日本の統計の中核機関

  • ご意見・お問合せ
  • サイトマップ
  • 文字サイズ等の変更
  • English

ホーム > 統計データ > 日本の長期統計系列 > 目次 > 第29章 災害・事故 > 第29章 災害・事故 解説

ここから本文です。

第29章 災害・事故 解説

 この章では、我が国における自然災害及び交通事故等の事故に関する統計を収録している。

 なお,災害・事故に関するものとしては,この外,労働災害,公害があるが,労働災害については,「第19章 労働・賃金」に,公害については,「第30章 環境」にそれぞれ収録した。

災害

 自然災害に関しては,明治初期から被害状況等の統計がある。第2次世界大戦前では内務省調査であり,戦後では警察庁及び消防庁の統計が主なものとなっている。

 なお,警察庁及び消防庁共に,災害の状況に関して総合的な統計を取りまとめているが,自然災害の範囲,調査方法等の違いにより両者の統計には差がある。

内務省調査

 大蔵省は,明治5年(1872)の布達によって,各府県から毎年水害による被害状況の徴収を開始したが,治水行政の基礎資料としては不十分であった。明治7年(1974)に所管が内務省に移り,河川の流域ごとに水害の被害状況が把握できる様式を定め,災害発生の都度,報告を徴収した。さらに明治18年(1885)に内務省に土木局が設置されてからは,水害の外に潮害及び暴風雨による被害も調査するようになった。

災害発生の概況

1 実施機関

 警察庁警備局警備課

2 資料の概要

 戦後,警察庁警備局が各都道府県の警察を通じて災害の状況を把握し,「災害発生の概況」として取りまとめたもので,災害の種類(台風,大雨,高潮,地震等)別に被害の状況を明らかにしている。

自然災害の発生状況

1 実施機関

 消防庁 震災等応急室

2 資料の概要

 災害対策基本法に基づく都道府県等の報告により,自然災害の状況を取りまとめたものである。

「防災に関してとった措置の概況」(防災白書)

1 実施機関

 中央防災会議(事務局 内閣府防災担当政策統括官)

2 資料の概要

 この報告書は,中央防災会議が災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第9条第2項の規定に基づき,防災に関してとった措置の報告であり,事務局である内閣府防災担当政策統括官が取りまとめている。

 なお,災害対策基本法で定められた「災害」とは,暴風,豪雨,豪雪,洪水,高潮,地震,津波,噴火その他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因(放射性物質の大量の放出,多数の者の遭難を伴う船舶の沈没その他の大規模な事故)により生ずる被害をいう。

社会保障統計年報

1 実施機関

 国立社会保障・人口問題研究所

2 資料の概要

 社会保障に関する統計資料を幅広く集め,編集した資料集として,昭和33年(1958)以来社会保障制度審議会事務局において取りまとめられてきたものであるが,平成13年(2001)の省庁再編に伴って国立社会保障・人口問題研究所において取りまとめることとなった。

 この年報は,社会保障制度審議会の勧告に基づく社会保障制度を枠組みとして関連統計を取りまとめたもので,その中に,災害救助費に関する統計が収録されている。本章では,同統計を災害の枠組みの中で収録することとした。なお,同統計は厚生労働省社会・援護局調べによるものである。

農作物被害に関する調査

 農林水産統計調査年表によると,明治13年(1880)には大蔵省が各府県に対し,米麦等農作物収穫量と災害について毎年調査報告を命じており,27年(1894)には農商務統計報告規程を定め,従来の様式の報告の外に病虫害・風水害,漁船遭難臨時報告調査員制度の設置等を定めている。その後,農作物被害の報告や農事被害報告様式などの改定が行われた。

 さらに,大正14年(1925)「農林省訓令第8号農作物等の被害報告規程」によって農作物被害,農用地被害,漁船遭難,林野被害を調査しているが,その後,農業保険制度の制定に伴って農作物についての被害資料を整備するため,昭和5年(1930),新たに「農作物の被害調査に関する件通牒」による被害を加えた。昭和19年(1944)に大規模な改正が行われ,「農林省訓令第9号農林水産業被害報告規程」に基づいて地方長官の報告を取りまとめて「農林統計月報」によって公表した。

