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第19章 労働・賃金 解説

 労働・賃金の関係統計は,平成不況の進展や就業形態の多様化,国際化・IT化・少子高齢化等の変化の下でここ十数年とみに充実してきている。
 この章では,労働力供給面の「労働力」,事業所・企業の雇用需要面の「労働時間」,労働力の移動側面の「労働異動」,労働市場における求人・求職・就職と求職事情に関しての「労働市場」,労働の交渉力事情を示す「労働組合・労働争議」,労働力の損失を示す「労働災害」,雇用労働者の賃金稼得状況と賃金率格差を明らかにした「給与」,加えて労働・賃金時系列の動向を指数の形で示した労働・賃金指数体系と事実認識を深めるために付加した賃金率指数・格差及び産業連関理論に準拠して開発された労働需要の産業連関分析の結果をまとめた「指数等統計」の枠組みにより統計を整理し,収録している。

労働力

労働力状態及び就業者に関する調査

 国民の就業・不就業状態を明らかにすることは,我が国の経済活動,産業構造,社会構造及び国民生活の一側面を明らかにすることであり,国の経済政策や雇用対策のため重要な意味を持っている。我が国人口の就業・不就業状態に関する基本的な統計としては,総務省統計局が実施している国勢調査,労働力調査,就業構造基本調査がある。
 国勢調査は,大正9年(1920)の第1回調査以来,我が国の人口を人口属性とともに就業・不就業に関する事項を調査しており,就業・不就業状態の捉え方に戦前・戦後で違いはあるが,その変化を長期的に捉えられるとともに,市町村別などの小地域別の統計が得られる唯一の調査ともいえる。
 また,労働力調査は,標本理論に基づく我が国における標本調査の草分けともいえるもので,戦後の荒廃の中で国民の就業問題が極めて深刻であった昭和21年(1946)に開始され,労働力の供給面の構造及び国民の就業状態に関する包括的資料を毎月提供している。
 さらに,就業構造基本調査は,就業問題が就業の場の確保から就業の質,すなわち不完全就業や潜在失業の問題に移行してきた時期にこれらの実態を明らかにするために開始されたもので,大規模標本調査として,就業状態に関する基本的事項の外,不完全就業,就業異動,就業希望意識,世帯面からの就業状態等について広範な調査事項を設けている。この調査の最大の特色は,国勢調査や労働力調査が毎月月末1週間における就業・不就業状態を調査しているのに対し,ふだんの状態としての活動状況に基づいて就業状態を把握していることで,我が国の就業構造をより多面的,多角的に捉えている。

国勢調査(基幹統計調査)

 実施機関,調査の目的,調査時期,調査対象,調査事項については「第2章 人口・世帯」,「国勢調査」の項を参照。

<用語の説明>

(1) 労働力状態

 大正9年(1920),昭和5年(1930)及び15年(1940)の国勢調査では平常の職業の有無によって「有業者」と「無業者」に区別する「有業者方式」によっている。本章では,15歳以上人口について,「有業者」は「就業者」に,「無業者」は「非労働力」に相当するものとして,結果数値をそのまま比較している。
 昭和22年(1947)以降の国勢調査では,15歳以上の人について,各調査年の9月24日から30日までの1週間(以下,「調査週間」という。)に「仕事をしたかどうかの別」により,次のように区分している。

労働力状態

 労働力人口

    労働力人口は,就業者と完全失業者を合わせた人
   就業者
    調査週間中,賃金,給料,諸手当,営業収益,手数料,内職収入など収入(現物収入を含む。)を伴う仕事を少しでもした人
 なお,収入を伴う仕事を持っていて,調査週間中,少しも仕事をしなかった人のうち,次のいずれかに該当する場合は就業者とする。
 勤めている人が,病気や休暇などで休んでいても,賃金や給料をもらうことになっている場合や,雇用保険法に基づく育児休業基本給付金や介護休業給付金をもらうことになっている場合。
 事業を営んでいる人が,病気や休暇などで仕事を休み始めてから30日未満の場合。また,家族の人が自家営業(個人経営の農業や工場・店の仕事など)の手伝いをした場合は,無給であっても,収入を伴う仕事をしたこととして,就業者に含める。
完全失業者
    調査週間中,収入を伴う仕事を少しもしなかった人のうち,仕事に就くことが可能であって,かつ,ハローワーク(公共職業安定所)に申し込むなどして積極的に仕事を探していた人

 非労働力人口

  調査週間中,収入を伴う仕事を少しもしなかった人のうち,休業者及び完全失業者以外の人(労働力状態「不詳」を除く)

(2) 従業上の地位

 「就業者」を,調査週間中,その人が仕事をしていた事業所における地位によって,雇用者,正規の職員・従業員,労働者派遣事業所の派遣社員,パート・アルバイト・その他,役員,雇人のある業主,雇人のない業主,家族従業者,家庭内職者に区分している。

 雇用者
   会社員・工員・公務員・団体職員・個人商店の従業員・住み込みの家事手伝い・日々雇用されている人・パートタイムやアルバイトなど,会社・団体・個人や官公庁に雇用されている人で,以下にいう「役員」でない人
正規の職員・従業員
    勤め先で一般職員又は正社員と呼ばれている人
 労働者派遣事業所の派遣社員
    労働者派遣法に基づく労働者派遣事業所に雇用され,そこから派遣されている人
 パート・アルバイト・その他
    就業の時間や日数に関係なく,「パートタイマー」,「アルバイト」又はそれらに近い名称で呼ばれている人,また専門的職種に従事させることを目的に契約に基づき雇用され,雇用期間の定めのある「契約社員」や,労働条件や雇用期間に関係なく,勤め先で「嘱託社員」又はそれに近い名称で呼ばれている人
 役員
    会社の社長・取締役・監査役,団体・公益法人や独立行政法人の理事・監事などの役員
 雇人のある業主
    個人経営の商店主・工場主・農業主などの事業主や開業医・弁護士などで,雇人がいる人
 雇人のない業主
    個人経営の商店主・工場主・農業主などの事業主や開業医・弁護士・著述家・家政婦などで,個人又は家族とだけで事業を営んでいる人
 家族従業者
    農家や個人商店などで,農仕事や店の仕事などを手伝っている家族
 家庭内職者
    家庭内で賃仕事(家庭内職)をしている人

(3) 産業

 産業は,「就業者」について,調査週間中,その人が実際に仕事をしていた事業所の主な事業の種類によって分類される。なお,仕事をしていた事業所が二つ以上ある場合には,その人が主に仕事をしていた事業所の事業の種類による。また,労働者派遣事業所から派遣されて仕事をしている人は,派遣先の事業所の主な事業の種類によって分類している。
 各回の国勢調査における産業分類は,産業の発展に伴う産業構成の変化や各時代の社会状況によって分類原理や概念が異なるため,項目の分け方や項目数に差違がある。また,昭和24年(1949) 10月に「日本標準産業分類」(行政管理庁(現総務省)編)が制定され,「統計調査に用いる産業分類並びに傷害及び死因分類を定める政令」の公布により,統計調査の産業分類は常にこの日本標準産業分類によるか,これと比較できるように集約又は細分したものでなければならないこととなった。昭和25年(1950)以降の国勢調査の産業分類もこの趣旨に沿って編成されており,日本標準産業分類の改訂ごとに国勢調査の産業分類も改められている。

(4) 職業

 職業は,「就業者」について,調査週間中,その人が実際に従事していた仕事の種類によって分類される。調査週間中,従事した仕事が二つ以上ある場合には,その人が主に従事した仕事の種類による。
 各回の国勢調査における職業分類は,技術革新に伴う職業構造の変化や各時代の社会状況によって分類原理や概念が異なるため,項目の分け方や項目数に相違がある。また,昭和28年(1953)3月に「日本標準職業分類」(行政管理庁編)が草案されてからは,この日本標準職業分類と「国際標準職業分類」(国際労働機関編)を参考として国勢調査の職業分類を編成しており,これらの標準分類の改訂ごとに国勢調査の職業分類も改められている。

労働力調査(基幹統計調査)

1 実施機関

 総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室

2 調査の目的

 我が国における就業及び不就業の状態について毎月の変化を明らかにする。

3 調査の沿革

 この調査は,昭和21年(1946)9月に開始され,約1年間の試験的期間を経て,昭和22年(1947)7月から本格的に実施されている。その後,昭和25年(1950)4月から統計法(昭和22年法律第18号)による指定統計調査として,平成21年(2009)4月から統計法(平成19年法律第53号)による基幹統計調査として実施されている。
 また,昭和57年(1982)には,地域別表章のための標本の拡大,平成14年(2002)には,労働力調査特別調査を労働力調査に統合する改正を行っている。

4 調査の範囲及び調査対象

 調査の範囲は,我が国に居住している全人口である。ただし,外国政府の外交使節団,領事機関の構成員(随員を含む。)及びその家族,外国軍隊の軍人・軍属(その家族を含む。)は除外される。
 この調査は標本調査として実施されており,国勢調査調査区から約2,900調査区を選定し,その調査区内から選定された約4万世帯(基礎調査票の対象世帯,特定調査票についてはうち約1万世帯が対象)及びその世帯員が調査対象となるが,就業状態は世帯員のうち15歳以上の者(約10万人)について調査している。
 なお,昭和47年(1972)以前の数値には沖縄県分が含まれていない。

