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個人企業営業状況調査 結果の概要- 平成13年3月調査 -
文中において特に断り書きのない場合は,調査産業計(「製造業」,「卸売・小売業,飲食店」及び「サービス業」の合計)の結果を示す。
1 売上高(実績)
売上高が「減った」とする企業の割合は再び上昇
○ 平成13年1月〜3月期の売上高が前年に比べて「増えた」(「非常に増えた」と「増えた」の計。以下同じ。)とする企業の割合は5.6%,「減った」(「非常に減った」と「減った」の計。以下同じ。)とする企業の割合は68.8%,「変わらない」とする企業の割合は25.6%となっている。これを前年と比べると,「増えた」とする企業の割合は0.4ポイントの低下,「減った」とする企業の割合は3.3ポイントの上昇となっている。
ここ数年の動きをみると,「増えた」とする企業の割合は,平成9年の8.2%から10年は4.7%と低下し,調査開始(昭和43年)以来最も低い水準となった。その後,平成11年が5.6%,12年が6.0%と上昇したが,13年は5.6%と再び低下している。
一方,「減った」とする企業の割合は,平成9年の55.6%から10年は68.6%,11年は69.8%と上昇し,調査開始(昭和43年)以来最も高い割合となった。その後,平成12年は65.5%と低下したが,13年は68.8%と再び上昇し,11年に次いで高い割合となっている。(図1,表1)
2 売上高の見通し(今後1年間)
売上高は「減る」と予測する企業の割合は再び上昇
○ 今後1年間の売上高の見通しをみると,前年より「増える」と予測する企業の割合は2.8%,「減る」と予測する企業の割合は52.0%,「変わらない」と予測する企業の割合は21.7%,「わからない」とする企業の割合は23.6%となっている。これを前年と比べると,「増える」と予測する企業の割合は0.6ポイントの低下,「減る」と予測する企業の割合は2.9ポイントの上昇となっている。
ここ数年の動きをみると,「増える」と予測する企業の割合は,平成9年の3.7%から10年は2.4%と低下したが,11年が3.2%,12年が3.4%と上昇した後,13年は2.8%と再び低下している。
一方,「減る」と予測する企業の割合は,平成9年の42.2%から10年は53.3%と上昇した後,11年が50.3%,12年が49.1%と低下し,3年ぶりに5割を下回ったが,13年は52.0%と再び上昇している。(図2,表2)
3 営業利益の実績
営業利益が「減った」とする企業の割合は再び上昇
○ 平成13年1月〜3月期の営業利益が前年に比べて「増えた」(「非常に増えた」と「増えた」の計。以下同じ。)とする企業の割合は5.1%,「減った」(「非常に減った」と「減った」の計。以下同じ。)とする企業の割合は69.5%,「変わらない」とする企業の割合は25.4%となっている。これを前年と比べると,「増えた」とする企業の割合は0.1ポイントの低下,「減った」とする企業の割合は3.1ポイントの上昇となっている。
ここ数年の動きをみると,「増えた」とする企業の割合は,平成9年の7.0%から10年は3.8%と低下し,調査開始(昭和49年に調査事項設定)以来最も低い水準となった。その後,平成11年が4.4%,12年が5.2%と上昇したが,13年は5.1%とわずかに低下している。
一方,「減った」とする企業の割合は,平成9年の57.4%から10年は68.6%と上昇した後,11年が70.6%と更に上昇し,調査開始(昭和49年に調査事項設定)以来最も高い割合となった。その後,平成12年は66.4%と低下したが,13年は69.5%と再び上昇し,11年に次いで高い割合となっている。(図3,表3)
4 資金繰り
資金繰りが「苦しくなった」とする企業の割合は再び上昇