 昭和22年(1947)から作物統計(昭和25年(1950)から指定統計第37号)が実施された。この調査は,面積,作況,被害について行っている。

作物統計調査(指定統計第37号)のうちの農作物被害応急調査

1 実施機関

 農林水産省大臣官房統計部生産流通消費統計課

2 調査の目的

 農作物被害応急調査は,農作物の重大な被害災害等が発生した場合,天災融資法等の適用,共済再保険金の概算払い,その他災害対策の企画・立案・実施等の資料を速やかに作成することを目的とする。

3 調査対象

 農作物に被害が発生又はその可能性があると認められる区域内にある作物及びその栽培の用に供される土地とし,対象作物は全農作物である。

4 調査の方法

 調査対象に対する職員の巡回・見積り等による。なお,甚大な被害,長期に及ぶ被害など特異な場合は,被害見積りの基準とするための典型的な被害ほ場を被害応急調査筆として調査し,被害面積及び被害量を見積もる。

5 調査時期

 ほ場において栽培を開始してから収穫されるまでの期間に,農作物に甚大な被害が発生したとき。

6 調査事項

 災害等を受けた作物の災害の種類別の作付面積及び被害量

7 用語の説明

 被害面積 ・・・ 農作物に損傷を生じ,その被害が発生しなかったと仮定した場合に収穫されると見込まれる収量から減収した面積をいう。
 被害量 ・・・ 農作物の栽培が開始されてから,収穫されるまでの期間に,災害等によって損傷を生じ,その被害が発生しなかったと仮定した場合に収穫されると見込まれる収量から減収した量をいう。
 被害見込金額 ・・・ 被害量に各農産物の単価を乗じて算出したものである。

火災

火災に関する統計

 消防庁は,地方公共団体からの報告に基づいて火災の発生状況及びその損害に関する統計を取りまとめた「火災年報」と,同じく地方公共団体の消防組織が行った消防,防災活動に関する統計(消防防災現況調査)を取りまとめた「消防年報」を刊行している。

火災年報

1 実施機関

 消防庁防災課

2 資料の沿革

 火災に関する調査は,明治8年(1875)内務省通達によって月報表が作成されたが,調査項目はわずかであった。

 明治14年(1881)に内務省に警保局が設置され,報告様式も定められた。

 昭和22年(1947)に消防組織法第22条に基づいて,国家消防庁の定めた火災報告の様式により,市町村長が報告書を作成し,都道府県知事を通じて消防庁に報告されるようになり,火災に関する統計も建物だけでなく,林野,車両,船舶,航空機等が調査対象となった。

 現在の火災年報では,損害状況,出荷件数,死傷者数,火災件数,損害額,建物焼損面積,林野焼損面積,罹災世帯数などが収録されている。

消防年報

1 実施機関

 消防庁防災課

2 資料の概要

 地方公共団体からの報告に基づいて地方公共団体の消防組織が行った消防,防災活動に関する統計(消防防災現況調査)を取りまとめたもので,現在の消防年報では,消防職員数,非常勤消防団員数,消防吏員数,消防団員数,消防ポンプ自動車等現有数,科学消化薬剤備蓄量,消防水利現況,火災通報施設数,出動回数,死傷者数,少年消防クラブ現況などが収録されている。

[事故]

道路交通事故に関する統計

1 統計の作成

 交通事故が鉄道及び専用の軌道上で起こったか又は道路上で起こったかによって,統計の作成機関も異なってくる。前者は国土交通省,後者は警察庁で作成している。

 道路交通事故統計は,全国の警察署が作成した交通事故統計原票により,警察庁(交通局交通企画課)が集計したものであり,結果を収録した「交通統計」には,全国で発生した交通事故を中心に,交通取締り,交通規制,運転免許等に関する統計が収録されている。

2 用語の説明

道路交通事故 ・・・ 道路交通法第2条第1号に規定されている道路上において,車両,路面電車及び列車(軌道車)の交通によって起こされた死亡又は負傷を伴った事故及び物的損害を伴った事故をいう。ただし,昭和41年(1966)以降は人身事故のみである。
死亡事故 ・・・ 交通事故の発生後24時間以内に死亡したものをいう。
重傷 ・・・ 交通事故によって負傷し,30日以上の治療を要するものをいう(重傷と軽傷を合わせて負傷とした)。
軽傷 ・・・ 交通事故によって負傷し,30日未満の治療を要するものをいう。
第一当事者 ・・・ 過失の最も重い者又は過失が同程度の場合にあっては,被害の程度が最も軽い者をいう