5 調査の期日及び期間

 調査は,毎月末日(12月は26日)現在で行われ,就業状態については,毎月の末日に終わる1週間(12月は20日から26日までの1週間)の状態を調査する。

6 調査方法

 調査は都道府県,指導員・調査員を通じ,自計申告によって行われている。

7 調査事項

 労働力調査基礎調査票

 (1) すべての世帯員に関する事項
  男女の別,出生の年月,世帯主との続柄
 (2) 15歳以上の世帯員に関する事項
  氏名,配偶の関係,就業状態,所属の事業所の名称,経営組織及び事業の種類,所属の企業全体の従業者数,仕事の種類,従業上の地位,1週間の就業時間,探している仕事の主従,求職の理由,転職及び追加就業希望の有無
 (3) 世帯に関する事項
  15歳以上の世帯員の数及び男女,年齢階級別15歳未満の世帯員の数,世帯員の異動状況

 労働力調査特定調査票

 (1) 15歳以上の世帯員に関する事項
  氏名,在学・卒業等の教育の状況,仕事からの年間収入
 (2) 就業者に関する事項
  短時間就業及び休業の理由,就業時間の増減希望の有無,現職に就いた時期,雇用形態,前職の有無,転職時の収入の増減
 (3) 完全失業者に関する事項
  求職活動の方法,求職活動の期間,最近の求職活動の時期,探している仕事の形態,就職できない理由,前職の有無
 (4) 非労働力人口に関する事項
  就業希望の有無,非求職の理由,希望する又は内定している仕事の形態,最近の求職活動の時期,就業の可能性,前職の有無
 (5) 前職に関する事項
  前職の従業上の地位及び雇用形態,前職の事業の種類,前職の仕事の種類,前職の企業全体の従業者数,前職をやめた時期,前職をやめた理由

8 結果の補正について

 労働力調査は,これまでに調査方法,結果の推定方法などの変更に伴い,時系列比較を可能とするため,過去の結果の補正を行っている。これまでの主な補正を挙げると次のとおりである。

 (1)  昭和31年(1956)1月以降,比推定用基準人口をそれまでの総人口から男女別14歳以上人口に変更した。また,昭和32年(1957)5月から基準人口を30年(1955)国勢調査1%抽出集計結果に変更した。このため,昭和28年(1953)1月分から32年(1957)4月分の結果を補正した。
 (2)  昭和34年(1959)1月以降,比推定用基準人口をそれまでの男女別14歳以上人口から男女別15歳以上人口に変更した。このため,昭和28年(1953)1月分から33年(1958)12月分の結果を補正した。
 (3)  昭和36年(1961)10月以降,非推定用基準人口を男女,大都市部・非大都市部,年齢階級(8区分)別15歳以上人口に改めるなどの変更を行った。このため,昭和28年(1953)から36年(1961)9月分の結果を補正した。
 (4)  昭和42年(1967)9月以降,調査方法等の変更が行われた。このため,昭和28年(1953)1月分から42年(1967)8月分の結果を補正した。
 (5)  昭和53年(1978)1月以降,比推定用基準人口をそれまでの昭和50年国勢調査1%抽出集計結果から全数集計結果に変更した。このため,昭和45年(1970)10月分から52年(1977)12月分の結果を補正した。

 なお,最近では基準人口である推計人口と国勢調査時点の人口との差が僅少であることから,補正は行われていない。

9 用語の説明

(1) 就業状態

 15歳以上人口を各人の調査週間中の活動状態に基づいて次のように区分している。

就業状態

 労働力人口 ・・・ 15歳以上人口のうち,就業者と完全失業者を合わせたもの
   就業者 ・・・ 「従業者」と「休業者」を合わせたもの
  
従業者 ・・・ 調査週間中に賃金,給料,諸手当,内職収入などの収入を伴う仕事(以下「仕事」という。)を1時間以上した者。なお,家族従業者は,無給であっても仕事をしたとする。
休業者 ・・・ 仕事を持ちながら,調査週間中に少しも仕事をしなかった者のうち,
  
[1] 雇用者で,給料,賃金の支払を受けている者又は受けることになっている者。なお,職場の就業規則などで定められている育児(介護)休業期間中の者も,職場から給料,賃金をもらうことになっている場合は休業者となる。雇用保険法に基づく育児休業基本給付金や介護休業給付金をもらうことになっている場合も休業者に含む。
[2] 自営業主で,自分の経営する事業を持ったままで,その仕事を休み始めてから30日にならない者
なお,家族従業者で調査週間中に少しも仕事をしなかった者は,休業者とはしないで,完全失業者又は非労働力人口のいずれかとした。
完全失業者 ・・・ 次の三つの条件を満たす者
  
   [1] 仕事が無くて,調査週間中に少しも仕事をしなかった(就業者ではない)
[2] 仕事があればすぐ就くことができる
[3] 調査週間中に,仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む。)
なお,仕事を探し始めた理由(求職理由)によって,完全失業者を次のように区分している。
  
定年又は雇用契約の満了 ・・・ 定年や雇用期間の満了による離職失業者
勤め先や事業の都合(勤め先都合) ・・・ 勤め先や事業の都合(倒産,人員整理等)による離職失業者
自発的な離職による者(自己都合) ・・・ 自分又は家族の都合による離職失業者
学卒未就職者(学卒未就職) ・・・ 学校を卒業して仕事に就くために,新たに仕事を探し始めた者
収入を得る必要が生じたから(新たに収入が必要) ・・・ 収入を得る必要が生じたために,新たに仕事を探し始めた者
その他 ・・・ 上記のどれにも当てはまらない場合で,新たに仕事を探し始めた者
 非労働力人口   ・・・ 15歳以上人口のうち,「就業者」と「完全失業者」以外の者
 労働力人口比率 ・・・ 15歳以上の人口に占める「労働力人口」の割合
 就業率     ・・・ 15歳以上の人口に占める「就業者」の割合
 完全失業率    ・・・ 「労働力人口」に占める「完全失業者」の割合

(2) 就業者の属性

   調査週間中に二つ以上の仕事に従事した者は,主に従事した仕事について分類される。

ア 産業

 就業者について,調査期間中,その者が実際に仕事をしていた勤め先・業主の主な事業の種類を日本標準産業分類に基づいて分類している。ただし,統計表中の「非農林業」とは「農業,林業」以外の産業をいう。なお,分類不能の産業は便宜上,非農林業に含めている。

イ 職業

 就業者について,調査週間中,その者が実際にしていた仕事の種類を日本標準職業分類に基づいて分類した。  また,労働者派遣事業所の派遣社員の場合は,派遣先でその者が実際にしていた仕事の種類を分類した。

ウ 従業者規模

 働いている事業所が属する企業(本店・支店・工場・出張所などを含めた企業全体)で,ふだん働いている従業者数の規模により区分している。また,労働者派遣事業所の派遣社員の場合は,派遣元事業所が属する企業の従業者数の規模により区分した。ただし,勤め先が官公庁,国営・公営の事業所(例えば, 国・公立の小学校,中学校,高等学校,国・公立の病院),独立行政法人,国立学校法人などの場合は,従業者数で区分せず,「官公」としている。

エ 経営組織

 個人,会社,団体,官公に区分している。
   会社とは,株式会社(有限会社を含む。),合名会社,合資会社,合同会社及び相互会社のことをいう。
   団体には,特殊法人等(日本銀行,公庫,NHKなど),学校法人,医療法人,宗教法人,その他の団体などが含まれる。
   官公には,官公庁,国営・公営の事業所(例えば,国・公立の小学校,中学校,高等学校,国・公立の病院),独立行政法人,国立大学法人などが含まれる。

(3) 従業上の地位

 就業者を次のように区分している。

自営業主 ・・・ 個人経営の事業を営んでいる者
 雇有業主 ・・・ ふだん一人以上の有給の雇用者を雇って個人経営の事業を営んでいる者
 雇無業主 ・・・ 従業者を雇わず自分だけで,又は自分と家族だけで個人経営の事業を営んでいる者[自宅で内職(賃仕事)をしている者も含む]
家族従業者 ・・・ 自営業主の家族で,その自営業主の営む事業に無給で従事している者
雇用者 ・・・ 会社,団体,官公庁又は自営業主や個人家庭に雇われて給料,賃金を得ている者及び会社,団体の役員
 常雇 ・・・ 「役員」と「一般常雇」を合わせたもの
  役員 ・・・ 会社,団体,公社などの役員(会社組織になっている商店などの経営者を含む)
  一般常雇 ・・・ 1年を超える又は雇用期間を定めない契約で雇われている者で,「役員」以外の者
 臨時雇 ・・・ 1か月以上1年以内の期間を定めて雇われている者
 日雇 ・・・ 日々又は1か月未満の契約で雇われている者

(4)  週間就業時間

 調査週間中実際に仕事に従事した時間(二つ以上の仕事に従事した場合は,それらの就業時間を合計したもの)。「仕事を休んでいた者」は,就業時間を0時間とした。

  延週間就業時間 ・・・ 従業者の週間就業時間の総数
  平均週間就業時間 ・・・ 延週間就業時間/従業者数(就業時間不詳の者を除く)

(5) 就業者の希望

 仕事に対する希望と求職活動の有無によって,就業者を次のように区分している。

転職希望者 ・・・ 現在の仕事を辞めてほかの仕事に変わりたいと希望している者。ただし,ここでいう転職とは,雇用者についていえば企業間の転職,すなわち勤め先が変わることであり,同一企業内で勤務地や職種が変わる場合は転職としない。
追加就業希望者 ・・・ 現在の仕事を継続しながら別の仕事もしたいと希望している者
 求職者 ・・・ 転職希望者又は追加就業希望者のうち,希望する仕事について実際に仕事を探していたり,準備をしたりしている者
 非求職者 ・・・ 求職者以外の者

