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第9章 建設業 解説

 この章では,我が国の建設業にかかわる統計を収録しており,その中心は次の体系に示すように,国土交通省整備の統計であるが,できるだけ幅広く建設業関係の統計を収録することとし,民間作成の統計も一部収録している。

収録統計の体系

 なお,この外に建設労働・資材原単位調査,主要建設資材需給・価格動向調査,建築工事費内訳調査,公共工事費内訳調査,土木工事費内訳調査などがある。これは建設工事には公共機関発注の工事が半数近くあり,適正な工事価格を見積もることなどの必要性から,建設労働・資材の動向の把握が欠かせないためであるが,本章には収録していない。

建設投資推計(建設投資見通し)

1 実施機関

 国土交通省総合政策局情報管理部建設調査統計課

2 推計の目的

 我が国における建設活動の経済的な位置及びその大きさを把握することを目的としており,建設活動が我が国経済に与える諸影響を計測することを可能とする統計である。推計は,建設活動の大きさと構造を金額で把握し,当該年度の見通しまで推計している加工統計である。

3 推計の沿革

 建設活動の全体像をとらえる試みは,経済企画庁(現内閣府)によって「建設事業費の推計」として昭和26年度(1951)〜28年度(1953)について行われたのが始まりである。続いて,昭和28年度(1953)〜31年度(1956)について「新規建設支出額推計」として推計されたが,経済企画庁の推計は,昭和31年度(1956)で中止された。このため建設省(現国土交通省)が「建設工事費推計」として昭和33年(1958)に試算し,36年(1961)には31年(1956)まで遡及推計が行われた。
 その後,推計方法の改善が行われ,昭和40年(1965)代の前半までに各推計部門の定義,統計資料の統一,推計方法の定式化が行われ,現行の基礎が確立した。
 また,平成元年度(1989)には昭和55年度(1980)までさかのぼって地域別建設投資額が推計され,以後全国値と地域別の推計が行われるようになった。現在,全国値については昭和35年度(1960)以降の系列が作成されているが,過去の公表資料によって30年度(1955)までさかのぼることができる。

4 推計の方法

 推計は,当該年度の見通し(予測)と3年前の実績値確定,1年前及び2年前の推計値の修正を行っている。

(1) 過去の実績値

 ア 建築投資

  建築投資は,建築着工統計の工事費予定額の用途別,構造別の進捗パターンを基に出来高展開したものに,統計の漏れ及び単価修正を加えて求めている。

 イ 土木投資

  土木投資は,建設業務統計,政府関係機関及び地方公共団体の決算書を積み上げ,民間投資は建設工事施工統計等を基に推計している。

(2) 当該年度の予測値

 政府投資については,国は事業別の予算を基に繰越等を考慮し,地方単独事業については,地方財政計画や都道府県予算等を基に推計する。民間投資については,民間の設備投資計画等を基に推計する。

5 利用上の注意

(1) 投資と工事概念の違い

 建設投資推計で推計している投資額は,建設物を作るのに要したすべての費用を指しているので,いわゆる請負工事額より大きい数字として推計されている。なお,投資額は,国民所得の増分となるものであるため,いわゆる維持補修工事は含まれていないが,公共事業の維持補修,災害復旧は含まれている。当然のことながら,用地補償費や土地購入費は含まれていない。

(2) 推計額は出来高

 建設投資推計は,発注ベースでも着工ベースでもまた完成ベースでもなく,経済活動の実態に合致するように,出来高ベースでとらえられている。

(3) 政府・民間区分は,最終所有者ベース

 基本的には国民経済計算の概念に沿って政府・民間の区分をしている。
 発注者区分としての政府・民間の仕分けは,最終的な建設物の所有者ベースで行われている。

建築着工統計調査(指定統計第32号)

