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タイプ(型)を特徴付ける主な10大費目は,「住居」,「光熱・水道」及び「教育」
これまでの,レーダーチャートを使用した観察結果から,物価構造の型を特徴付けている主な費目は,住居,教育及び光熱・水道であることがうかがえます。 このことは,デンドログラムを利用すると理解しやすくなります。デンドログラムは,各都道府県がクラスターにまとめられていくさまを樹形図の形で表したものをいいますが, 図3は,デンドログラムの各分岐点に番号を付与したものです。
図3 デンドログラム(分岐点に番号を付与)
観察結果を基に,各分岐点において,分岐要因として主に寄与している費目を整理すると,以下のようになります。
- 住居が主な分岐要因となっている分岐点・・・・・・・・1,2
- 教育が主な分岐要因となっている分岐点・・・・・・・・3,5
- 光熱・水道が主な分岐要因となっている分岐点・・・4
注) 残りの2点では,被服及び履物が主な分岐要因
この結果を基に図3を見ると,都道府県の分類は,おおむね,住居による分類,教育による分類,光熱・水道による分類という階層に分かれていることが分かります。
次の表に,都道府県別指数から作成した10大費目ごとの変動係数(※)をまとめました。変動係数とは,値の都道府県間でのばらつきの大きさを表す指標の一つです。
表 10大費目別指数の変動係数
食料 | 住居 | 光熱・水道 | 家具・ 家事用品 |
被服及び 履物 |
保健医療 | 交通・通信 | 教育 | 教養娯楽 | 諸雑費 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
変動係数 | 2.03 | 9.53 | 4.76 | 2.63 | 3.91 | 1.20 | 1.47 | 8.36 | 2.87 | 2.33 |
この表より,住居の変動係数が一番大きく,次いで教育,光熱・水道などとなっていることが見て取れ, 先のデンドログラムの分岐における費目の階層と整合的であることが分かります。 このことから,物価構造の型を特徴付けている費目は,物価の都道府県間でのばらつきが大きいもの (住居,教育,光熱・水道)である一方で,一般世帯において,消費支出に占める割合が高い食料は, 物価構造の型の特徴付けには寄与していないといえます。
※) 本トピックスにおける変動係数は,都道府県別指数の標準偏差を,都道府県別指数の単純平均で除して算出しました。