(6) 世帯の種類

2人以上の世帯 ・・・ 住居と生計を共にしている二人以上の人の集まり
単身世帯 ・・・ 一人で一戸を構えて暮らしている者や,単身で間借りをしている者,あるいは寮,寄宿舎,下宿屋などに居住する単身者の一人一人。単身の住み込みの雇い人は,その住み込んでいる世帯の世帯員としている。また,老人ホームなど社会福祉施設の入所者や病院・療養所の入院者(既に3か月以上入院している者のみ)は,その一人一人(夫婦で1室に住んでいる場合はその夫婦ごと)を一世帯としている。

就業構造基本調査(基幹統計調査)

1 実施機関

 総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室

2 調査の目的

 我が国におけるふだんの就業・不就業状態を調査し,全国及び地域別の就業構造や就業異動の実態,就業に関する希望などを明らかにし,各種行政施策の基礎資料を得る。

3 調査の沿革

 この調査は,統計法に基づく基幹統計調査であり,昭和31年(1956)から57年(1982)までは,おおむね3年ごとに,57年(1982)以降は5年ごとに実施している。

4 調査の範囲及び対象

調査の範囲 ・・・ 我が国のすべての世帯及びその世帯に常住するすべての世帯員
調査客体 ・・・ 調査の範囲に含まれる世帯の中から抽出された約45万世帯に常住する15歳以上の世帯員

5 調査期日

 昭和52年(1977)までは7月1日現在,54年(1979)以降は10月1日現在。

6 調査方法

 調査は,都道府県,調査員を通じ,自計申告によって行われている。

7 調査事項

(1) 15歳以上の世帯員について

ア 全員について

 氏名,男女の別,配偶者の有無,世帯主との続き柄,出生の年月,在学・卒業等教育の状況,1年前の常住地,ふだんの就業・不就業状態,職業訓練・自己啓発の有無,職業訓練・自己啓発の内容及び9月末1週間の就業・不就業状態。

イ 有業者について

(ア)主な仕事について

 従業上の地位,勤め先での呼称,勤め先の経営組織,勤め先の名称,起業の有無,勤め先の事業の内容,仕事の内容,企業全体の従業者数,年間就業日数,就業の規則性,週間就業時間,年間収入,転職又は追加就業等の希望の有無,就業時間延長等の希望の有無,転職希望の理由,希望する仕事の形態,求職活動の有無,就業開始の時期,就業開始の理由,1年前の就業・不就業状態及び前職の有無

(イ)主な仕事以外の仕事について

 従業上の地位,勤め先の事業の内容

(ウ)前職について

 離職の時期,離職の理由,従業上の地位,勤め先での呼称,勤め先の事業の内容,仕事の内容,企業全体の従業者数,就業継続年月,現職又は前職と初職との関係,初職の就業開始の時期及び初職の従業上の地位・雇用形態

ウ 無業者について

(ア)就業の希望等について

 就業希望の有無,就業希望の理由,希望する仕事の種類,希望する仕事の形態,求職活動の有無,非求職の理由,求職期間,就業希望時期,就業非希望の理由,1年前の就業・不就業状態及び就業経験の有無

(イ)前職について

 離職の時期,離職の理由,従業上の地位,勤め先での呼称,勤め先の事業の内容,仕事の内容,企業全体の従業者数,就業継続年月,現職又は前職と初職との関係,初職の就業開始の時期及び初職の従業上の地位・雇用形態

(2) 世帯について

 15歳未満の年齢別世帯人員,15歳以上の世帯人員,世帯の収入の種類及び世帯全体の年間収入

8 用語の説明

(1) 就業状態

 15歳以上の者(昭和31年(1956)は14歳以上の者)を,調査時現在のふだんの就業・不就業状態により次のように区分している。

有業者 ・・・ ふだんの状態として,収入を得る目的で仕事をしており,調査日以降もしていくことになっている者,及び仕事は持っているが現在は仕事を休んでいる者
なお,家族従業者は,収入を得ていなくても,ふだんの状態として仕事をしていれば有業者となる。
無業者 ・・・ ふだんの状態として仕事に就いていない者,すなわち,ふだん全く仕事をしていない者及び臨時的にしか仕事をしない者

(2) 無業者の就業希望

就業希望者 ・・・ 何か収入になる仕事に就きたいと思っている者
就業可能求職者 ・・・ 無業者のうち就業を希望し実際に求職活動を行っている者で仕事があればすぐつくつもりの者

[労働時間]

統計の沿革

 労働時間に関する調査は,明治42年(1909)農商務省が定めた「工場統計報告規則」に基づき行われた労働者を5人以上使用するすべての工場を対象とした労働者数,深夜労働の場合の就業時間,休憩時間及び年少工の人数,賃金などの調査に始まる。次いで,大正11年(1922)に「統計資料実地調査ニ関スル法律」が公布され,労働者30人以上の工場(鉱山は50人以上)すべてを対象に賃金を中心とした「労働統計実地調査」が13年(1924)から昭和17年(1942)の間,3年ごと又は各年に実施された(16年(1941)に「労働技術統計調査」と改称)。
 また,大正12年(1923)7月に「職工賃金毎月調査」及び「鉱夫賃金毎月調査」が開始された。
 昭和19年(1944)4月に勤労関係統計・調査報告類の整理統合を目的とした勤労統計調査令が公布された。同調査令による勤労統計調査は3種の調査から成り,このうち,年次勤労統計調査は「労働技術統計調査」を,毎月勤労統計調査は「労働統計毎月調査」を継承したものであり,また特別勤労統計調査は,特定の緊要事業場について,月々その勤労の変動状況を把握するものであった。
 戦後においては,昭和19年(1944)7月から内閣統計局(現総務省)により実施されていた毎月勤労統計調査が23年(1948)9月に労働省(現厚生労働省)に移管され,引き続き月間実労働時間等が公表されている。
 また,内閣統計局は,昭和21年(1946)9月から労働力調査を開始したが,この調査においても産業,男女別週間就業時間に関する数値を公表している。
 その後,労働省は,昭和28年(1953)に労働時間制度調査(後の「就労条件総合調査」)を実施した。
 さらに,事業所における雇用管理に関する統計として昭和42年(1967)から「雇用管理に関する調査」(昭和44年(1969)以降「雇用管理調査」と改称)が毎年実施されており,事業所における雇用の一般管理・採用管理(新規学卒者採用,中途採用,パート採用),退職管理(定年制,再雇用)などの状況を示す資料を提供している。
 また,労働時間関係統計としては,昭和22年(1947)に開始された総務省統計局の「事業所・企業統計調査」(「事業所統計調査」を改称)及び39年(1964)に開始された厚生労働省の「雇用動向調査」などがある。
 以上の外,厚生労働省において,女性の雇用管理に焦点を絞って調査(毎年)し,その改善政策に資する「女性雇用管理基本調査」,労働時間動向を中心に調査している「労働経済動向調査」など各種の雇用関係統計調査が継続あるいは単発調査として数多く行われている。

事業所・企業統計調査(基幹統計調査)

 「第6章 企業活動」の「事業所・企業統計調査」の項を参照。

毎月勤労統計調査(基幹統計調査)

1 実施機関

 厚生労働省大臣官房統計情報部雇用統計課

2 調査の目的

 雇用,給与及び労働時間について,全国調査にあってはその全国的変動を,地方調査にあってはその都道府県別変動を毎月明らかにすることを目的とし,特別調査はこれらを補完することを目的とする。

3 調査の沿革

 毎月勤労統計調査は,内務省社会局が大正12年(1923)7月に開始した「職工賃銀毎月調査」及び「鉱夫賃銀毎月調査」が始まりで,14年(1925)4月「賃銀毎月調査」として内閣統計局(現総務省)に引き継がれた。その後昭和14年(1939)には「労働統計毎月実地調査」,16年(1941)には「労働統計毎月調査」と改称され,さらに19年(1944)7月から「毎月勤労統計調査」と改称された。戦前においては,調査範囲の拡大,対象事業所の増加,根拠法規の整備などが図られてきたが,内容的な発展は昭和21年(1946)12月の改定からである。これは当時の連合国軍総司令部の指令によって行われたもので,厚生省(現厚生労働省)の勤労者給与調査を統合するとともに,産業範囲の拡大,給与を現金支給と実物給与に分ける等調査事項を掘り下げた外,調査事業所の選定方法も標本抽出理論の導入により,従来より具体化した選定基準を取り入れるなど大幅な改正が行われた。その後,昭和23年(1948)9月からこの調査は総理庁統計局(現総務省)から労働省(現厚生労働省)に移管されたが,調査の実施事務は引き続き総理庁で行い,26年(1951)4月になって調査の実施も労働省で行うことになった。その後の主な調査の改定としては,昭和32年(1957)に対象事業所の最低規模の引き下げが,平成2年(1990)に全国調査について,従業者規模30人以上規模を対象とする甲調査と5〜29人を対象とする乙調査との統合が,また地方調査についても従業者規模5人以上事業所への調査対象の拡大が行われた。

4 調査対象

(1) 調査地域

 日本全国とする。昭和47年(1972)7月以降沖縄県が調査地域に加えられた。

(2) 調査対象事業所

 全国調査,地方調査及び特別調査について,区分ごとに次の標本について調査している。

調査対象事業所

(3) 調査対象

 日本標準産業分類に基づく9大産業[鉱業,建設業,製造業,電気・ガス・熱供給・水道業,情報通信業,運輸業,卸売・小売業,金融・保険業,不動産業,飲食店,宿泊業,医療,福祉,教育,学習支援業,複合サービス業及びサービス業]に属する民,官,公営の事業所。

