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平成25年8月16日
総務省
統計トピックスNo.71
都道府県の就業構造 −平成24年就業構造基本調査の結果から−
今回の統計トピックスは,平成24年に実施した就業構造基本調査の結果から,都道府県の就業構造(有業者,雇用者,無業者)について,前回調査(平成19年)との比較を御紹介します。PDF版はこちら(PDF:248KB)
平成19年(2007年)10月1日:平成19年就業構造基本調査実施
20年(2008年)9月:リーマンショック
(その後の世界経済の低迷)
23年(2011年)3月:東日本大震災
24年(2012年)10月1日:平成24年就業構造基本調査実施
1 有業者
有業者は,東京都及び沖縄県を除く45道府県で減少
15〜64歳は,東京都及び沖縄県を除く45道府県で減少
65歳以上は,岩手県,鹿児島県,愛媛県などの8県を除く39都道府県で増加
平成24年10月1日現在の有業者を都道府県別にみると,5年前の平成19年と比べ,東京都(18万人増)及び沖縄県(1万7千人増)を除く45道府県で減少しています。
これを年齢階級別にみると,15〜64歳では,東京都(15万4千人増)及び沖縄県(1万9千人増)を除く45道府県で減少している一方,65歳以上は高齢化の影響もあり,岩手県(1万人減),鹿児島県(7千人減),愛媛県(6千人減)などの8県を除く39都道府県で増加しています。(表1,2)
多くの道府県で有業者が減少した原因としては,景気の低迷を始めとする複数の要因が考えられますが,一つの要因として,15〜64歳の生産年齢人口が減少した一方,65歳以上人口が増加したという人口構造の変化の影響も考えられます。
表1 都道府県別有業者数及び無業者数−平成19年,24年(エクセル:42KB)
表2 都道府県別有業者数(15〜64歳,65歳以上)−平成19年,24年(エクセル:41KB)
2 雇用者
「雇用者(役員を除く)」は,東京都,大阪府などの大都市圏及び沖縄県などを除く31道府県で減少
「正規の職員・従業員」は,東京都,千葉県などを除く43道府県で減少
「非正規の職員・従業員」は,東京都,神奈川県,大阪府など44都道府県で増加
有業者のうち「雇用者(役員を除く)」についてみると,平成19年と比べ,東京都(38万6千人増),大阪府(9万7千人増),千葉県(6万9千人増),神奈川県(4万8千人増)などの大都市圏及び沖縄県(2万5千人増)などを除く31道府県で減少しています。
このうち,「正規の職員・従業員」についてみると,東京都(19万9千人増),千葉県(4千人増),滋賀県(3千人増)及び熊本県(1千人増)を除く43道府県で減少している一方,「非正規の職員・従業員」は,東京都(19万3千人増),神奈川県(14万7千人増),大阪府(13万5千人増)など44都道府県で増加しています。
「雇用者(役員を除く)」に占める「非正規の職員・従業員」の割合は,全ての都道府県で上昇しています。(表3)
表3 都道府県別雇用者(役員を除く)数−平成19年,24年(エクセル:42KB)
3 無業者
無業者は,東京都,神奈川県,愛知県など42都道府県で増加
15〜64歳は,東京都,長野県などを除く43道府県で減少
65歳以上は,全ての都道府県で増加
就業希望者比率及び求職者比率は沖縄県が最も高い
無業者は,平成19年と比べ,東京都(29万3千人増),神奈川県(25万人増),愛知県(20万9千人増)など42都道府県で増加しています。
年齢階級別にみると,15〜64歳では,東京都(1万6千人増),長野県(8千人増),福島県(6千人増)などを除く43道府県で減少している一方,65歳以上では,高齢化の影響もあり,全ての都道府県で増加しています。(表4)
表4 都道府県別無業者数(15〜64歳,65歳以上)−平成19年,24年(エクセル:39KB)
就業希望者比率(無業者に占める就業希望者の割合)をみると,沖縄県(29.4%)が最も高く,次いで東京都(28.9%),神奈川県(27.7%),京都府,大阪府,埼玉県(いずれも26.2%)などの順となっています。
求職者比率(無業者に占める求職者の割合)をみると,沖縄県(15.1%)が最も高く,次いで東京都(11.8%),大阪府,福岡県(共に11.7%),神奈川県(11.4%)などの順となっています。(表5,図1,2)
表5 都道府県別就業希望者数及び求職者数−平成24年(エクセル:35KB)
図1 都道府県別就業希望者比率−平成24年
図2 都道府県別求職者比率−平成24年
就業構造基本調査とは
就業構造基本調査は,就業・不就業の実態を種々の観点から捉え,我が国の就業構造を全国だけでなく,地域別にも詳細に明らかにし,国や都道府県における雇用政策,経済政策などの各種行政施策立案の基礎資料を得ることや学術研究のための利用に資することなどを目的に,昭和31年(1956年)の第1回調査以来ほぼ3年ごとに,57年(1982年)以降は5年ごとに実施している調査です。
平成24年(2012年)就業構造基本調査は,全国の世帯から無作為に選定した約47万世帯に居住する15歳以上の世帯員約100万人を対象に,平成24年10月1日現在で実施し,調査結果については,平成25年7月12日に公表しました。
用語の解説
就業状態の捉え方国勢調査や労働力調査が月末1週間の就業・不就業の状態を把握しているのに対し,就業構造基本調査では,ふだんの就業・不就業の状態を把握しています。
有業者
ふだん収入を得ることを目的として仕事をしており,調査日(平成24年10月1日)以降もしていくことになっている者及び仕事は持っているが現在は休んでいる者
なお,家族が自家営業(個人経営の商店,工場や農家など)に従事した場合は,その家族が無給であっても,自家の収入を得る目的で仕事をしたことになります。
また,仕事があったりなかったりする人や,忙しい時だけ実家を手伝う人などで,「ふだんの就業状態」がはっきり決められない場合は,おおむね,1年間に30日以上仕事をしている場合を,有業者としました。
無業者
ふだん仕事をしていない者,すなわち,ふだん全く仕事をしていない者及び臨時的にしか仕事をしていない者
<お問い合わせ先>
総務省統計局統計調査部労働力人口統計室 企画指導第二係
Tel: 03-5273-1190
Fax: 03-5273-1184
E-mail: l-kikaku2@soumu.go.jp