1 実施機関

 国土交通省総合政策局情報管理部建設調査統計課

2 調査の目的

 全国における建築物の毎月の着工状態を明らかにし,建築行政及び住宅行政に関する基礎資料とする。

3 調査の沿革

 建築の動態に関する統計は,戦前には「市街地建築物法」に基づく竣工建築物統計(内務省)があり,また商工省でも同様の資料によって建築許可統計を作成していたが,法律の適用地域が限定されており,地域内でも全部が集計されていないなどの欠点があった。
 戦後は建築調査令,臨時建築等制限規則により,築造許可,着工,竣工の3系列が作成されていたが,その後,昭和25年(1950)3月に指定統計第32号の指定を受け,建築動態統計調査規則が施行され,11月には臨時建築等制限規則が廃止されたことによって,着工のみの統計調査となった。
 なお,昭和26年(1951)に新たな「建築動態統計調査規則」が施行され,この調査とは別に「建築物滅失統計調査」(後述)が実施されることとなり,建築物の増減両面の動態統計が得られるようになった。
 また,昭和34年(1959)には床面積の単位が坪から平方メートルになり,58年(1983)からは調査票がOCR化され,その後の集計の効率化や公表の早期化の準備がされた。昭和63年(1988)4月からは住宅の工法について,在来工法,プレハブ工法以外に枠組壁工法(ツーバイフォー)が加えられるなどの改正が行われている。

4 調査の構成及び方法等

 A-建築着工統計調査票 B-補正調査票

 A-建築着工統計調査票

  記入は建築基準法に基づく届出又は報告をもとに都道府県が行い,調査票は郵送又はオンラインにより国土交通省に送付される。
 
   調査対象 地域:全国,属性:建築基準法第15条第1項の規定による,建築工事届の行われた建築物,選定:全数
   周期・期日 周期:月,期日:毎月
   調査事項 建築場所,工事の予定期間,建築主,工事種別,建築物の用途,構造,床面積の合計,工事費予定額,新築の場合における階数及び敷地面積等

 B-補正調査票

  調査は調査員によって行われ,記入は他計申告方式による。

  調査対象 地域:全国,属性:Aと同じ,選定:無作為抽出,客体数:13,500
  周期・期日 Aと同じ
  調査事項 建築場所,工事の予定期間,建築主,工事種別,建築物の用途,構造,床面積の合計,工事費予定額,実施床面積の合計,工事実施額等

5 用語の説明

 建築着工統計調査から作成される建築物着工統計及び住宅着工統計の主な用語の説明は次のとおりである。

(1) 建築物着工統計

 ア 用途別

   A居住専用住宅,B居住専用準住宅,C居住産業併用,D農林水産業用,E鉱業・建設業用,F製造業用,G電気・ガス・熱供給・水道業用,H情報通信業用,I運輸業用,J卸売・小売業用,K金融・保険業用,L不動産業用,M飲食店・宿泊業用,N医療・福祉用,O教育・学習支援業用,Pその他のサービス業用,Q公務用,R他に分類されない建築物

 イ 構造別

   建物の主要構造部(壁,柱,床,はり,屋根又は階段)が何かにより,以下のとおり区分し,複数の構造からなる場合は,床面積の広い方の構造とする。

 (ア) 木造(木造モルタル塗り及び土蔵を含む)

 (イ) 鉄骨鉄筋コンクリート造

 (ウ) 鉄筋コンクリート造

 (エ) 鉄骨造(鉄骨をリプラスしてあるもの。軽量鉄骨造を含む)

 (オ) コンクリートブロック造(外壁ブロック造を含む)

 (カ) その他(上記以外のもの。例えば,石造,レンガ造,無筋コンクリート造など)

 なお,住宅・土地統計調査では,木造には防火木造に該当するものは含まれていないが,ここでの木造には防火木造が含まれている。

(2) 住宅着工統計

 ア 戸

  居室及び台所,トイレなど独立して居住できる設備を備えた1棟の建物又は区画された建物の一部をいう。

  この定義は,住宅・土地統計調査での住宅の定義と同じである。

 イ 工事別

 (ア) 新設

   住宅の新築(旧敷地以外の敷地への移転を含む),増築又は改築によって住宅の戸が新たに造られる工事をいう。

 (イ) その他

  住宅が増築又は改築されるときで,住宅の戸が新たに増加しない工事をいう。

 ウ 住宅の種類別

 (ア) 専用住宅 ・・・ 住宅内に店舗,事務所,作業場等業務の用に供する部分がなく,居住の目的だけのために建築するもの。
 (イ) 併用住宅 ・・・ 住宅内に店舗,事務所,作業場等業務の用に供する部分があって居住部分と機能的に結合して戸をなしているもので,居住部分の床面積の合計が建築物の床面積の合計の20%以上のもの。
 (ウ) その他の住宅 ・・・ 工場,学校,官公署,旅館,下宿,浴場,社寺等の建築物に附属して,これらと結合している住宅をいう。ただし,併用住宅と判別し難い場合は,その居住部分の床面積の合計が,その建築物の床面積合計の20%未満のもの。