5 調査期日

 第一種調査,第二種調査は毎月末現在,特別調査は毎年7月末現在で調査する。

6 調査方法

 全国第一種調査及び地方第一種調査は都道府県を通じ,郵送調査。全国第二種調査,地方第二種調査及び特別調査は都道府県を通じ,調査員による他計申告として行われている。

7 調査事項

 事業所の名称,所在地,主な生産品の名称又は主な事業の内容,調査期間,操業日数,企業の全労働者数,性別,常用労働者数及びパートタイム労働者数,出勤日数,実労働時間数,現金給与額
 なお,特別調査は個人ごとの調査で年齢,勤続年数などの調査項目が加えられており,その結果は,賃金構造基本統計調査では対象外となっている1〜4人事業所規模の結果と位置付けられる。

8 用語の説明

(1) 常用労働者
   次のうちいずれかに該当する労働者のことである。
   期間を定めず,または1か月を超える期間を定めて雇われている者
日々又は1か月以内の期間を限って雇われている者のうち,前2か月の各月にそれぞれ18日以上雇われた者
 なお,(i)重役,理事などの役員でも,部長,工場長などのように,常時勤務して,一般の労働者と同じ給与規則で毎月給与が支払われている者及び(ii)事業主の家族でも,常時その事業所に勤務し,他の労働者と同じ給与規則で毎月給与が支払われている者は,常用労働者に含める。
 「パートタイム労働者」とは,常用労働者のうち次のいずれかに該当する労働者のことである。
(ア) 1日の所定労働時間が一般の労働者よりも短い者
(イ) 1日の所定労働時間が一般の労働者と同じで1週の所定労働日数が一般の労働者よりも短い者
 「一般労働者」とは,「常用労働者」のうち,「パートタイム労働者」を除いた労働者のことをいう。
なお,家族従業者で調査週間中に少しも仕事をしなかった者は休業者に含めず,完全失業者又は非労働力人口のいずれかに含めている。
(2) パートタイム労働者比率
 調査期間末の全常用労働者に占めるパートタイム労働者の割合を百分率化したものをいう。
(3) 入職率,離職率
 「入職率」とは,調査期間中に採用,転勤等で入職(同一企業内の事業所間の異動も含まれる。)した常用労働者数を前調査期間末の全常用労働者数で除し百分率化したものをいう。
 「離職率」とは,調査期間中に退職,転勤等で離職(同一企業内の事業所間の異動も含まれる。)した常用労働者数を前調査期間末の全常用労働者数で除し百分率化したものをいう。
(4) 出勤日数
 調査期間中に労働者が実際に出勤した日数のことである。有給であっても事業所に出勤しない日は出勤日にならないが,午前0時から翌日午前0時までの間に1時間でも就業すれば出勤日とする。
(5) 実労働時間数
 調査期間中に労働者が実際に労働した時間数のことである。休憩時間は給与が支給されていると否にかかわらず除かれるが,鉱業の坑内夫の休憩時間や,いわゆる手待時間は含める。本来の職務外として行われる宿日直の時間は含めない。
 「所定内労働時間数」とは,事業所の就業規則で定められた正規の始業時刻と終業時刻との間の実労働時間数のことである。
 「所定外労働時間数」とは,早出,残業,臨時の呼出,休日出勤等の実労働時間数のことである。
 「総実労働時間数」とは「所定内労働時間」と「所定外労働時間」との合計である。
(6) 現金給与額
 現金給与額とは,所得税,社会保険料,組合費,購買代金等を差し引く以前の金額のことである。  「決まって支給する給与」(定期給与)とは,労働契約,団体協約あるいは事業所の給与規則等によってあらかじめ定められている支給条件,算定方法によって支給される給与のことであって,「所定外給与」(超過労働給与)を含む。
 「所定内給与」とは,決まって支給する給与のうち所定外給与以外のものをいう。
 「所定外給与」とは,所定の労働時間を超える労働に対して支給される給与や休日労働,深夜労働に対して支払われる給与であり,時間外手当,早朝出勤手当,休日出勤手当,深夜手当等である。
 「特別に支払われた給与」(特別給与)とは,調査期間中に一時的又は突発的理由に基づいて,あらかじめ定められた契約や規則等によらない労働者に現実に支払われた給与や,あらかじめ支給条件,算定方法が定められていても,その給与の算定が3か月を超える期間ごとに行われるものをいう。
 また,夏季,年末賞与等のようにあらかじめ支給条件は決められているがその額の算定方法が決定されていないものや,結婚手当等の支給条件,支給額が労働協約等によってあらかじめ確定していても,非常にまれに支給されたり支給事由の発生が不確定なものも含める。
 「現金給与総額」とは,「決まって支給する給与」と「特別に支払われた給与」との合計額である。

雇用管理調査

1 実施機関

 厚生労働省大臣官房統計情報部雇用統計課

2 調査の目的

 主要産業に属する民間企業の常用労働者に関する雇用管理制度について調査し,その実態を明らかにする。

3 沿革

 昭和43年(1968)に「雇用動向調査」の附帯調査として調査を開始し,44年(1969)以降は採用に関する事項,採用後の諸管理に関する事項,退職管理に関する事項について3年ローテーションで調査を実施している。しかし,定年制については重要な政策課題であるところから昭和60年(1985)以降毎年実施している。
 なお,雇用管理調査は,平成16年(2004)調査をもって廃止となった。

4 調査対象

 日本標準産業分類(平成14年(2002)3月改訂)に基づく13大産業[鉱業,建設業,製造業,電気・ガス・熱供給・水道業,情報通信業,運輸業,卸売・小売業,金融・保険業,不動産業,飲食店,宿泊業,医療,福祉,教育,学習支援業,サービス業(他に分類されないもの)(家事サービス業,政治・経済・文化団体,宗教,その他のサービス業及び外国公務を除く。)]に属し,30人以上の常用労働者を雇用する民営企業。

5 調査事項

 企業の属性,定年制等に関する事項,定年後の措置に関する事項,その他退職管理に関する事項,今後の雇用に関する事項

就労条件総合調査

1 実施機関

 厚生労働省大臣官房統計情報部賃金福祉統計課

2 調査の目的

 主要産業における企業の賃金制度,労働時間制度,労働費用,福祉施設・制度及び退職給付制度等の基本的事項を調査し,その実態を総合的に明らかにする。

3 調査の沿革

 労働時間制度の現状を明らかにするため,労働省(現厚生労働省)は,昭和28年(1953)労働時間制度調査を実施した。この調査は,当初隔年で実施され,33年(1958)以降は毎年実施されている。その後,昭和41年(1966)には「給与構成調査」及び「賃金制度調査」を統合して「賃金労働時間制度総合調査」と改称され,59年(1984)には「労働者福祉施設・制度等調査」を統合して「賃金労働時間制度等総合調査」とし,平成12年(2000)から現調査名となり,現在に至っている。なお,賃金制度,福祉施設・制度,退職給付制度等はローテーションにより調査が行われている。

4 調査対象

 日本標準産業分類(平成14年(2002)3月改訂)に基づく13大産業[鉱業,建設業,製造業,電気・ガス・熱供給・水道業,情報通信業,運輸業,卸売・小売業,金融・保険業,不動産業,飲食店,宿泊業,医療,福祉,教育,学習支援業,サービス業(他に分類されないもの)(その他の生活関連サービス業のうち家事サービス業及び外国公務を除く。)]に属し,本社の常用労働者が30人以上の民営企業。客体数は5,300企業である。

5 調査事項

 企業の属性に関する事項,労働時間制度に関する事項 ,賃金制度に関する事項,労働費用に関する事項,派遣労働者関係費用に関する事項,定年制等に関する事項

[労働異動]

雇用動向調査

1 実施機関

 厚生労働省大臣官房統計情報部雇用統計課

2 調査の目的

 主要産業の事業所における入職者,離職者等についての属性,入職及び離職に関する事情等並びに事業所における求人状況等について調査し,労働力の移動や求人状況等の実態を明らかにする。

3 調査の沿革

 この調査は,昭和27年(1952)に開始された「労働異動調査」を源とし,39年(1964)に,31年(1956)から実施されていた「失業者帰すう調査」を統合整備して「雇用動向調査」と改称し,年2回実施されることとなった。
 なお,昭和61年(1986)まで毎年,その後は5年周期で実施していた転入者票は平成7年(1995)調査を最後に廃止された。

4 調査対象

 日本標準産業分類(平成14年(2002)3月改訂)に基づく14大産業[鉱業,建設業,製造業,電気・ガス・熱供給・水道業,情報通信業,運輸業,卸売・小売業,金融・保険業,不動産業,飲食店,宿泊業,医療,福祉,教育,学習支援業,複合サービス業,サービス業(他に分類されないもの)]に属する5人以上の常用労働者を雇用する事業所及び当該事業所に入職又は離職した常用労働者。

5 調査方法

 調査は,事業所票(様式1号),事業所票(様式2号),入職者票及び離職者票を用い,都道府県,公共職業安定所を通じ,調査員による他計申告によって行われている。
 客体数は,事業所票が各14,000,入職者票が80,000(40,000),離職者票が14,000となっている。

6 調査事項

(1) 事業所に関する事項

 名称,所在地,主な生産品の名称又は事業内容,企業全体の常用労働者数,性・年齢・雇用形態別常用労働者の異動状況,出向者数及びパートタイム労働者数

(2) 入職者に関する事項

 性,年齢,学歴,入職経路,就業形態,職業,前職の有無,前職の産業・職業・従業上の地位,離職期間及び転職理由・賃金変動状況等

(3) 離職者に関する事項

 性,年齢,学歴,離職直前の就業形態,職業,勤続期間及び離職理由等

7 用語の説明

 以下の用語以外は毎月勤労統計に準ずる

労働移動者 ・・・ 調査対象期間中に,就職,転職,退職などの労働移動を行った者で,本調査では,入職者,離職者を合わせて延べ労働移動者としている。
入職者 ・・・ 調査対象期間中に事業所が新たに採用した者のことをいい,他企業からの出向者・出向復帰者を含み,同一企業内の他事業所からの転入者を除く。
離職者 ・・・ 調査対象期間中に事業所を退職したり,解雇された者のことをいい,他企業への出向者・出向復帰者を含み,同一企業内の他事業所への転出者を除く。
 なお,定年で退職し,引き続き嘱託・臨時等として雇用された者も定年退職の時,一度離職したものとして離職者に含む。

