理や統計学、人工知能といった情報科学系の知識を実務に適用して、ビジネス課題を解いていくスキルです。例えば医師が患者に合わせた治療法を選ぶように、データサイエンティストもビジネス課題に合わせた適切な分析アルゴリズムを選択し、パラメータを設計していく力が必要です。


    【データエンジニアリングスキル】

    ビジネス課題を解くための実行力となる、データサイエンスを実装・運用していくためのスキルです。例えば、システムエンジニアが適切なシステム環境を構築しプログラミングを実行していくように、データサイエンティストもデータ分析を実行するための環境を構築し、複雑なデータを統合しながらデータ分析を実行する力が必要です。


    理想的なデータサイエンティストは、これら全てのスキルが高いレベルで揃った人材であると言えますが、実際は3つのスキルの基礎を踏まえつつも、より得意とするスキル軸や専門分野を持つことで、競争力の高いデータサイエンティストになっていくことが可能だと考えています。大規模化、複雑化しているクライアント企業の課題を解決するという観点では、これら3つのスキルをプロジェクトチームとして、会社として適切に備えることが重要です。実際、当社の場合はプロジェクトチームによるデータ分析が基本となっており、社内には様々な得意分野を持った約60名のデータサイエンティストがチームを組んで実務を行っています。

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    データマイニングとマーケティング

    一口にマーケティング活動と言っても、ブランディング視点、店舗視点、プロダクト視点、顧客視点など、様々な切り口があります。当社でもクライアント企業の課題に応じて、いろいろな視点で分析を行いますが、ここでは最もわかりやすい顧客視点を例に取ります。

    マーケティング活動における顧客の捉え方は、大きく分けて「アクイジション(新規顧客獲得)」と「リテンション(既存顧客維持・育成)」の2点があります。

    「アクイジション」の課題のひとつに、広告の費用対効果を最大化することが挙げられます。 当社では、広告媒体の予算配分から、個別の広告枠への広告素材の割当まで、各オペレーション段階に応じた最適化の事例があります。アトリビューションの分析・可視化から、広告効果の予測、広告費の最適化までを業務やシステムに落とし込み、継続的に運用するところまで一貫した支援を行っています。

    「リテンション」における主要な課題は、顧客の定着と維持を促すための“戦略”をいかに精緻化し、対象となる顧客層へ商品販促する“戦術”をいかに効率化・有効化できるかという点です。当社では、カスタマージャーニー分析を踏まえたターゲット顧客層の明確化と育成戦略の立案から、購買予測分析によるダイレクトメールやカタログ施策の効率改善、アソシエーション分析による推奨商品選定、施策実行結果の評価まで、企業の顧客リテンション活動のPDCA全般を支援している事例が多数あります。

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    統計分野で必要と考える人物像は?

    ビジネスの現場では、教科書通りの分析を行っただけでは、業務に適用できないこともあります。 企業にはそれぞれ独自のビジネス背景や業務オペレーションが存在しているほか、部署によっても異なる目的意識が存在しています。そのため、ビジネスで活用されるデータ分析の結果を提供していくには、そういった異なる背景や目的をきちんと整理した上で分析を設計し、実行していく力が不可欠だと考えています。学問としてではなく、ビジネスのために統計を学習される方は、そういった意識を常に持っておかれるとよいと思います。

    他方、データサイエンスは日々進化しており、それを理解し正しくビジネスの現場で使っていくには、アルゴリズムやシステムの理解も欠かせません。データ分析に関して、データサイエンスの知識だけではなく、日々進歩するテクノロジーの知識をも貪欲に吸収し続け、ビジネスを動かす、顧客企業に貢献するという高い目的意識とモチベーションを有している人材が必要であると考えています。

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