 エ 資金別

 (ア) 民間

  民間資金のみで建てた住宅で,公営,公庫,公団,厚生年金,入植者,公務員及び公社等以外の住宅。

 (イ) 公営

   「公営住宅法」に基づいて,国から補助を受けて建てた住宅及び「住宅地区改良法」により建てた住宅(国及び都道府県から補助を受けて建てた住宅を含む)。

 (ウ) 公庫

   住宅金融公庫から融資を受けて建てた住宅(融資額の大小に関係なく一部でも公庫資金の融資を受けて建てた場合を含む)。

 (エ) 公団

  都市基盤整備公団が分譲又は賃貸を目的として建てた住宅。

 (オ) その他

   民間,公営,公庫,公団以外の住宅で,厚生年金の還元融資として都道府県から融資を受けて建てた住宅。上記以外に国又は地方公共団体から補助又は融資を受けて建てた住宅。国が国家公務員の住むため又は都道府県若しくは市区町村等の地方公共団体がその地方公務員が住むために建てた住宅。政府関係機関(例えば日本道路公団,水資源機構その他これに類するもの)がその職員のために建てた住宅及びその他の住宅。

 オ 利用関係別

 (ア) 持家

  建築主が自分で居住する目的で建築するもの。

 (イ) 貸家

  建築主が賃貸する目的で建築するもの。

 (ウ) 給与住宅

   会社,官公署,学校等がその社員,職員,教員等を居住させる目的で建築するもの(いわゆる社宅,官舎,公舎)。

 (エ) 分譲住宅

  建て売り又は分譲の目的で建築するもの。

 カ 建て方別

 (ア) 一戸建

  一つの建物が1住宅であるもの。

 (イ) 長屋建

   二つ以上の住宅を1棟に建て連ねたもので,各住宅が壁を共通にし,それぞれ別々に外部への出入口を有しているもの。いわゆる「テラス・ハウス」と呼ばれる住宅もここに含まれる。

 (ウ) 共同住宅

  1棟の内に2戸以上の住宅があり,広間,廊下若しくは階段等の全部又は一部を共用するもの。

 (エ) マンション

   便宜的に共同住宅のうち,構造が鉄骨・鉄筋コンクリート造,鉄筋コンクリート造又は鉄骨造で,利用関係が分譲住宅のもの。
 なお,この区分は,「住宅・土地統計調査」での住宅の区分と基本的には同じである。しかし,「住宅・土地統計調査」では,これらの外に「その他」として,「工場や事務所などの一部が住宅となっているような場合」を区分している。したがって,この「その他」を住宅着工統計で見る場合は,住宅の種類別内訳と建て方別のクロス統計による必要がある。

 キ 建築工法別

 (ア) 在来工法

  以下の二つの工法以外をいう。

 (イ) プレハブ工法

   住宅の主要構造部の壁,柱,床,はり,屋根又は階段等の部材を工場で大量に生産し,現場においてこれらの部材により組立建築を行う工法をいう。

 (ウ) 枠組壁工法

  ツーバイフォー工法住宅をいう。

6 利用上の注意

(1) 本統計調査は,建築基準法に基づく届出又は報告のあった10平方メートルを超える建築物が対象であるので,それ以下の建築物は含まれていない。

(2) 建築基準法に基づく届出による建築物を全数調査したものであるが,過去にはその届出が十分行われていなかったことがあり,古い年次をさかのぼるにつれて(おおむね昭和50年(1975)以前),統計には「漏れ」が生じている。

建設工事統計調査(指定統計第84号)