[労働市場]

統計の体系と沿革

 我が国の公的な職業紹介業務は,大正10年(1921)の職業紹介法の公布により始まり,職業紹介業務統計は同年分から昭和7年(1932)まで中央職業紹介事務局(内務省)から「職業紹介年報」として刊行された。その後,昭和13年(1938)厚生省(現厚生労働省)の発足及び職業紹介業務の同省社会局への移管に伴い,前述の「職業紹介年報」は「職業紹介統計」として刊行されれることとなった。
 戦後,昭和22年(1947)9月に発足した労働省(現厚生労働省)は,翌23年(1948)から所管の職業安定業務に関する「職業安定業務報告」を取りまとめて「労働市場年報」として刊行している。

職業安定業務報告

1 作成機関

 厚生労働省職業安定局労働市場センター業務室

2 報告の目的

 職業安定行政の運営のための参考資料とするほか,労働市場の現状及び時系列推移を観察する。

3 報告の構成

 職業安定業務報告の構成は次のようになっている。

(1) 職業紹介業務報告

(2) 職業訓練業務報告

(3) 失業保険業務報告

(4) 雇用主訪問業務報告

4 報告事項

 上記各項目のうち,職業紹介業務報告に関する報告事項は,次に掲げるようなものである。

(1) 一般職業紹介

 常用,臨時季節労務,新規中学・高校卒業予定者の区分及び性別の月間有効求職者数,新規求職申込件数,前月から繰越された有効求職者数,月間有効求人数,新規求人数,前月から繰越された有効求人数,紹介件数,就職件数等

(2) 日雇職業紹介

 男女別,新規求職申込件数,翌月に繰越された有効求職者数,就労延数,就労実人員,不就労延数等

注)戦後の数値について,昭和47年度(1972)以降には沖縄県分を含む。

5 用語の説明

 職業安定業務報告における用語の定義は,以下のとおりである。

(1) 一般

 常用及び臨時・季節の合計をいう。

(2) 常用(労働)

 雇用契約において雇用期間の定めがないか又は4か月以上の雇用期間が定められている仕事(季節労働を除く。)をいう。

(3) 臨時・季節(労働)

 臨時とは,雇用契約において1か月以上4か月未満の雇用契約期間が定められている仕事(労働)をいい,季節とは,季節的な労働需要に対し,又は季節的労働余暇を利用して一定の期間(4か月未満,4か月以上の別を問わない。)を定めて就労(労働)するものをいう。

(4) 常用的パートタイム

 雇用期間の定めがないか,又は4か月以上の雇用期間によって就労するもので,毎日就労する者については1日の労働時間が一般従業員より短く,特定日又は特定期間就労する者については1日の労働時間の長短を問わず1か月の労働時間が一般労働者より短い者をいう。

(5) 日雇

 労働の窓口で取り扱われる日々雇用の仕事及び1か月未満の雇用期間が定められているものをいう。

(6) 新規学卒者

 卒業年の6月末までに,公共職業安定所及び学校(職業安定法第27条及び第33条の2第1項第1号の規定による学校)において取り扱ったものをいう。

(7) 新規求職申込件数

 期間中に新たに受け付けた求職申込みの件数をいう。

(8) 前月から繰越された有効求職者数

 前月末日現在において,求職票の有効期限が翌月以降にまたがっている就職未決定の求職者数をいう。

(9) 月間有効求職者数

 「前月から繰越された有効求職者数」と当月の「新規求職申込件数」の合計数をいう。

(10)新規求人数

 期間中に新たに受け付けた求人数(採用予定人員)をいう。

(11)前月から繰越された有効求人数

 前月末日現在において,求人票の有効期限が翌月以降にまたがっている未充足の求人数をいう。

(12)月間有効求人数

 「前月から繰越された有効求人数」と当月の「新規求人数」の合計数をいう。

(13)就職件数

 自安定所の有効求職者が自安定所の紹介により就職したことを確認した件数をいう。

(14)紹介件数

 求職者と求人の結合を図るため,紹介した件数をいう。

(15)充足数

 自安定所の有効求人が,安定所(求人連絡先の安定所を含む)の紹介により求職者と結合した件数をいう。

(16)就労実人員

 期間中に日雇労働に就労した日雇求職者の実人員をいう。

(17)就労延数

 期間中に日雇労働に就労した日雇求職者の延人員をいう。

(18)求人倍率

 求職者数に対する求人数の割合をいい,「新規求人数」を「新規求職申込件数」で除して得たものと,「月間有効求人数」を「月間有効求職者数」で除して得たものの2種類がある。

(19)就職率

 求職者に対する就職件数の割合をいい,「就職件数」を「新規求職申込件数」で除したものをいう。

(20)充足率

 求人数に対する充足された求人数の割合をいい,「就職件数」を「新規求人数」で除したものをいう。

学校基本調査

 学校基本調査は,学校に関する基本的事項である学校数,在学者数,卒業者数,教員数,学校施設及び学校経費等の状況を明らかにするため,昭和23年(1948)以来毎年,文部省(現文部科学省)によって実施されているが,この調査の一環として「卒業後の状況調査」が行われている。学校基本調査については,「第25章 教育」を参照のこと。

[労働組合・労働争議]

統計の沿革

 労働組合に関する調査は,大正7年(1918) 10月の内務省の府県通達「労働団体及び資本主業務上の団体設立に関する件」に基づき,労働団体の全国的調査が行われたのが始まりで,昭和19年(1944)の中期まで継続された。その後調査は中断されていたが,昭和21年(1946)6月の厚生省訓令「労働情報報告例規」に基づいて,厚生省労政局(現厚生労働省)により,同年9月から「労働組合設立解散統計」が開始された。この調査は,労働組合法の改正に伴う労働組合の設立,解散の届出制の廃止により,昭和24年(1949)5月をもって廃止された。
 一方,「設立解散統計」とは別に,労働省(現厚生労働省)により,昭和22年(1947)6月及び同年12月に全国一斉に「労働組合調査」が実施され,翌23年(1948)「労働組合基本調査」と改称し,毎年6月末日現在で調査が継続実施された。昭和58年(1983)には,労使関係の状況を総合的に把握することを目的とした「労使関係総合調査」が開始された。この調査は,これまでの「労働組合基本調査」を改称した「労働組合基礎調査」と労働組合の活動実態を調査し毎年テーマを変えて行う「実態調査」からなっている。
 労働争議に関する統計は,明治30年(1897)に当時の農商務省と内務省の両者により始められたのが我が国における労働争議統計の始まりである。その後,農商務省の統計は明治40年(1907)までで中止されたが,内務省(警保局)の統計は継続され,以降調査実施の主管部局に変遷があったが,現在厚生労働省大臣官房統計情報部により「労働争議統計調査」の名称で実施されている。

労使関係総合調査

1 実施機関

 厚生労働省大臣官房統計情報部賃金福祉統計課

2 調査の目的

 労使関係を含めた労働組合の実態を総合的に把握し,労働行政の基礎資料を得る。

3 調査の沿革

 昭和22年(1947)に実施した「労働組合調査」及び23年(1948)から実施された「労働組合基本調査」を前身とし,昭和58年(1983)に,「労使コミュニケーション調査」と統合し,現在の名称となり,以後毎年実施されている。

4 調査の構成及び方法等

 A−労働組合基礎調査票,B−労使コミュニケーション調査票A(事業所票),C−労使コミュニケーション調査票B(個人票),D−労働組合活動実態調査票,E−労働協約等実態調査票

 A−労働組合基礎調査票

  調査対象 地域:全国,単位:組合,属性:我が国におけるすべての労働組合
  調査方法 選定:全数,客体数:約85,000,配布:職員,取集:職員,記入:自計
  周期・期日 周期:年,期日:7月1日〜20日
  調査事項 労働組合の属性,企業の属性等,組合員数及び組合の種類等,直上組合及び組合本部の名称・所在地,加盟上部組合の系統及び前年調査以降の変更の有無,構成組合の名称・所在地及び労働組合員数等

 B−労使コミュニケーション調査票A(事業所票)

  調査対象 地域:全国,単位:事業所,属性:農林水産業を除く常用労働者を30人以上雇用する民営事業所
  調査方法 選定:無作為抽出,客体数:4,000,配布,取集,記入:Aと同じ
  周期・期日 周期:5年,期日:7月1日〜20日
  調査事項 事業所の属性に関する事項,労使コミュニケーション全般に関する事項,労使協議機関に関する事項,職場懇談会に関する事項,苦情処理に関する事項,その他の労使関係コミュニケーション手段に関する事項

 C−労使コミュニケーション調査票B(個人票)

  調査対象 地域:全国,単位:個人,属性:農林水産業を除く常用労働者を30人以上雇用する民営事業所に雇用される労働者
  調査方法 選定,配布,取集,記入:Bと同じ,客体数:7,000
  周期・期日 Bと同じ
  調査事項 個人の属性に関する事項,労使コミュニケーション全般に関する事項,労働組合に関する意識,労使協議機関に関する事項,個人の処遇等に関する不平・不満の処理方法,今後重視するコミュニケーション手段