鉄道事故に関する統計

 鉄道事故の統計は,明治23年(1890)から列車の衝突についてのみ記されていたが,33年(1900)に鉄道事故届出ニ関スル規定(逓信省令第29号)が制定され,体系的(10種類の事故に分類)に鉄道事故が把握されることとなった。その後,幾多の改訂を経て,戦後につながるものとしては,昭和15年(1940)新たに鉄道運転事故報告規程全10条が制定された。

 戦後も一部改正が行われたが,昭和39年(1964)に運転事故処理基準規程が制定された。さらに,昭和43年(1968)に運転保安管理規程に基づき,運転事故及び運転阻害の内容を明らかにし,かつ運転の安全に資するため運転事故処理基準規程を廃し,新たに「運転事故報告基準規程」(昭和43年運達第7号)を制定し,従来の運転事故は運転事故及び運転阻害に分類された。運転事故は,列車又は車両の運転により人の死傷又は物の損傷を生じたもので,列車事故(列車の衝突,列車の脱線,列車火災),踏切事故,その他の事故の3種とした。運転阻害は,運転事故以外のもので,原因により部内原因,部外原因,災害原因の3種とした。

 その後,昭和46年(1971)3月上記の運転事故の分類に人身事故が追加された。

 これらの鉄道事故に関する統計は,旧日本国有鉄道については,民営化(JR)以前は日本国有鉄道運転規則等に基づく旧日本国有鉄道調べ,民営化(昭和62年(1987))以降は国土交通省の資料による。また,民営鉄道(JR以外)は,鉄道事故等報告規則及び軌道事故等報告規則に基づく報告を取りまとめた国土交通省調べによる。

 現在これらの統計は,国土交通省鉄道局監修による「鉄道統計年報」に取りまとめられている。

海難事故に関する統計

 海難統計は,明治29年(1896)海員懲戒法制定によって,翌30年(1897)以降「海員審判所裁決録」に,昭和22年(1947)海難審判法の制定により昭和23年(1948)以降「海難審判裁決録」に,それぞれ審判の対象となった船舶についての海難が記録されている。また,明治32年(1899)に船員法が制定され,船長に行政官庁に対する海難報告が義務付けられた。昭和22年(1947)に制定された現行船員法にも同法第19条に海難報告義務が規定されている。

 海難統計は,前述の「海難審判法」と「船員法」に基づく資料で作成されていたが,昭和23年(1948)海上保安庁の発足を機に,海難船舶を迅速かつ確実に把握するため,24年(1949)から統計法に基づく指定統計として「海難統計調査」が実施された。その後,昭和46年(1971)に指定統計は中止され,届出統計として海難審判庁の事件記録から集計し,海難統計年報として公表を行ってきたが,平成16年(2004)をもって中止された。これ以後の海難に関する統計は海難審判庁から公表される「海難レポート」によることとなった。

海難統計(平成16年まで)

1 実施機関

 国土交通省総合政策局情報管理部交通調査統計課

2 調査の目的

 海難船舶を正確に把握し,海上における人命及び財産の安全を図るための基礎資料を得る。

3 調査対象

 海難審判法第2条にいう海難を起こした船舶

 海難審判法第2条にいう海難は,次のとおりである。

  • 船舶に損傷を生じたとき,又は船舶の運用に関連して船舶以外の施設に損傷を生じたとき
  • 船舶の構造,設備又は運用に関連して人に死傷を生じたとき
  • 船舶の安全又は運航が阻害されたとき

4 船舶

 水上輸送の用に供する船舶のすべてである。自力航行のできる船舶はもちろん,推進機関を有しないものも含まれ,船舶の種類,大小を問わない。しかし,海洋性レジャーに使用されるサーフボード,セールボード,水上スキー等は船舶とみなさない。

5 水域

 世界の全水域である。すなわち,日本国内の河川・湖沼や我が国の領海内で発生すれば,日本船舶のみならず外国籍船舶(公用船等の治外法権を有するものは除く。)も対象となり,公海,外国の領海,外国の河川では,日本船舶のみが対象となる。

