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第30章 環境 解説

 環境問題への関心が高まってきたのは,1970年代以降のことである。高度成長期といわれた時代,急激な産業構造の変化が,従来の日常生活には存在しなかった甚大なマイナスの影響ももたらしていたことが広く認識され始めた。当初,主に問題とされたのは大気汚染,水質汚濁など直接健康被害につながりやすい環境汚染であったが,最近は地球温暖化,酸性雨など長期的視野においての環境破壊が大きな問題になっている。
 「環境」という言葉は,広義には自然環境のみならず,教育・文化等の人的側面など社会環境を含めて用いられるが,この章では自然環境を枠組みとして,主に典型7公害の概況,廃棄物処理,そして地球環境破壊に対象を絞って統計表を収録した。
 なお,「第12章 運輸」の自動車の保有台数,交通量や「第26章 文化・レジャー」の自然公園数なども環境に関連の深い統計といえる。

環境基準等

1 環境基準

 環境基準とは,環境基本法(平成5年法律第91号)第16条による,環境上の条件につき人の健康を保護し及び生活環境(同法第2条第3項で規定するもの)を保全する上で維持することが望ましい基準である。大気及び水質に関する表に環境基準達成率のデータが収録されているが,その具体的な基準は以下のとおりである。

(1)大気汚染に係る環境基準

大気汚染に係る環境基準

備考

(ア) 環境基準は,工業専用地域,車道その他一般公衆が通常生活していない地域又は場所については,適用しない。
(イ) 浮遊粒子状物質とは大気中に浮遊する粒子状物質であってその粒径が 10μm以下のものをいう。
(ウ) 二酸化窒素について,1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内にある地域にあっては,原則としてこのゾーン内において現状程度の水準を維持し,又はこれを大きく上回ることとならないよう努めるものとする。
(エ) 光化学オキシダントとは,オゾン,パーオキシアセチルナイトレートその他の光化学反応により生成される酸化性物質(中性ヨウ化カリウム溶液からヨウ素を遊離するものに限り,二酸化窒素を除く。)をいう。

(2)水質汚濁に係る環境基準

  生物化学的酸素要求量(BOD),化学的酸素要求量(COD)についてのみ掲載した。

ア 河川

河川の環境基準

イ 湖沼

 天然湖沼及び貯水量が1,000万立方メートル以上であり,かつ,水の滞留時間が4日間以上である人工湖

湖沼の環境基準

備考

(ア)自然環境保全 ・・・ 自然探勝等の環境保全
(イ)水道1級 ・・・ ろ過等による簡易な浄水操作を行うもの
   水道2級 ・・・ 沈殿ろ過等による通常の浄水操作を行うもの
   水道3級 ・・・ 前処理等を伴う高度の浄水操作を行うもの
(ウ)水産1級 ・・・ ヤマメ,イワナ等貧腐水性水域の水産生物用並びに水産2級及び水産3級の水産生物用
   水産2級 ・・・ サケ科魚類及びアユ等貧腐水性水域の水産生物用及び水産3級の水産生物用
   水産3級 ・・・ コイ,フナ等,β-中腐水性水域の水産生物用
(エ)工業用水1級 ・・・ 沈殿等による通常の浄水操作を行うもの
   工業用水2級 ・・・ 薬品注入等による高度の浄水操作を行うもの
   工業用水3級 ・・・ 特殊の浄水操作を行うもの
(オ)環境保全 ・・・ 国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む)において不快感を生じない限度

ウ 海域

海域の環境基準

備考

(ア)自然環境保全 ・・・ 自然探勝等の環境保全
(イ)水産1級 ・・・ マダイ,ブリ,ワカメ等の水産生物用及び水産2級の水産生物用
   水産2級 ・・・ ボラ,ノリ等の水産生物用
(ウ)環境保全 ・・・ 国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む)において不快感を生じない限度

2 大気汚染防止法

 大気汚染防止法は,工場等からのばい煙の排出等を規制し,自動車排出ガスの許容限度を定めること等により大気の汚染を防止するため,「ばい煙の排出の規制等に関する法律」を廃止して昭和43年(1968)6月に成立した。「一般環境大気測定局」はこの法律の22条に基づき,環境大気の汚染状況を常時監視する測定局であり,「自動車排出ガス測定局」は同じく20条及び22条に基づき,自動車排気ガスによる環境大気の汚染状況を常時監視する測定局である。

3 酸性雨

 一般に酸性雨とはpH(水素イオン濃度指数)5.6以下の雨をいう。酸性雨の原因としては,化石燃料などの燃焼で生じる二酸化硫黄や窒素酸化物などが,気相中で酸化されて硫酸や硝酸になり,雲や雨に吸収されて地上に降下することによる。
 酸性雨の被害としては,湖沼や河川の陸水の酸性化による魚類等の影響,土壌の酸性化による森林への影響,建造物や文化的遺産の腐食などの影響も考えられ,これらの衰退や崩壊を助長するという懸念が持たれている。実際に欧米では湖沼や森林などの生態系に深刻な被害が出ており,国境を越えた問題となっている。