 D−労働組合活動実態調査票

  調査対象 地域,単位:Aと同じ,属性:農林水産業を除く民営事業所における労働組合員数規模100人以上の労働組合
  調査方法 選定,配布,取集,記入:Bと同じ,客体数:4,000
  周期・期日 Bと同じ
  調査事項 労働組合の属性に関する事項,企業組織の再編等と労働組合の対応に関する事項,出向問題と労働組合の対応に関する事項,賃金・退職金制度の改定と労働組合の対応に関する事項

 E−労働協約等実態調査票

  調査対象 地域:全国,単位:その他,属性:我が国におけるすべての労働組合
  調査方法 選定,配布,取集,記入:Bと同じ,客体数:5,000
  周期・期日 Bと同じ
  調査事項 労働組合の属性に関する事項,労働協約の締結状況,労働協約等の運営状況

5 用語の説明

(1) 労働組合の種類

 この調査では,労働組合を次の3種類に区分している。

単位組織組合 ・・・ 規約上当該組織の構成員が労働者の個人加入の形式をとり,独自の活動を行い得る下部組織をもたない組合をいう。
単一組織組合 ・・・ 規約上当該組織の構成員が労働者の個人加入の形式をとり,かつその内部に単位組織組合に準じた機能をもつ組織(支部等)を有する組合をいう。
 なお,単一組織組合の各組織段階のうち,最上部組織を本部,独自の活動を行い得る最下部組織(例えば支部)を単位扱組合といい,その中間組織(例えば地方本部)を連合扱組合という。
 また,単一組織組合は,次のような区分でとらえられる。
  
 本部 ・・・ 最上部の組織
 単位扱い組合 ・・・ 独自の活動を行いうる体制を備えている最下部組織
連合団体 ・・・ 規約上,当該組織の構成員が労働組合の団体加盟の形式をとる組合をいう。
 なお,連合団体のうち,加盟組合の連絡,相互援助等を目的とするにとどまるものを協議体組織,その決定が加盟組合を拘束し得るようなものを連合体組織という。

(2) 労働組合数及び労働組合員数

 現在,我が国の労働組合数は幾つかという場合,「単位労働組合数」,「単一労働組合数」の二通りの結果数値が存在する。労働組合員数についても同様である。

単位労働組合数 ・・・ 単位組織組合と,単一組織組合のうちの単位扱い組合をそれぞれ1組合として合計したものである。
単一労働組合数 ・・・ 単位組織組合と,単一組織組合の本部をそれぞれ1組合として合計したものである。

労働争議統計調査

1 実施機関

 厚生労働省大臣官房統計情報部賃金福祉統計課

2 調査の目的

 我が国における労働争議の状況を調査してその実態を明らかにし,労働行政上の基礎資料とする。

3 調査方法等

  調査対象 地域:全国,単位:その他,属性:使用者側と争議行為のあった労働組合又は労働者の団体
  調査方法 選定:全数 客体数:1,800 配布:職員 取集:職員 記入:他計
  周期・期日 周期:月 期日:翌月20日まで
  調査事項 事業所の名称及び常用労働者数,事業所の主要生産品名又は事業の内容,争議の性格,スト権を委譲した最上部組合名,労働組合の名称及び労働組合員数,争議発生年月日,争議解決年月日,解決方法,統一行動年月日,企業の全常用労働者数規模,上部団体区分,要求事項,争議の参加人員及び行為参加人員,争議行為の形態別期間,行為参加人員及び労働損失日数,第三者関与の状況,労働組合への適用法規

4 用語の説明

(1) 労働争議の単位

 労働争議の単位は労働組合であり,争議団も含む。原則として単位労働組合が自ら有する争議権に基づき独自の立場で行う労働争議(単独争議)を1件として取り扱うが,上部組合(連合団体)が下部組合(単位労働組合)の争議権を集約し,上部組合の発する争議指令に基づき多くの下部組合が一団となって行う労働争議(連合争議)も1件として取り扱う。

(2) 労働争議の種類

 労働争議は,次のように分けられる。

労働争議の区分

(3) 参加人員及び労働損失日数

 総参加人員 ・・・ 争議行為に参加すると否とにかかわらず労働争議継続期間中における組合又は争議団の最大員数をいう。
 行為参加人員 ・・・ 実際に争議行為を行った実人員をいう。
 労働損失日数 ・・・ 半日以上の同盟罷業及び作業場閉鎖の行われた期間に実際に作業を行わなかった争議参加人員の延人数の合計(間接的な損失日数を含まない)に対応する所定労働日数をいう。

[労働災害]

統計の沿革

 明治38年(1905)3月「鉱業法」が制定され,44年(1911)3月「工場法」が成立した。

 これらの法律の施行に伴い,鉱業法に基づき鉱山労働者を対象とした労働災害,工場法に基づき製造業者を対象とした労働災害を調査しており,その結果は「工場監督年報」により公表されている。また,建設業を対象とした労働災害については「労働者災害扶助年報」に掲載された。戦後,昭和22年(1947),工場法,労働者災害扶助法等に代わり「労働基準法」(法律第49号)が制定され,これに伴い,24年(1949)から労働者災害補償保険における行政資料,特に保険料率算定等の基礎資料を得る目的で調査が実施されている。これ以外に,昭和27年(1952)から「毎月労働災害統計調査」が労働省統計調査部(現厚生労働省)により始められ,その後,調査対象等の改正が行われ,現在「労働災害動向調査」と改称し実施されている。

労働災害動向調査

1 実施機関

 厚生労働省大臣官房統計情報部賃金福祉統計課

2 調査の目的

 

 主要産業における労働災害の発生状況の推移を半期及び年間について明らかにし,労働行政の基礎資料とする。

3 調査の沿革

 この調査は,昭和27年(1952)から「毎月労働災害統計調査」(常用労働者30人以上事業所を対象)として労働大臣官房統計調査部により始められ,43年(1968)に「労働災害動向調査毎月調査」と改称された。その後,昭和49年(1974)から「労働災害動向調査」として四半期ごとの調査に改められて現在に至っている。また,昭和52年(1977)から調査結果の精度を向上させるために調査対象を常用労働者を100人以上雇用する事業所とし,別に10〜99人事業所を対象とする労働災害動向調査(小規模事業所調査)が開始されたが,55年(1980)調査から両調査を統合し,前者を甲調査として半期及び年間の状況を,後者を乙調査として年間の発生状況を調査している。

4 調査の構成及び方法等

 A−労働災害動向調査甲調査票上半期,B−労働災害動向調査甲調査票下半期,C−労働災害動向調査甲調査票(建設業総合工事用)上半期,D−労働災害動向調査甲調査票(建設業総合工事用)下半期,E−労働災害動向調査乙調査票

 A−労働災害動向調査甲調査票上半期

  調査対象 地域:全国(一部地域を除く),単位:事業所,属性:林業,鉱業,建設業(総合工事業を除く),製造業,電気・ガス・熱供給・水道業,情報通信業(通信業,新聞業,出版業に限る),運輸業,卸売・小売業,飲食店,宿泊業(旅館,ホテルに限る),複合サービス業(郵便局に限る),サービス業(洗濯業,旅行業,ゴルフ場,一般廃棄物処理業,産業廃棄物処理業,自動車整備業,機械修理業及び建物サービス業に限る)に属し,100人以上の常用労働者を雇用する民・国・公営事業所
  調査方法 選定:無作為抽出,客体数:13,500,配布:郵送,取集:郵送,記入:自計
  周期・期日 周期:年,期日:7月21日
  調査事項 事業所の属性に関する事項,調査期間中の事業所の全労働者数及び常用労働者数,調査期間中の全労働者の延実働時間数,労働災害による労働不能程度別死傷者数及び延休業日数,永久一部労働不能の身体障害者等級内訳別負傷者数,不休災害被災労働者数

 B−労働災害動向調査甲調査票下半期

   Aと同じ。ただし,調査期日は1月20日

 C−労働災害動向調査甲調査票(建設業総合工事用)上半期

  調査対象 地域,単位:Aと同じ,属性:建設業のうち総合工事業で,労働者災害補償保険の概算保険料が160万円以上又は工事の請負金額が1億9,000万円以上の工事現場
  調査方法 選定,配布,取集,記入:Aと同じ,客体数:2,300
  周期・期日 Aと同じ
  調査事項 事業所の属性に関する事項,工事の請負金額,調査期間中の工事日数,調査期間中の工事現場の全労働者の延実働日数及び延実働時間数,「工事日数」又は「工事現場の全労働者の延実働日数」の前期に対する変化の要因,労働災害による労働不能程度別死傷者数及び延休業日数,永久一部労働不能の身体障害者等級内訳別負傷者数,不休災害被災労働者数

 D−労働災害動向調査甲調査票(建設業総合工事用)下半期

   Cと同じ。ただし,調査期日は1月20日

 E−労働災害動向調査乙調査票

  調査対象 地域,単位:Aと同じ,属性:Aと同じ対象産業に属する10人〜99人の常用労働者を雇用する民・国・公営事業所
  調査方法 選定:無作為抽出,客体数:12,000,配布:調査員・郵送併用,取集:調査員・郵送併用,記入:自計
  周期・期日 周期:年 期日:1月末日
  調査事項 事業所の属性に関する事項,企業全体の全常用労働者数,事業所の全労働者数及び常用労働者数,調査期間中の全労働者の延実働時間数,労働災害による労働不能程度別死傷者数及び延休業日数,永久一部労働不能の身体障害者等級内訳別負傷者数

5 用語の説明

(1)労働災害

 労働者が業務の遂行中,業務に起因して発生した災害により,死亡又は身体の一部を喪失あるいは身体の一部の機能が不能になった場合,又は療養のため1日以上(負傷当日を除く)の休業を伴った場合をいう。

