ホーム > 統計データ > 日本統計年鑑 > 第15章 貿易・国際収支・国際協力 > 解説
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この章は,輸出・輸入,対内・対外投資,国際収支及び国際協力で構成されている。
輸出・輸入には,輸出入金額・数量及び貿易指数に関する統計を掲載している。資料源は,公益財団法人日本関税協会「外国貿易概況」である。
対内・対外投資には,外資導入及び対外投資に関する統計を掲載している。主な資料源は,財務省及び日本銀行ホームページで公表された日本銀行が作成している統計である。
国際収支には,外国為替相場,国際収支,外貨準備高及び対外資産負債残高に関する統計を掲載している。資料源は,日本銀行「日本銀行統計」,「金融経済統計月報」,「国際収支統計季報」,「国際収支統計」及び財務省「対外の貸借と国際収支」,「外貨準備等の状況」である。
国際協力には,経済協力及び国際文化交流に関する統計を掲載している。資料源は,外務省「政府開発援助白書(ODA)」及び独立行政法人国際交流基金ホームページで公表された資料である。なお,受入留学生については「第22章 教育」も参照のこと。
関係資料については,「付1 統計資料案内」を参照のこと。
貿易統計は,明治2年に開始された「各開港場輸出入物品高」が4年に大蔵省(現財務省)に移管されたのに始まり,輸出及び輸入される貨物が税関を通関する際,輸出入者から提出される輸出申告書,積戻し申告書,輸入申告書,蔵入承認申請書,移入承認申請書等に基づいて毎月作成されており,通関統計とも呼ばれている。なお,20万円以下の少額貨物,見本品,密輸入品,贈与品及び寄贈品,船(機)用品,旅客用品,興業用品,駐留軍・国連軍関係貨物等及び見本市等への出品貨物,反復使用のコンテナー類は,統計計上除外貨物として取り扱っている。
計上時点は,輸出は積載船舶又は航空機の出港の日,輸入は輸入許可又は承認の日で,価額は,輸出は本船渡し(FOB)価格,輸入は運賃・保険料込み(CIF)価格である。また,国別分類は,輸出は仕向国(地)により,輸入は原産国(地)によるが,原産国(地)が不明の場合は積出国(地)によっている。なお,本邦通貨への換算は,週ごとに税関長が公示する相場(輸出入申告日の属する週の前々週における実勢外国為替相場の週間平均値)による。
前述の貿易統計を指数化したもので,金額指数,価格指数,数量指数及び価格指数を用いた交易条件指数で構成されており,財務省において毎月作成されている。現行指数の基準時は平成17年である。指数の算出方法は,金額指数が基準時の輸出総額を100とする単純指数であり,価格指数はフィッシャー式が採用されている。また,数量指数は,金額指数を価格指数で除して算出されている。なお,輸出入物価指数は「第17章 物価・地価」を参照のこと。
我が国の外国為替管理は,「外国為替及び外国貿易法」(以下「外為法」という)及び外資に関する法律(以下「外資法」という)を基本法令とし,対外取引を原則として禁止し,これを政・省令等で解除する法形式の基に,許認可制がとられてきた。我が国経済の発展,国際化促進に伴い,為替管理及び規制は逐次緩和されてはきたものの,この原則禁止の法形式に変更はなかった。しかし,その後,昭和55年の改正において,外資法が廃止されて外為法に一本化されるとともに,対外取引を原則自由とする法体系に改められ,平成10年の改正では,事前の許可・届出制度を原則として廃止するとともに,自由で迅速な内外取引が行えるよう,対外取引環境の整備が図られた。
外資導入は外国資本の導入(資本を供給する海外投資家から見れば我が国への投資)であり,対外投資は我が国居住者による海外への投資である。投資は,その形態によって直接投資と間接投資に大別される。直接投資は,経営に参加することを目的とした株式取得,資本貸付あるいは子会社や支店の設立などである。これに対し,間接投資は,値上がり益又は利回り採算を目的とした証券投資で,証券市場を経由して行われるものである。外資導入及び対外投資は,財務省において取りまとめられている。なお,これまで財務省で公表されてきた「対外及び対内直接投資状況」及び「対内及び対外証券投資等の状況」は廃止され,平成17年1月の取引計上分から国際収支統計に統合された。
対外資産負債残高は,一定時点における我が国の対外的な債権債務の残高を記録したもので,財務大臣の委任により日本銀行が毎年末現在で作成している。国際収支が一定期間の対外取引をフローの面から捉えたものであるのに対し,対外資産負債残高はフローの結果としてのストックの面から捉えたものである。対外資産負債残高は,国際収支(フロー統計)の積み上げをベースに所要の調整を加えて作成されている。
外国為替相場とは,ある国の通貨と他国の通貨との交換比率のことである。我が国の場合,基準外国為替相場は財務大臣が定めることとなっているが,昭和48年の変動相場制移行後,基準相場と実勢相場とが大きくかい離する結果となったため,52年12月,基準外国為替相場は,半年ごとの実勢相場平均値として,年2回改定されることとなり,平成22年1月適用分からは,当該月の前々月の実勢相場の平均値として毎月公示されることとなった。これに対し,共通の通貨に対する為替相場から,二つの通貨の為替相場を計算した裁定相場がある。
インターバンク相場は,外国為替公認銀行間で取引する相場で,銀行間相場あるいは市場相場ともいう。これに対し,対顧客相場は,銀行が一般顧客との取引に適用する相場で,銀行側から見て顧客に売る場合の相場を売相場,買う場合の相場を買相場という。
