統計力向上サイト

menu open

相手の思いを「データ分析の計画」としてデザインする

  • 株式会社日立インフォメーションアカデミーは人材育成サービスの会社です。
    「そんな会社にいる人がデータ分析とどう関わっているの?」というと、例えば、日立グループ各社がデータ分析(その先のシステム化を見据えて)を提案する際には、お客様のデータ分析への感度(「一緒にやっていこう」という空気感みたいなもの)が意外と大事です。

    そこで、お客様内のデータ分析に関わる方の人材育成を通じて、分析テーマの明確化やデータ分析への感度を向上し、その後の提案内容の会話をしやすくする支援をしています。

    これまで本サイトに登場された方々がいわばF1ドライバーなのに対し、私は教習所の教官といった感じで、「データの最前線にはいるが分析はしたことがない人達と、どうやって分析をスタートさせるか?」その取り組みをご紹介します。

  • 1

    可視化イメージを介して会話する

    仕事柄アンケートをよく取ります。先日は「1年以上研修を1回も受けなかった人へのアンケート」の設問作りを手伝って欲しいということで、30分間以下のような会話(問いかけ)をしました。

    (ウォーターフォールチャートを書きながら)


    「1回も受けなかった人には、調べなかった人、調べたけどいいモノが無かった人、いいモノはあったが行けなかった人、がいると思ったのですが、他に思いつく状況ってありますか?」


    (円グラフを書きながら)


    「調べなかった人って、どうせ役に立たない、自分はなんでもできる、上司がどうせ許可しない、と思っているケースを考えましたが、他にも何かありますか?」


    (「職種別→たぶん、営業はいいモノはあっても行けない割合が高い」と書きながら)


    「このグラフを例えば職種別に作って比べて、“営業職はいいモノはあったが行けなかった人の割合が高い“といった結果になったりすると面白いですよね。他に比べたい軸ありますか?」

    「へー、その軸で比べるとどんな結果になると予想していますか?」


    こんな会話をすると、欲しい可視化イメージ、持っている仮説が、話した方も私も、お互いに見えてきます。 さらに、「何のために?」と「そのために何を?」を聞いたり考えてあげたりすれば、目的も実行計画も整理できます。

    他には、どのエリアに営業をかければいいか分かる地図上でのヒートマップ、BIツールの分析デモのダッシュボード画面、D3等を使ったインタラクティブな商品検索画面など取り組んできました。センサーデータや販売データを使って“何か”したいといったあいまいなケースもあります。そんなときにも「例えば」を聞いて可視化します。ちなみに「具体的には」と言うと、身構えて逆に言葉が出なくなることがあったりするので、「例えば」を使うようにしています。

  • 2

    目的の数値化を会話する

    PDCAを回すってけっこう難しいです。先日、「メルマガやトップページのPRを改善したい」という相談を受け、10分程度以下のような会話をしました。


    「メルマガって何を期待してやってるんですか?」

    「もちろん申し込みの増加だよ」

    「実際どれくらい増えるんですか?」

    「分からない。メルマガが無くても申し込みはあるわけで、どの申し込みがメルマガの効果なのか分からないから」


    (時系列図と縦棒グラフを書きながら)


    「じゃあ、アクセス数と申し込み数の2つを見ましょうか。前後とか、同分野の他コースとかと比べて大きく増えているといいですよね。他に比べたい軸ありますか?」


    当然ですが、すぐに結果のフィードバックがあった方が工夫しやすいです。しかし、今回のように、データの不正確さを気にするあまり、データを取らなかったりスピードを失ったりして、打ち手の成否が分からない取り組みは多いです。例えば、サービス・商品に対する顧客と提供者の価値意識のずれ、営業成果と行動の関係、チームの情報共有度合いなどを、簡単に取れる数値で代替してPDCAを回りやすくする取り組みをしてきました。

  • 3

    これからデータ分析する人へのアドバイス

    将棋の3手詰めなら私もできますが、プロは100手先を読みます。何手先まで読めるか=プロの力量なのです。

    分析でも、取っかかりのビジネス課題やデータから、「とりあえずグラフにしてから」でなく、「どんなデータ可視化?どんな結果を想定?どう掘り下げる?それをどうビジネスに取り込む?そのためのシステムは?どんな懸念が起こりそう?」などを読めるのがプロだと思います。

    そのためには、ビジネスに実装されるまでの分析のプロセス、どんな分析でどんな価値を生めるか、を広く知っておく必要があります。ゆえに、特定の領域だけでなく、ビジネス・データサイエンス・データエンジニアリングの3視点を併せ持つことが重要と考えています。ただ、すべて極限まで深い必要はなく、足りない点は特定の領域のスペシャリストと連携できれば十分と思っています。

facebook Tweet Google+