(2)度数率

 100万延労働時間当たりの労働災害による死傷者数をもって災害発生の頻度を表したものである。

   度数率=(労働災害による死亡者数/延労働時間数)×1,000,000

(3)強度率

 1,000延労働時間当たりの労働損失日数をもって災害の重篤度を表したものである。

   強度率=(労働損失日数/延労働時間数)×1,000

(4)平均労働損失日数

 労働災害による死傷者一人当たりの労働損失日数。
 なお,労働損失日数は,次の基準により算出する。
 死亡及び永久全労働不能(7,500日),永久一部労働不能は,身体障害等級別に定められた労働損失日数(5,500日〜50日),一時労働不能は,暦日の休業日数に300/365を乗じた日数。

鉱山保安統計

1 実施機関

 資源エネルギー庁原子力安全・保安院鉱山保安課

2 調査の目的

 鉱山における労働災害の発生状況を毎月調査し,その推移を明らかにして鉱山保安行政の基礎資料とする。

3 調査の沿革

 我が国の鉱山災害に関する報告は,明治25年(1892)3月農商務省令による鉱業警察規則の施行により初めて法的に義務付けられ,鉱山災害が集計された。大正元年(1912)12月の改正では,鉱山災害について1か月ごとに事由と員数を鉱山監督署長に提出させるようになったが,現在のように一定の様式に基づき月報として報告が義務付けられたのは5年(1916)9月以降である。この月報は,昭和4年(1929)に鉱業法の大改正に伴い「災害死傷月報」と改称され,24年(1949)8月鉱山保安法の施行に伴い,更に「鉱山保安統計月報」と改称されて再発足した。最も注目すべき改正点は,石炭(亜炭を含む),金属・非金属,石油の各鉱山部門別にそれぞれの特殊性に応じた月報様式を作成し,従来の一定様式を廃止した点である。

4 調査の構成及び方法等

 A−災害月報(石炭鉱山,亜炭鉱山),B−災害月報(金属・非金属鉱山,石灰石鉱山),C−災害月報(石油鉱山),D−災害月報附帯票

 A−災害月報(石炭鉱山,亜炭鉱山),B−災害月報(金属・非金属鉱山,石灰石鉱山),C−災害月報(石油鉱山)

  調査対象 地域:全国,単位:事業所,属性:石炭鉱山,亜炭鉱山,金属・非金属鉱山(含石灰石鉱山)及び石油鉱山の鉱業権者
  調査方法 選定:全数,客体数:1,015,配布:郵送,取集:郵送,記入:自計
  周期・期日 周期:月,期日:調査月の翌月末
  調査事項 鉱内(外)別・事由別災害回数,死亡者数,負傷者数(鉱山労働者,保安技術職員別),損失日数,鉱内(外)鉱山労働者数,稼働延人員,稼働延時間(鉱山労働者,保安技術職員別)

 D−災害月報附帯票

  調査対象 地域,単位,属性:Aと同じ
  調査方法 選定,配布,取集,記入:Aと同じ,客体数:1,080
  周期・期日 Aと同じ
  調査事項 災害回数,死亡者数,重傷者数,軽傷者数(月稼働延100万人当たり,延100万時間当たり,毎月の出鉱100万トン当たり,出炭100万トン当たり)

[賃金]

統計の体系と沿革

 職種別賃金に関する統計としては,明治33年(1900)から大正9年(1920)までの主要職種の平均賃金を掲載した農商務省刊行の「賃金表」と,商工省刊行による明治33年(1900)から昭和14年(1939)までの職種別賃金を掲載した「賃銀統計表」がある。
 職種別賃金に関する統計は戦後急速に整備が進み,昭和23年(1948)に労働省(現厚生労働省)により「日雇労務者賃金調査」(後に「屋外労働者職種別賃金調査」と改称)及び「個人別賃金調査」(後に「賃金構造基本統計調査」と改称)が,また,人事院により「職種別民間給与実態調査」が開始された。この外,昭和25年(1950)に国税庁により「民間給与実態調査」が,29年(1954)に労働省(現厚生労働省)により「林業労働者職種別賃金調査」が開始されている。
 さらに,産業別(工場種類別)平均給与に関する統計としては,内務省が大正12年(1923)に開始した職工賃銀毎月調査及び鉱夫賃銀毎月調査において産業別賃金が調査されている。この後両調査は所管,調査名等を変えつつ,現在厚生労働省が実施する「毎月勤労統計調査」に引き継がれている。なお,「賃金構造基本統計調査」においても産業別の詳細な統計が作成されている。

賃金構造基本統計調査(基幹統計調査)

1 実施機関

 厚生労働省大臣官房統計情報部賃金福祉統計課

2 調査の目的

 主要産業に雇用される常用労働者について,その賃金の実態を産業,地域,企業規模,労働者の種類,性,職種,学歴,年齢,勤続年数,経験年数別に明らかにする。

3 調査の沿革

 この調査は,昭和23年(1948)に開始された「個人別賃金調査」を源とし,その後数次の改正を経て,33年(1958)に「賃金構造基本統計調査」となり,さらに36年(1961)〜38年(1963)には別の名称で調査が実施されたが,昭和39年(1964)以降は現行名称に改められて,現在に至っている。なお,昭和45年(1970)からは,初任給の明示,パートタイム賃金調査の実施,標準労働者に関する賃金集計,賃金分布特性値の算出・明示などの拡充改善が,平成14年(2002)にはパートタイム労働者の職種別賃金結果の公表が行われた。

4 調査の構成及び方法等

 A−事業所票,B−個人票

 A−事業所票

  調査対象 地域:全国(ただし,北海道,東京都,長崎県,鹿児島県,沖縄県各都道府県の一部地域を除く),単位:事業所,属性:鉱業,建設業,製造業,電気・ガス・熱供給・水道業,情報通信業,運輸業,卸売・小売業,金融・保険業,不動産業,飲食店,宿泊業,医療,福祉,教育,学習支援業,複合サービス業,サービス業(他に分類されないもの,その他の生活関連サービス業のうち家事サービス業及び外国公務を除く)に属する常用労働者5人以上を雇用する事業所
  調査方法 選定:無作為抽出,客体数:78,000,配布:調査員,取集:調査員,記入:自計
  周期・期日 周期:年,期日:7月1日〜31日
  調査事項 事業所の名称及び所在地,主要な生産品又は事業内容,雇用形態別労働者数,常用労働者数,新規学卒者の初任給額及び採用人員(民営の事業所に限る)

 B−個人票

  調査対象 地域,単位:Aと同じ,属性:Aの対象事業所に雇用される常用労働者。
  調査方法 選定,配布,取集,記入:Aと同じ,客体数:1,680,000
  周期・期日 Aと同じ
  調査事項 労働者番号又は氏名,性,年齢,雇用形態,就業形態,最終学歴,勤続年数,役職又は職種,労働者の種類,経験年数,実労働日数,所定内実労働時間数,超過実労働時間数,きまって支給する現金給与額,超過労働給与額,諸手当,年間賞与等

5 用語の説明

産業 ・・・ 日本標準産業分類による14大産業。
経験年数 ・・・ 現在の職種に従事した年数をいう。
1日当たりの所定内実労働時間数 ・・・ 個人ごとの所定内実労働時間数を実労働日数で除したもの。
1時間当たりの所定内給与額 ・・・ 個人ごとの所定内給与額を所定内実労働時間数で除したもの。
年間賞与その他特別給与額 ・・・ 前年1年間における賞与,期末手当等の特別給与額をいう。
初任給額 ・・・ その年に採用し調査日現在で現実に雇用している新規学卒者の所定内給与額から通勤手当を除いたもので,その年度の初任給額として確定したもの。
標準労働者 ・・・ 学校卒業後直ちに企業に就職し,同一企業に継続勤務しているとみなされる労働者をいう。
分布特性値 ・・・ 労働者を賃金の高い者から低い者へと1列に並べて取った分位数(四分位と十分位)及び次式によって計算した分散係数をいう。
   四分位分散係数=(第3・四分位数−第1・四分位数)÷(2×中位数)
   十分位分散係数=(第9・十分位数−第1・十分位数)÷(2×中位数)

 その他の用語の説明は,毎月勤労統計調査の用語に準ずる。

屋外労働者職種別賃金調査(指定統計第53号,平成16年調査をもって中止)

1 実施機関

 厚生労働省大臣官房統計情報部賃金福祉統計課

2 調査の目的

 建設業及び港湾運送関係事業に雇用される労働者の賃金を職種別に調査し,その実態を明らかにする。

3 調査の沿革

 この調査は,昭和23年(1948)11月に実施された「日雇労務者賃金調査」を源とし,翌24年(1949)から年数回実施されたが,27年(1952)11月調査から「職業別賃金調査(乙調査)」として年1回調査となり,さらに32年(1957)からは現行名称に改められて現在に至っている。

4 調査の構成及び方法等

 A−屋外労働者職種別賃金調査(建設業事業所票),B−屋外労働者職種別賃金調査(港湾運送関係事業事業所票),C−屋外労働者職種別賃金調査(個人票)

 A−屋外労働者職種別賃金調査(建設業事業所票)

  調査対象 地域:全国(一部地域を除く),単位:事業所,属性:常用労働者5人以上を雇用する建設業の民営事業所
  調査方法 選定,配布,取集,記入:Aと同じ,客体数:1,680,000
  周期・期日 周期:年,期日:9月
  調査事項 事業所の名称及び所在地,主な事業内容,主な工事の種類,事業所及び企業の全常用労働者数,職種別労働者数

 B−屋外労働者職種別賃金調査(港湾運送関係事業事業所票)

  調査対象 地域,単位:Aと同じ,属性:常用労働者10人以上を雇用する港湾運送関係事業の民営事業所
  調査方法 選定,配布,取集,記入:Aと同じ,客体数:1,200
  周期・期日 Aと同じ
  調査事項 事業所の名称及び所在地,主な事業内容,事業所及び企業の全常用労働者数,職種別労働者数