○ 平成13年1月〜3月期の資金繰りが前年に比べて「楽になった」とする企業の割合は2.3%,「苦しくなった」とする企業の割合は52.9%,「変わらない」とする企業の割合は44.8%となっている。これを前年と比べると,「楽になった」とする企業の割合は0.2ポイントの低下,「苦しくなった」とする企業の割合は4.3ポイントの上昇となっている。
ここ数年の動きをみると,「楽になった」とする企業の割合は,平成9年の3.1%から10年は1.6%と低下した後,11年は2.3%,12年は2.5%と続けて上昇したが,13年は2.3%と低下している。
一方,「苦しくなった」とする企業の割合は,平成9年の39.5%から10年は48.7%,11年が51.7%と上昇した後,12年が48.6%と低下し,13年は52.9%と再び上昇している。(図4,表4)
5 設備投資の実績
「設備投資をした」とする企業の割合は再び低下
○ 過去1年間(平成12年4月〜13年3月)の設備投資の実績をみると,「設備投資をした」とする企業の割合は14.3%,「設備投資をしなかった」とする企業の割合は85.7%となっている。
ここ数年の動きをみると,「設備投資をした」とする企業の割合は,平成6年以降低下傾向にあり,9年が17.7%,10年が17.6%,11年が14.2%と低下し,12年は14.6%とわずかに上昇したが,13年は14.3%と再び低下している。(図5,表5)
6 事業経営上の問題点
「受注減,売行き不振又は顧客の減少」,「競争の激化」を懸念する企業の割合が依然として高い
○ 事業経営上の問題点として設定している10項目について「困っている」とする企業の割合が高い主な項目は,「受注減,売行き不振又は顧客の減少」が80.4%,同業者,スーパー等の進出による「競争の激化」が63.0%,「製品ニーズ,消費者又は利用者のニーズの変化」が53.1%となっている。(表6)
○ 前年と比べて上昇した主な項目は,「製品安又は得意先からの値引き要請」の2.9ポイント,「資金繰りの悪化」の2.7ポイント,「受注減,売行き不振又は顧客の減少」の2.2ポイント,「競争の激化」の2.1ポイント,「製品ニーズ,消費者又は利用者のニーズの変化」の1.4ポイントとなっている。
一方,低下した主な項目は,「後継者難」の1.7ポイントとなっている。(表7)
○ 「困っている」とする企業の割合について近年の推移をみると,「製品ニーズ,消費者又は利用者のニーズの変化」,「競争の激化」,「製品安又は得意先からの値引き要請」等は上昇傾向にあり,「従業員の確保難・人材不足」は低下傾向にある。(図6)
7 今後の経営方針
「事業に対して消極的」な企業の割合が調査開始以来最も高い
○ 今後の経営方針についてみると,事業の多角経営化や専門化など「事業に対して積極的」な企業の割合は16.0%,「現状のままでよい」とする企業の割合は58.8%,事業を縮小したいなど「事業に対して消極的」な企業の割合は24.4%となっている。
これを前年と比べると,「事業に対して積極的」な企業の割合は0.6ポイントの上昇,「現状のままでよい」とする企業の割合は2.3ポイントの低下,「事業に対して消極的」な企業の割合は1.3ポイントの上昇となっている。
ここ数年の動きをみると,「事業に対して積極的」な企業の割合は,平成9年が17.7%,10年が14.5%,11年が16.8%,12年が15.4%と推移し,13年は16.0%となっている。
一方,「事業に対して消極的」な企業の割合は,平成9年が19.8%,10年が21.9%と上昇した後,11年が19.5%と低下したものの,12年は23.1%と上昇し,13年は24.4%と調査開始(昭和53年に調査事項設定)以来最も高い割合となっている。 (図7,表8)
(注)
「事業に対して積極的」とは,「事業の拡大又は店舗の増設」,「事業の多角経営化」,「事業の専門化」又は「事業の共同化・協業化」を図りたいと回答した企業をいう。
「事業に対して消極的」とは,「事業を縮小したい」,「他の事業に変わりたい」,「廃業したい」と回答した企業をいう。