応援メッセージ 文化経済学会は,経済学的な視点から文化に関する研究を行うための学会です。しかし文化というのは抽象的な側面もあり,それを客観的にとらえるために欠かせないのが,統計データによる文化的活動の把握です。 社会生活基本調査では,趣味・娯楽の中に,音楽鑑賞,美術鑑賞,舞台鑑賞などといった様々な文化的活動が含まれます。これらのデータを利用して,文化経済学会では,趣味・娯楽(文化的活動)への参加状況や生活時間に関して様々な角度から研究が行われています。 たとえば,文化的活動と性別,年齢,収入,家族構成,教育などとの関連をみることによって,女性の方が男性よりも文化的活動への参加が多い,20代・30代では参加が低く,50代・60代での参加が高くなること,等々がわかります。 このような結果は,文化政策の基礎資料にもなるはずです。趣味・娯楽の生活行動・生活時間のデータに関しては,文化経済学会の会員の利用は非常に多く,最新の調査結果を待ち遠しく思っております。 特に今回の平成18年の社会生活基本調査では,前回(平成13年)では調査されなかった「CD・テープ・レコードなどによる音楽鑑賞」,「DVD・ビデオ等による映画鑑賞」,「コーラス・声楽」,「邦舞・おどり」,「洋舞・社交ダンス」,「書道」,「絵画・彫刻の制作」,「陶芸・工芸」,「写真の撮影・プリント」,「詩・和歌・俳句・小説などの創作」などの文化的活動が調査種目として復活しました。これらは平成13年調査以前には調査されていた種目なので,今回の調査によって時系列的な比較を確保することができます。 またこうした種目について最新のデータが得られることは,鑑賞活動の多様化や少子化・高齢化などに対応して,国民の文化的活動への関わりの現状がどのようになっているのかを把握する上で,あるいはスポーツなど他の余暇活動との関連をみる上でも,非常に有意義であります。 社会生活基本調査の二本柱は生活時間と生活行動で,いずれも重要な情報ですが,特に趣味・娯楽やスポーツでも調査種目がこのように一部復活したこともあって,今回の調査にはとても期待しています。 調査に関わる皆様のご協力を,統計の利用者の立場からも,是非お願いしたいと思っております。
社会生活基本調査を応援します!
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