1 実施機関

 国土交通省総合政策局情報管理部建設調査統計課

2 調査の目的

 建設工事及び建設業の実態を明らかにする。

3 調査の沿革

 建設工事に関する統計は,明治30年代に内務省の土木統計として業務調査的なものがあり,その後の建設業務統計に継続するものであったが,建設業全体の実態を把握するものではなかった。このため,昭和31年(1956)に指定統計として「建設工事統計調査」が開始された。
 その後幾多の改定が行われたが,平成12年(2000)から建設工事統計調査のうち,毎月調査している「公共工事着工統計調査」並びに承認統計調査として毎月調査している「民間土木工事着工統計調査」及び「建設工事受注統計調査」の3調査を建設活動の動向を受注面から総合的にとらえる調査として再編・統合し,新たに「建設工事受注動態統計調査」として実施されることとなり,建設工事統計調査は,この「建設工事受注動態統計調査」と,従来からの「建設工事施工統計調査」とで構成されることとなった。
 なお,前述の3調査はこれを機に廃止された。

4 調査の構成及び方法等

 A-建設工事受注動態統計調査票甲(共通) B-建設工事受注動態統計調査票乙(大手建設業者) C−建設工事施工統計調査票(1) D−建設工事施工統計調査票(2)

 A-建設工事受注動態統計調査票甲(共通)

  調査対象 地域:全国,単位:企業,属性:建設事業所(前々年度に施工した建設工事の年間完成工事高が1億円未満の建設業者を除く)のうち国土交通大臣の指定したもの
  調査方法 選定:全数及び無作為抽出,配布:郵送・オンライン,取集:郵送・オンライン,記入:自計,客体数:12,000
  周期・期日 周期:月,期日:毎月末日
  調査事項 企業名,所在地,許可番号,経営組織,資本金又は出資金,元請・下請別及び工事種類別月間受注高,公共機関からの受注工事,民間等からの受注工事

 B-建設工事受注動態統計調査票乙(大手建設業者)

  調査対象 地域,単位:Aと同じ,属性:建設業者(前々年度に施工した建設工事の年間完成工事高が1億円未満の建設業者を除く)のうち国土交通大臣の指定した大手建設業者
  調査方法 配布,取集,記入:Aと同じ,選定:有意抽出,客体数:50
  周期・期日 周期,期日:Aと同じ
  調査事項 受注者別及び工事種類別の月間受注高,施工場所別の月間受注高,月間施工高及び月末未消化工事高,都道府県別受注高

 C-建設工事施工統計調査票(1)

  調査対象 地域,単位:Aと同じ,属性:建設業許可業者
  調査方法 配布,取集,記入:Aと同じ,選定:無作為抽出,客体数:113,000
  周期・期日 周期:年,期日:7月1日
  調査事項 企業名及び所在地,経営組織,資本金又は出資金,有形固定資産,業態別工事種類,就業者数,国内建設工事の年間完成工事高・受注高,兼業売上高,建設業の付加価値額

 D-建設工事施工統計調査票(2)

  調査対象 Cと同じ
  調査方法 Cと同じ
  周期・期日 Cと同じ
  調査事項 国内建設工事の年間完成工事高(元請工事の施工都道府県別内訳),元請完成工事高(公共発注工事,民間発注工事)

建設デフレーター

1 実施機関

 国土交通省総合政策局情報管理部建設調査統計課

2 作成の目的

 建設デフレーターは,名目工事費(あるいは事業費)を実質工事費(あるいは事業費)に換算するための倍率として作成されている。また,このデフレーターは5年ごとに基準が改定され,現在は平成12年度基準である。

3 作成の沿革

 昭和31年(1956)に建設デフレーターの前進となる建設工事費指数として,河川,道路及び河川と道路を総合した3種類の指数が作成された。昭和38年(1963)には,30年度基準の工事費指数が作成され,現行の基礎が築かれた。昭和39年(1964)には新たに建築工事を追加するとともに事業費指数(事業費デフレーター)を作成し,ほぼ現行の体系となった。昭和41年(1966)には四半期ごとに,45年(1970)からは毎月作成され,その後,平成2年度基準改定の際には労務費指数のとり方の変更やサービス項目の追加などの改善が行われ,現在に至っている。

4 建設デフレーターの種類

 建設デフレーターには,次のような種類がある。

(1) 建設総合

 ア 建設工事費デフレーター(昭和35年度(1960)以降)

(2) 国土交通省所管土木

 国土交通省が所管する公共土木事業に関するデフレーターで,次の3種類を作成している。

 ア 工事費デフレーター(昭和26年度(1951)以降)

 イ 用地・補償費デフレーター(昭和35年度(1960)以降)

 ウ 事業費デフレーター(昭和35年度(1960)以降)