6 調査時期

 1月1日から12月31日までの1年間

7 調査事項

 海難の種類,船種,船質,総トン数,用途,海難発生の日時,海難発生の場所,海難の原因,船舶の損傷程度,死傷者数

海難レポート

1 実施機関

 海難審判庁

2 資料の概要

 海難と海難審判行政の現状について国民一般,関係行政機関及び海事関係団体等に対して理解を深めてもらうよう,海難審判庁の年次報告書として毎年刊行されているもので,従来「海難審判の現況」という名称で刊行してきたものを,平成14年(2002)から書名を「海難レポート」に改め,統計の継続性を重視しつつ,継続して刊行している。海難統計データは本文中の引用とともに,資料編に取りまとめられている。

航空機事故に関する調査

 大正8年(1919)11月陸軍大臣の諮問機関として臨時航空委員会が設置され,航空法の立案審議が行われ,翌9年(1920)陸軍省に航空局が設置されたが,12年(1923)4月逓信省に移管され,この航空局の技術課において航空事故の調査が行われていた。

 昭和2年(1927)5月逓信省令第8号により航空法施行規則が公布され,その第120条によって事故の届出が義務づけられた。

 昭和18年(1943)に航空局が運輸通信省に移管されたが,20年(1945)に連合国軍総司令部の指令により民間航空活動が全面禁止され,空白状態が続いた。

 昭和27年(1952)新たに法律第231号航空法が施行され,同法第76条第1項により事故発生の場合の報告が義務付けられた。昭和48年(1973)以降は航空事故調査委員会設置法(昭和48年法律第113号)第3条により航空事故の調査が行われるようになった。その後,平成13年(2001)に鉄道事故の原因究明の調査をも行うように同法が改正され,航空・鉄道事故調査委員会設置法となった。

 航空事故に関する統計は同委員会ホームページの外,国土交通省航空局において「航空統計年報」として取りまとめられている。

1 事故の範囲

 日本の領空内(日本の領土及び12海里上の範囲。北方領土は含まず。)で発生した事故。外国機に係る事故を含む。

2 航空機の損壊程度の分類

 大破 ・・・ 航空機の耐空性を復旧することが著しく困難である程度の損壊があった場合
 中破 ・・・ 航空機の構造の強度,性能又は飛行特性に悪影響を及ぼし,かつ損傷部分の大修理又は交換を必要とする程度の損害又は機体構造の故障があった場合
 小破 ・・・ 航空機の耐空性が簡単な修理又は部品の交換によって復旧される程度の損害があった場合

3 航空機の種類

 大型航空機 ・・・ 最大離陸重量 5,700キログラム以上
 小型航空機 ・・・ 最大離陸重量 5,699キログラム以下

4 用語の説明

 航空機 ・・・ 人が乗って航空の用に供することができる飛行機,回転翼航空機,滑空機及び飛行船その他政令で定める航空の用に供することができる機器をいう(航空法第2条)。
 航空事故 ・・・ 航空機の墜落,衝突又は火災,航空機による人の死傷又は物件の損壊,航空機内にある者の死亡又は行方不明,他の航空機との接触,その他国土交通省令で定める航空機に関する事故(航空法第76条第1項により報告を義務付けられた事故)。

ガス事故に関する統計

 昭和29年(1954)3月の法律第51号ガス事業法第46条,同年7月のガス事業法施行規則第39条に「報告の徴収」が規定された。昭和29年(1954)7月6日政令第197号にガス事業法の第46条改正があり,第5条の5項にガスの製造又は供給に関する事故の報告徴収が規定された。その後,昭和46年(1971)に一部改正がなされた。

 現行法では,ガス事業法施行規則第112条において,ガス工作物及びその供給するガスに係る消費機器についての事故の報告徴収が規定されている。

 現在,ガス事故に関する統計は,経済産業省原子力安全・保安院において取りまとめられ公表されている。

電気事故に関する統計

 電気事故統計としては,逓信大臣官房編逓信省第18年報(明治38年(1905)3月刊行)に明治36年(1903)の計数が表章されており,44年(1911)に電気事業法施行規則第65条で「電気事故届出規程」が定められた。その後,昭和7年(1932)逓信省令第52号及び第56号により前規程の一部が改正され,届出を必要とする事故の停電時間について,停電24時間以上であったものが6時間以上となった。その後,昭和28年(1953)に「電気に関する定期報告規則」が制定された。さらに,昭和40年(1965)に電気事業法(法170)が施行され,同法106条に基づく「電気事業関係報告規則」の第3条において電気事故の報告徴収が規定された。

 現在,電気事故に関する統計は,経済産業省原子力安全・保安院において「電気保安統計」として取りまとめられ公表されている。

バックホーム

ページの先頭へ戻る