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V 高齢者の家計、暮らし
交際費、保健医療への支出割合が高い高齢者世帯
「世帯主が高齢者の世帯」と「総世帯※1」について、それぞれの消費支出を構成比で比較すると、「世帯主が高齢者の世帯」では、「教育」が0.09倍と最も低くなっている一方で、「保健医療」が1.36倍と最も高くなっており、健康の維持・増進のため保健医療に費やす支出割合が高いという特徴がうかがえます。
また、「その他の消費支出」の内訳をみると、「交際費※2」が1.45倍と高くなっており、子や孫の世帯など世帯外への金品の贈与などが多くなっていることがうかがえます。(図11、表6)
※1)総世帯とは、「二人以上の世帯」と「単身世帯」を合わせた世帯をいう。
※2)「家計調査」における交際費とは、世帯外の人への贈答用金品及び接待用支出並びに職場、地域などにおける諸会費及び
負担費。「家計調査」における「世帯」とは、住居及び家計を共にしている人の集まりのこと。
活動的な60歳代、より健康に気を配る70歳以上
二人以上の世帯について、世帯主の年齢階級別に国内旅行や海外旅行などの「パック旅行費」の支出金額をみると、世帯主の年齢が60歳代の世帯で最も多くなっており、支出金額が最も少ない30歳未満の世帯と比べ6.7倍となっています。「ゴルフプレー料金」についても同様で、60歳代の世帯で最も多くなっており、最も少ない30歳未満の世帯と比べ7.0倍となっています。(図12-1、12-2)
続いて、サプリメントなどの「健康保持用摂取品」についてみると、世帯主の年齢が高いほど多くなっており、最も多い70歳以上の世帯の支出金額は、最も少ない30歳未満の世帯と比べ5.6倍になっています。「乳酸菌飲料」についても同様で、最も多い70歳以上の世帯の支出金額は、最も少ない30歳未満の世帯と比べ2.8倍になっています。(図12-3、12-4)
サプリメントや乳酸菌飲料などにより健康管理に気を配りながら、旅行やゴルフなどのレジャーを楽しむ高齢者のすがたが見てとれます。
注)倍率については、原数値(円単位)を用いて算出している。
お祝いが増える「敬老の日」
二人以上の世帯について、平成22年〜24年の3年間の9月の日別集計結果から、項目別に世帯外の人のために支出した金額についてみると、宿泊料などを含む「教養娯楽サービス」や「外食」、「被服及び履物」については、「敬老の日」を含む3連休で支出が増加する傾向が見られます。敬老の日には、プレゼントを贈ったり、親族が集まって外食に出かける機会が増えていることがうかがえます。(表7)
◆「家計調査」の詳しい結果を御覧になりたい場合は、こちらを御参照ください。
インターネットを利用した支出が年々増加
総世帯のうち世帯主が高齢者の世帯について、インターネットを利用して購入した商品・サービスへの1世帯当たりの支出総額の推移をみると、平成14年は5,748円でしたが、24年は19,884円と、10年間で3.5倍に増加しており、若い世代の利用が多いと思われがちなインターネットショッピングの利用ですが、高齢者の利用も増えていることがうかがえます。(図13)
◆「家計消費状況調査」の詳しい結果を御覧になりたい場合は、こちらを御参照ください。