調査

公害苦情調査

 昭和40年(1965)代は,いわゆる4大公害裁判(水俣病事件,イタイイタイ病事件,新潟水俣病事件及び四日市ぜんそく事件)に代表される深刻な健康被害を生じさせた公害問題が,大きな社会問題となっていた。こういった状況の中,昭和45年(1970)には行政の分野において適正にして実効性のある統一的な紛争処理制度を設ける必要がある,という中央公害対策審議会の意見が具申された。具体的内容は,まず地方公共団体の苦情処理体制の整備充実を図り,次に苦情処理によって解決できない紛争を処理するため,都道府県及び国にそれぞれ紛争処理機関を設けて和解の仲介,調停及び仲裁を行い,さらにその機関は紛争処理に関連して必要な施策の調整等を関係機関に要請することができるようにするべき,というものである。これに基づき,政府内で作業が進み,昭和45年(1970)には公害紛争処理法が制定された。さらに,昭和47年(1972)には裁定制度の採用と中央公害審査委員会の組織上の性格の改変が加えられ,公害等調整委員会設置法に基づき,土地利用調整等に関する不服の裁定を行っていた土地調整委員会と中央公害審査委員会を統合して,総理府(現内閣府)の外局として公害等調整委員会が設置された。
 その後,公害等調整委員会は,平成13年(2001)1月の中央省庁再編の一環として,総務省の外局として置かれることとなった。
 公害苦情調査は,この公害等調整委員会が公害紛争処理法第49条の2に基づき実施するもので,全国の地方公共団体の公害苦情相談窓口が受け付けた公害苦情(典型7公害以外の苦情を含む)の受付状況や処理状況を把握することにより,公害苦情の実態を明らかにし,公害対策等の基礎資料を提供するとともに,公害苦情処理事務の円滑な運営に資することを目的としている。以前は地方公共団体の公害苦情相談窓口が受け付け,又は処理した公害に関する苦情の件数について公害の種類,発生源の種類,被害の種類等の別に調査した「公害苦情件数調査」と,全国の地方公共団体の公害苦情相談窓口が各年度に受け付けた公害苦情の中から20分の1を無作為に抽出した苦情について,苦情ごとにその処理経過等を調査した「公害苦情処理状況調査」が行われていたが,平成6年度(1994)に一本化された。

一般廃棄物処理事業実態調査

1 実施機関

 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課

2 調査の目的

 一般廃棄物処理事業及び一般廃棄物処理施設に係る市町村及び一部事務組合における市町村ごとに一人1日当たりのごみの排出量,廃棄物単位当たりの事業費・職員数を求め,市町村等の人口規模,産業構造等の類型別に廃棄物の平均的実態を明らかにするとともに,今後の廃棄物処理行政の効率化の検討のための基礎資料を得る。

3 調査の構成及び方法等

 A−処理状況調査票,B−施設整備状況調査票

 A−処理状況調査票

  調査対象 地域:全国,単位:地方公共団体,属性:市町村及び廃棄物処理事業を行っている一部事務組合の全て
  調査方法 選定:全数,客体数:4,100,配布:郵送,取集:郵送,記入:自計
  周期・期日 周期:年,期日:平成12年1月
  調査事項 ・ 総括的事項
  市町村の概要,廃棄物処理の事業経費・従業職員数,委託・許可件数(事業組合分は除く),一般廃棄物処理業者等関係
・ ごみ処理関係
  計画処理区域の状況,処理概要,収集状況,処理状況,収集運搬機材
・ し尿関係
  計画処理区域の状況,処理概要,収集状況,処理状況,収集運搬機材
・ 施設関係
  ごみ処理施設,し尿処理施設,コミュニティプラント

 B−施設整備状況調査票

  調査対象 Aと同じ
  調査方法 Aと同じ
  周期・期日 Aと同じ
  調査事項 施設名称,処理実績,施設概要

産業廃棄物排出・処理状況調査

1 実施機関

 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課

2 調査の目的

 産業廃棄物の排出及び処理の状況を把握し,適正な廃棄物処理対策推進のための基礎資料とする。

3 調査の構成及び方法等

 A−実態状況調査票,B−産業廃棄物排出量調査票,C−産業廃棄物排出・処理状況調査票,D−特別管理産業廃棄物排出量調査票,E−特別管理産業廃棄物排出・処理状況調査票

 

 A−実態状況調査票

  調査対象 地域:全国,単位:地方公共団体,属性:都道府県
  調査方法 選定:全数,客体数:47,配布:郵送,取集:郵送,記入:自計
  周期・期日 周期:年,期日:毎年12月
  調査事項 各都道府県で実施した産業廃棄物調査の時期・方法・事業所数・カバー率,今後の調査予定

 B−産業廃棄物排出量調査票
 D−特別管理産業廃棄物排出量調査票

  調査対象 Aと同じ
  調査方法 Aと同じ
  周期・期日 Aと同じ
  調査事項 業種別廃棄物種類別の年間排出量

 C−産業廃棄物排出・処理状況調査票
 E−特別管理産業廃棄物排出・処理状況調査票

  調査対象 Aと同じ
  調査方法 Aと同じ
  周期・期日 Aと同じ
  調査事項 産業廃棄物の排出,中間処理,最終処分,再生利用状況

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