国際収支統計は,一定期間における我が国のあらゆる対外経済取引を,複式簿記の原則に従って体系的に記録したもので,日本銀行が財務大臣の委任を受け,国際通貨基金(IMF)が国際収支マニュアルに定めた方式により計上している。対外経済取引とは,居住者と非居住者との間の財貨・サービス・所得の取引や,対外資産・負債の増減に関する取引,移転取引をいい,その取引が有償,無償あるいは外貨決済,円貨決済であるかのいかんを問わない。昭和41年から外国為替統計に代わってIMF方式の国際収支統計が作成され始めたが,その後の経済環境の大きな変化に伴い,国際経済取引の実態を十分に反映できなくなった。このため,IMFによる国際収支マニュアル第5版の改訂を受けて,IMF方式が採用されて以来30年振りに平成8年1月分統計から大幅改定された。改定後の国際収支の主要項目は,貿易収支,サービス収支,所得収支,経常移転収支から成る経常収支と,投資収支,その他資本収支から成る資本収支である。
貿易収支 居住者・非居住者間で財貨の所有権が移転した取引をFOB価格で計上する。計上データは,一般商品,加工用財貨,財貨の修理,輸送手段の港湾調達財貨及び非貨幣用金が対象となる。
サービス収支 「輸送」,「旅行」,「その他サービス」の授受を計上する。
所得収支 居住者・非居住者間の「雇用者報酬」,「投資収益」の受取・支払を計上する。雇用者報酬には,非居住者労働者に対する報酬の支払と,居住者労働者が外国で稼得した報酬の受取を計上し,投資収益には,居住者・非居住者間における対外金融資産・負債に係る利子,配当金等の受取及び支払を計上する。
経常移転収支 「移転収支」とは,実物資産(財貨・サービス)あるいは金融資産などの無償取引(経済的価値の一方的な受払)を国際収支表に複式計上方式で記録するための見合い項目である。移転収支は,相手国の経常支出となる「経常移転」と資本形成に貢献する「資本移転」に区分され,前者が経常収支に,後者が資本収支にそれぞれ分類される。
経常移転は,資本移転以外の全ての移転を計上し,個人又は政府間の無償資金援助,国際機関への拠出金等を計上する。
「投資収支」及び「その他資本収支」に大別される。国際収支統計の基本的な原則に従い,取引を反映しない評価増減(例えば,為替相場や価格変動を反映した資産の評価の増減で,所有権の移転を伴わないもの)は資本収支から除外される。
投資収支 「直接投資」,「証券投資」,「金融派生商品」及び「その他投資」から構成される。直接投資は,直接投資家・直接投資企業間の全ての取引(投資)を計上する。株式取得,再投資収益,資金貸借が含まれる。
証券投資は,株式やその他の負債性証券(「直接投資」,「外貨準備増減」に含まれるものを除く)を計上する。
金融派生商品には,オプション取引,先物及び先渡取引,ワラント,通貨スワップの元本交換差額等を計上する。
その他資本収支 資本移転及びその他資産を計上する。資本移転は,<1>固定資産の取得または処分に係る資金の移転,<2>固定資産の所有権の移転,<3>債権者による債務免除を計上する。その他資産は,非生産非金融資産を計上し,財貨・サービスの生産に用いられる無形非生産物資産(特許権,著作権,商標権,販売権等及びリースや譲渡可能な契約)の取得・処分及び大使館あるいは国際機関による土地の取得・処分を含む。
外貨準備高とは,一国の通貨当局が対外的支払に充てるための準備として保有している外貨資産(流動性のある対外資産)をいう。我が国の場合,財務省によって毎月公表されており,外貨資産は,金,外貨,IMFのリザーブポジション及びIMF特別引出権(SDR)からなっている。外貨準備の増減は,国際収支上,金融勘定公的部門の重要な部分を占めている。
外務省が取りまとめている「政府開発援助白書(ODA)」による。開発途上国に対する経済協力については,経済協力開発機構(OECD)の下部機構である加盟23か国及び欧州連合(EU)から成る開発援助委員会(DAC)において,情報や意見の交換及び政策の調整を行うこととしている。その資金の流れは,政府開発援助,その他政府資金及び民間資金に分類して把握されている。
ODAとは<1>政府ないし政府関係機関によって実施され,<2>開発途上国の経済・社会の発展や福祉の向上を目的として供与される,<3>グラント・エレメント(G.E.,援助条件の緩やかさを示す指標)が25パーセント以上のものをいう。ODAは,資金の流れから二国間援助と多国間援助に分けられる。二国間援助は形態別には贈与と有償資金協力(円借款)があり,このうち贈与は更に無償資金協力と技術協力に分類される。多国間援助は,国際機関を通じて支援する出資・拠出等である。
政府開発援助以外の政府資金で,輸出促進を目的としたもの,国際復興開発銀行(世界銀行)が市場で発行する証券取引等が計上される。
民間人による取引をいい,その中心は輸出信用及び直接投資である。輸出信用は,我が国の輸出業者が開発途上国の輸入業者に対して購入代金の繰延べを許容するものである。
国際交流基金は,我が国に対する諸外国の理解を深め,国際相互理解を増進するとともに,国際友好親善を促進するため,昭和47年に外務省所管の特殊法人として設立され,平成15年に独立行政法人化している。基金は,自ら文化交流事業を行う事業団体であると同時に,一部分野については他団体及び機関に対して資金援助を行うことが認められている。