5 建設デフレーターの作成方法

 建設工事は,施工場所・条件によって,同種の工事であっても内容が異なり,一般商品のような物価指数の作成方法が適用されにくい。
 このため,建設工事費デフレーターは,建設工事費を構成する最終的な要素費用(木材,砂利,セメント,鉄鋼,労務等)に分け,それらの工事費に占めるウエイトを求め,次に,それぞれの要素に対応させた物価指数及び労務費指数をそのウエイトで統合して求めている。
 これは物価指数算出方法のラスパイレス算式であり,5年ごとにそのウエイトを新しいものに置き換え,基準を改定している。
 用地・補償費デフレーターも同様の作成方法で,用地補償費の内訳を細かに分解し,地価指数等を用いて算出している。
 また,事業費デフレーターは,事業費を工事費と用地補償費に分け,その割合で工事費デフレーターと用地・補償費デフレーターを合成して算出している。

6 利用上の注意

 指数算式の制約上,上方偏向性は避けられない。また,資材と労務費の物価変動のみから計算されることから,実際の建設市場変動は直接的には反映されない。

建設物価建築費指数

1 実施機関

 (財)建設物価調査会経済研究部

2 作成の目的

 建物を建築する際の工事価格の変動を明らかにすることを目的として,毎月作成しているもので,建築工事費(工事原価)に関する一種の物価指数である。
 指数は5年ごとに基準が改定され,現行指数の基準時は平成12年(2000年)である。

3 作成の沿革

 建築工事の価格変動に関する統計は,建設工業経営研究会が昭和26年(1951年)から毎月作成している標準建築費指数があるが,これは研究会の会員である大手建設業者の調査資料等から作成されている。
 本指数は,より一般的な建築費指数を作成するため,(財)建設物価調査会が昭和55年(1980年)から毎月作成しているものである。また,平成2年(1990年)からは大阪,名古屋,福岡,広島,高松,金沢,新潟,仙台,札幌の9都市別の指数及び東京を100とした都市間格差指数を作成している。

4 作成の方法

 建築物に限らず一般に建設されるものは,同種の建設物であってもその工事場所や細部などそれぞれ個別の条件の違いによって,それぞれの工事費(あるいは請負契約額)を比較しても正しい価格の比較にはならない。また,時系列的に比較しても同様である。このため,建築物をいわば基準化し,机上の計算値で価格等を比較するなどの方法が採られる。
 なお,ウエイトは,産業連関表の基礎資料を用いて5年ごとに改定し,価格データは(財)建設物価調査会が毎月調査している施工単価等の資料を用いている。

5 指数の種類

 指数は,工事原価に対するものの外,建築工事・設備工事等原価を構成する部分工事についても作成されている。

(1)標準指数

  構造・使途別に34種(東京地区),地域別は12種。

(2)構造別平均指数

  4種(東京地区)。

(3)モデル指数

   実際に建築された建築物について,構造・使途別に16種(東京地区のみ)で,随時建築物を新しいものに入れ替えている。

(4)地域指数

  年1回,年平均として構造・使途別の12種について,東京地区を100とした地域差指数を作成している。

全国木造建築費指数

1 実施機関

 (財)日本不動産研究所

2 作成の目的

 全国の木造建築物の価格状況を把握し,指数の形で示すことにより長期的な建築費の全国的・マクロ的情報を提供する。

3 作成の沿革

 本調査は,昭和13年(1938)に旧日本勧業銀行が作成を開始し,34年(1959)以降は(財)日本不動産研究所により作成され,現在に至っている。現行指数の基準時は平成12年(2000)3月末である。
 (ただし,戦前基準全国木造建築費指数のうち昭和21年(1946)以前のものは,各年3月末の年1回)

4 作成の方法

 全国(沖縄県を除く)の調査対象都市の木造建築物を不動産鑑定士等により,建築物の程度に応じて4段階に区分し,それぞれの段階の標準的な建築物を想定し,当該想定建築物の平均価格を建設業者等に対して調査する。各調査地点の建築費の前期比の平均を前期の指数に乗ずることにより今期の指数を算出する。
 調査時期は,毎年3月末日と9月末日。