 C−屋外労働者職種別賃金調査(個人票)

  調査対象 地域:全国(一部地域を除く),単位:個人,属性:A及びBの調査対象事業所に雇用されている常用労働者及び日雇労働者
  調査方法 選定,配布,取集,記入:Aと同じ,客体数:157,000
  周期・期日 Aと同じ
  調査事項 氏名又は労働者番号,職種番号,年齢,雇用形態,賃金形態,通勤又は住込の別(建設業のみ),実労働日数,実労働時間数,きまって支給する現金給与額

職種別民間給与実態調査

1 実施機関

 人事院勤務条件局給与第一課

2 調査の目的

 国家公務員法及び地方公務員法に規定する趣旨に基づいて公務員の給与と民間事業所の従業員の給与とを比較検討するための基礎資料とする。

3 調査の沿革

 この調査は,人事院が昭和23年(1948)に第1回の調査を開始し,以降毎年1回(昭和25年(1950)は,5月及び9月の2回)実施している。なお,昭和39年(1964)までは事業所規模50人以上を対象としていたが,昭和40年(1965)以降は,事業所規模50人以上,かつ,企業規模100人以上を調査対象としている。

4 調査の構成

 A−事業所票(1),B−事業所票(2),C−初任給調査票,D−個人票

5 調査対象

 日本標準産業分類(平成14年(2002)3月改訂)に基づく産業大分類のうち,農業,林業,飲食店,宿泊業,複合サービス事業を除く13大産業に属する企業規模30人以上で100人未満の本店事業所並びに常時勤務する従業員及び4月新規採用の常勤従業員。

6 調査方法

 選定:無作為抽出,客体数:8,100,配布:調査員,取集:調査員,記入:他計

7 周期・期日

 周期:年 期日:7月31日まで

8 調査事項

A 事業所票(1) ・・・ 事業所名,賞与及び臨時給与の支払状況
B 事業所票(2) ・・・ 事業所名,本年の給与改定の状況,冬季賞与の支給状況,単身赴任者に対する手当・家族手当・住宅手当の支給状況,通勤時間制度等の状況,雇用調整の状況
C 初任給調査票 ・・・ 事業所名,学歴別初任給月額の状況,職種別・学歴別・性別採用者数,職種別・学歴別・性別初任給月額,職種別・学歴別・性別前年初任給月額
D 個人票 ・・・ 事業所名,職種番号,該当従業員数,年齢,学歴,性,きまって支給する給与総額,時間外手当,役付手当,通勤手当,賞与及び臨時給与の額

9 用語の説明

 この調査の常用労働者及び現金給与額等の定義は「毎月勤労統計調査」(「雇用・労働時間」の項)に準じている。

[指数・加工統計]

指数・加工統計の体系と沿革

 現行の労働・賃金の指数・加工統計の体系は,[1]毎月勤労統計調査結果から得られる雇用・労働時間・賃金に関する各月・年の統計値を基準時の該当数字で除して算出する単純指数,[2]総合に労働経済的意味をもたせたラスパイレス式などの総合指数,[3]産業連関分析理論による各最終需要の誘発労働需要量の系列からなる。
 毎月勤労統計調査結果から得られる雇用・労働時間・賃金の各指数は,以下のように拡充してきた。

事業所規模30人以上 ・・・ 昭和27年(1952)1月以降,産業大分類と特定産業中分類
事業所規模5人以上 ・・・ 平成2年(1990)1月以降,産業大分類と特定産業中分類
事業所規模30人以上
 及び5人以上の就業形態別
・・・ 平成5年(1993)1月以降,4大産業大分類

常用雇用指数

1 作成機関

 厚生労働省大臣官房統計情報部雇用統計課

2 作成指数

 事業所規模5人以上及び30人以上の2区分について、就業形態計,一般労働者及びパートタイム労働者指数を作成している。

3 指数のギャップ修正

 毎月勤労統計調査では,定期的に,第一種事業所の抽出替え(調査対象事業所の入れ替え)を行ってきており,調査結果に時系列的なギャップが生じるおそれがある。このため,修正する処理を適宜行うことでより正確な時系列比較を行うことが可能と考えられるときは,指数を修正することとしている。この修正を通常,ギャップ修正と呼んでおり,原則として,第一種事業所の抽出替えと併せて実施している。
 ギャップ修正の考え方の基本は,(1)調査対象である事業所を数年間固定していることから,調査対象の陳腐化(相対的に開設時期の古い事業所ばかりが対象となり,新設された事業所の状況が反映されにくい等の問題点がある。)により,集計結果が母集団(現実の全事業所)の状況から少しずつずれていくとみなす。(2)このずれは,前回のギャップ修正以降に生じたもので,一定の割合で累積していく。(3)したがって,ギャップ修正はこのずれを少しずつ調整するものである。

4 指数の年平均等

 指数の年平均,年度平均,半期平均及び四半期平均(以下「年平均等」という。)は,すべて,各月の指数の単純平均により算出している。なお,実質賃金指数の年平均等は,名目賃金指数及び消費者物価指数のそれぞれについて,年平均等をとったものの比率で算出する。

労働時間指数

1 作成機関

 厚生労働省大臣官房統計情報部雇用統計課

2 指数の概要と性格

 厚生労働省は,毎月勤労統計調査の調査結果により,事業所規模30人以上の事業所について次の3種類の労働時間指数を昭和27年(1952)分から公表している。

  • 総実労働時間指数
  • 所定内労働時間指数
  • 所定外労働時間指数

 これらの指数は,それぞれ毎月勤労統計調査の一人平均月間総実労働時間数,同所定内労働時間数及び同所定外労働時間数を指数化したものである。
 この労働時間指数については,時系列的連続性を保つためギャップ修正を行っており,前回の抽出替えの時点までさかのぼって指数を改定している。なお,労働時間指数については,雇用指数の場合のような母集団の中間補正による指数の修正は行われていない。
 なお,指数の年平均等の算出は,常用雇用指数と同様である。

賃金指数

 戦前については,農商務省が明治33年(1900)〜大正11年(1922)の間についての「職種別賃金指数」を,また,商工省が明治33年(1900)〜昭和14年(1939)の間の「職種別賃銀指数」を公表している。
 戦後については,労働省(現厚生労働省)が毎月勤労統計調査の結果により,産業別の「名目賃金指数」と「実質賃金指数」を公表している。

1 作成機関

 厚生労働省大臣官房統計情報部雇用統計課

2 指数の概要

(1) 名目賃金指数

  
  • 現金給与総額指数
・・・ 常用労働者の一人平均月間の「現金給与総額」を指数化したもの。
  • 定期給与指数
・・・ 常用労働者の一人平均月間の「きまって支給する給与」を指数化したもの。
  • 所定内給与指数
・・・ 常用労働者の一人平均月間の「所定内給与」を指数化したもの。(昭和55年(1980)以降)

 これらの賃金指数についても,労働時間指数と同様に,時系列的連続性を保つためギャップ修正を行っており,前回の抽出替えの時点までさかのぼって指数を改定している。
 この指数は,常用労働者一人当たりの平均(稼得)賃金や平均賃金費用の動向を示したもので常用労働者の質別賃金率動向を総合したものではない。高年齢化・高学歴化などが急速に進展している近年の賃金率動向は賃金率指数によらなければならない。なお,指数はすべて月当たりで示されており,時間当たりで使用する場合は,労働時間指数で除して用いればよいことになるが,この方法は総和法であることに留意する必要がある。
 なお,指数の年平均等の算出は,常用雇用指数と同様であるが,実質賃金指数の年平均等は,名目賃金指数及び消費者物価指数のそれぞれについて,年平均等をとったものの比率で算出している。

(2) 実質賃金指数

 実質賃金指数は,名目賃金指数を総務省統計局消費者物価指数で除して算定した指数で,次の2種類が昭和30年(1955)分から作成されている(現行指数は平成12年基準指数である)。

  
  • 現金給与総額指数
  • 定期給与指数
 なお,実質賃金指数は,名目賃金指数のギャップ修正に伴い改定されるほか,消費者物価指数の改正によっても改定されることがある。

賃金率指数と賃金率格差

 賃金の格差を区分する統計分類には,労働者の属性(性,学歴,年齢,勤続年数,職階,職種,経験年数,雇用形態及び就業形態),企業の属性(産業,企業規模及び地域)があるが,少子高齢化・高学歴化など経済・社会の発展とともにその構成は急速に変化している。
 賃金指数の変化はその算式(総和法)から労働の質別賃金の変化とともに労働者構成の変化を含んでいる。

 (平均賃金変化の分解)

平均賃金変化の分解

 独立行政法人労働政策研究・研修機構では,労働者構成の変化を出来るだけ除去した賃金率動向を示す指数の開発を行った。その方法は,労働者の属性に着目し,所定内給与に関する賃金率の動きを示す指数として,性,学歴(4区分),年齢階級(12区分),勤続年数階級(9区分)別の労働者構成を5年ごとに固定(864区分)した指数を計算し,これを接続して基準時に換算した所定内給与ラスパイレス指数として公表している。基礎データは賃金構造基本調査である。本章では,その結果を賃金率指数として収録した。
 所定内給与の産業・企業規模間賃金率格差指数は,各年の「産業計」の労働者構成を固定して算出している。

最終需要の労働需要誘発

 産業連関分析理論によれば,最終需要(例えば民間消費)は産業別生産を誘発しそのために必要な労働需要を派生需要する。本章ではその結果である労働需要を最終需要との関連において昭和35年(1960)から就業者ベースと雇用者ベースについて収録した。

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