ここから本文です。
IV 東日本大震災の高齢者の仕事への影響
震災により離職した高齢者の5割以上が現在被災3県在住者
高齢者のうち、調査時点(平成24年10月1日)で東日本大震災の直接の影響による仕事への影響があった(離職や休職を余儀なくされるなど仕事に何らかの影響を受けた)者は38万3千人で、被災3県(岩手県、宮城県及び福島県をいう。以下同じ。)在住者は10万2千人、その他の都道府県在住者は28万1千人となっています。
このうち、離職した者は2万人で、うち被災3県在住者は1万1千人、その他の都道府県在住者は9千人となっており、離職した者の5割以上が被災3県在住者となっています。
休職した者は13万5千人で、うち被災3県在住者は5万8千人、その他の都道府県在住者は7万7千人となっており、休職した者の4割以上が被災3県在住者となっています。(表4)
震災による高齢避難者の8割以上が現在被災3県在住者
震災による高齢避難者のうち、震災の直接の被害により離職した者の約8割は現在無業者
高齢者について、震災時の避難の有無の状況をみると、避難者(「現在も避難している者」及び「震災後に転居した者」の高齢者人口の合計)※数は7万6千人でした。 |
このうち被災3県在住者は6万4千人で、その他の都道府県在住者は1万2千人となっており、避難者の8割以上が被災3県在住者となっています。
この避難者について震災による仕事への影響の有無をみると、仕事への影響があった者は1万7千人、うち離職した者は7千人となっており、離職した者の現在の就業状態をみると、有業者は1千人(避難者のうち離職した者に占める割合18.6%)、無業者は6千人(同81.4%)となっています。
これを被災3県についてみると、離職した者で現在有業者は21.6%、無業者は78.4%、その他の都道府県では、有業者は10.5%、無業者は89.5%となっており、被災地を離れて他の都道府県に避難せざるを得なかった人たちのほうが、自県内に避難した人たちよりも、その後再び仕事に就くのが難しいという状況が見てとれます。(表5)
※)「震災により避難した者」には、「現在も避難している者」、「震災後に転居した者」のほかに「震災前の住居に戻った者」がいる。
◆「就業構造基本調査」の詳しい結果を御覧になりたい場合は、こちらを御参照ください。