建築物滅失統計調査

1 実施機関

 国土交通省総合政策局情報管理部建設調査統計課

2 調査の目的

 建築物の災害,除却による滅失動態を明らかにし,建築行政,住宅行政に関する基礎資料とする。

3 調査の沿革

 昭和23年(1948)1月から開始された「災害建物統計」が始まりである。26年(1951)に現行の「建築動態統計調査規則」が施行され,その際,新たに,従来の災害建物統計に代えた建築物災害統計と新たな建築物除却統計とからなる「建築物滅失統計調査」が建築動態統計調査に加えられ,現在に至っている。

4 調査の構成及び方法等

 A-建築物除却統計調査票 B-建築物災害統計調査票 

 A-建築物除却統計調査票

  調査対象 地域:全国,単位:個人,属性:建築基準法第15条第1項に基づき,建築物除却届を届出た建築物の除却工事を施工する者
  調査方法 選定:全数,配布:郵送,取集:郵送,記入:自計,客体数:206,611
  周期・期日 周期:月,期日:調査月の翌月13日
  調査事項 除却予定期日,除却場所,構造種別,建築物の用途,住宅の戸数,建物の数,床面積の合計,建築物の評価額,除却原因

 B-建築物災害統計調査票

  調査対象 地域:全国,単位:地方公共団体,属性:建築基準法第15条第2項に基づき,建築物災害報告を報告する市町村及び特別区の長
  調査方法 選定:全数,配布:職員,取集:職員,記入:他計,客体数:8,058
  周期・期日 Aと同じ
  調査事項 被災市区町村名,災害種別,被害区分,建築物の数,住宅の戸数,床面積の合計,建築物の用途,火災件数,建築物の損害見積額

日本の社会資本

1 実施機関

 内閣府政策統括官(経済財政-経済社会システム担当)

2 推計の沿革

 社会資本ストックの推計は,いわゆる国富調査として明治38年(1905)に日本銀行統計局が最初に行って以来,昭和45年(1970)まで12回行われてきたが,その後は中断されている。一方,昭和26年(1951)に一橋大学経済研究所で明治以降の長期経済統計の研究が始まり,41年(1966)に長期経済統計(大川系列)として資本ストックがまとめられた。また,昭和40年(1965)には経済審議会地域部会が都道府県別の社会資本ストックを推計し,43年(1968)にその結果(経済審議会地域部会報告検討資料集)がまとめられた。また,昭和36年(1961)から,経済企画庁(現内閣府)総合計画局社会資本班によって道路,港湾,国鉄のストック推計が始まり,その後推計部門の追加等の作業が続けられ,昭和61年(1986)に「日本の社会資本―フローからストックへ」としてまとめられた。さらに,平成10年(1998)には,「日本の社会資本―21世紀へのストック」が,また14年(2002)にはその改訂版として「日本の社会資本―世代を超えるストック」がまとめられた。

3 社会資本の範囲

 「日本の社会資本」における社会資本の範囲は,事業主体に着目し,利用可能なデータの有無等を考慮しながら,国民経済計算の「公的固定資本形成」の範囲をベースとして,中央政府,地方政府,公的企業を対象としている。主な社会資本の種類は以下のとおりである。
 道路,港湾,航空,日本国有鉄道(昭和62年(1987)民営化),日本鉄道建設公団等,地下鉄等,日本電信電話公社(60年(1985)民営化),公共賃貸住宅,下水道,廃棄物処理,水道,都市公園,文教,治水,治山,海岸,農林漁業,郵便,国有林,工業用水道。
 なお,この外に,公共的色彩の強い民間資本についても推計している。

4 推計方法

 存在する社会資本について,その資産としての価値を再取得価格によって評価する方法で,データなどの関係から,次の三つの方法のいずれかによって推計している。

(1)PI法(恒久棚卸法)

  過去の投資額を物価倍率によって実質化(基準年価格に換算)し,その後これらを毎年積み上げ,耐用年数などによって機能しなくなった資産を除却控除する方法。

(2)BY法(基準年次法)

  基準年のストック量を統計調査などによって確定し,それに前後の投資額と除却額とをそれぞれ加減し,年々のストックを推計する方法。

(3)PS法(物量的ストック法)

  物量ベースの資本ストックを時系列的に求め,これに平均単価を乗じて推計する方法。

5 推計事項

 推計事項は,社会資本の種類別に,名目の新設改良額,災害復旧額,デフレーター(平成2年基準),実質の新設改良額,災害復旧額,ストック額。

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