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家計調査平成14年平均結果の概況(詳細編)I-1.(1)
I 家計収支の概要
1.全世帯の家計
(1)消費支出は10年ぶりの実質増加
平成14年の全国・全世帯(平均世帯人員3.19人,世帯主の平均年齢53.7歳)の消費支出は,1世帯当たり1か月平均306,129円で,前年に比べ名目0.8%の減少となった。また,消費者物価が下落(-1.1%)したことから,実質では0.3%の増加となり,平成4年以来10年ぶりの実質増加となった。
また,世帯人員1人当たりの消費支出は,1か月平均95,965円で,前年に比べ名目0.1%の増加,実質1.2%の増加となり,2年ぶりの実質増加となった。
最近の動きをみると,平成10年に前年末の金融システム不安の影響による消費マインドの悪化や所得の減少がみられ,実質2.2%の減少と2%を上回る減少となり,1人当たりでも実質1.3%の減少と1%を上回る減少となった。平成11年も賞与の減少などにより引き続き所得が減少したことなどから,実質1.2%の減少,1人当たりでも実質0.9%の減少となった。平成12年は,実質0.9%の減少となったものの,1人当たりでは実質0.9%の増加と4年ぶりの増加となったが,13年は,賞与の減少が続いたほか,世帯主の定期収入も減少したことなどにより,実質1.8%の減少,1人当たりでも実質1.2%の減少となった。平成14年は,引き続き収入の減少が続いたものの,景気が回復の兆しをみせたことから前半は消費マインドが改善したことなどにより,実質0.3%の増加,1人当たりでも実質1.2%の増加となった(図1,2,表1)。
表1 世帯の種類別消費支出の対前年(同期)増加率(全国)(エクセル:35KB)
平成14年の動きを四半期別にみると,1〜3月期は,前年が特定家庭用機器再商品化法(以下「家電リサイクル法」という。)施行前の駆け込み需要により消費の水準が高かったこともあり実質1.3%の減少となったが,4〜6月期は,食料などへの支出が堅調に推移したことや消費マインドの改善がみられたことから実質1.1%の増加となった。7〜9月期も通信費,リフォーム,教養娯楽サービスなどのサービスへの支出が増加したことにより,実質2.2%の増加となったが,10〜12月期は,年末賞与の減少により実収入が減少したことから,洋服などの半耐久財などへの支出が減少したことなどにより実質1.0%の減少となった(図3,表1)。